福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

地蔵菩薩三国霊験記 4/14巻の2/13

2024-07-15 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 4/14巻の2/13

二、    同じく母の苦を救ひ給ふ因縁の事。

過去無量阿僧祇劫に佛、世に出玉ふ。清浄蓮華目如来と名く。其の佛の壽命四十劫なり。像法の中に一の羅漢あり。福をもって衆生を度す。一の女人に遇ふ。字を光目と云ひき。食を設けて供養す。羅漢問、何をか願ふ。光目答て曰、我母亡の日なる故なり。未だ我が母の生し處何の趣と云ふことを知らず。

羅漢愍みて為に定に入りて観見するに光目の母悪趣に堕ちて大苦を受く。羅漢光目に問て言く、汝が母の在世に何の行業を作して今悪趣にあって大苦を受くるや。光目答ていはく、我が母唯好みて魚鼈のたぐひを食ふ、或は炒り或は煮て情を恣にして食す等云々、尊者哀れみて救ひ玉へ。羅漢これを愍みて方便を作して光目を勧めて言く、汝、志誠に清浄。蓮華目如来を念じ形像を塑畫すべし。存亡報を獲、光目聞き已て即ち佛像を畫て供養し悲泣禮敬す。忽ち夜後に夢に佛身を見る。金色光耀須弥山の如し。大光明を放って光目に告げ玉はく。汝が母久しからずして汝が家に生ずべし。纔に飢寒を覚ゆるほどの位の位にして言(ものいふ)事をせんと云々。其の後、家内の婢一子を生ず。三日に満たずして言説す。諬首悲泣して光目に告ぐ、吾は是れ汝が母なり。久しく暗冥に處す。汝に別れてより来た、大地獄にをつ。汝が福力を蒙って生を受ることを得たり。下賤の人となりて復短命にして年十三にして更に悪道に落つべし。汝何の計ありてか吾を免れしむ。光目、説を聞きて母と知る事疑なし。哽咽悲泣して婢子に白す。すでに我が母なり。本罪行業何によりて悪道に堕し玉ふ。婢子答て言く、殺害と毀罵との二業をもって報を受く。若し福を蒙り吾難を救抜するにあらずんば解脱すべからず。光目問はく、地獄の罪報其の事如何。婢子答て言く、罪者の事称(あげて)説に忍びず。百千歳の中にもつひに竟難し(をへがたし)。光目聞き已りて号泣して空界に白さく、願はくは我が母永く地獄を脱して十三歳を畢って更に重罪及び悪道を歴ることなく、十方の諸仏我を哀愍し、我母の為に発する所の廣大の誓願を聴(ゆるし)玉へ。若し我が母永く三途及び斯の下賤乃至女人の身をはなるることをゑて永劫に受けざらんは願はくは我今日より後清浄蓮華目如来の像の前に対して却って後百千万億の中世界の所有の地獄及び三悪道の諸の罪苦の衆生をして誓願して救抜し、地獄悪趣畜生餓鬼等を離れしむべし。如是の罪人尽く成仏し竟(をはりて)我然して後に方に正覚を成ぜん。誓願を発して已りて具さに清浄蓮華目如来の而も之に告て曰ふを聞く。光目汝大慈悲あって善く母の為に如是の大願を発す。吾汝が母を観ずるに十三歳畢って此の報をすてて生じて梵志(バラモン僧)となりて壽百歳ならん。是の報を過ぎて後、當に無憂国土に生じて壽命不可計劫なる後に仏果を成じ廣く人天を度する事數恒河沙の如し。爾時の羅漢福を以て光目を度する者は即ち無盡意菩薩是なり。光目が母は即ち解脱菩薩是なり。光目女は即ち地蔵菩薩是なり。如是の久遠劫の中より恒河沙の願を発して廣く衆生を度し玉ふ。未来世の中に若し男子女人ありて善を行ずる者、悪を行ずる者、乃至因果を信ぜざる者、邪婬妄語する者、両舌悪口する者、大乗を毀謗する者、如是のもろもろの業の衆生、必ず悪道に赴く者、若し善知識の勧めに逢て一弾指の間も地蔵菩薩に帰依せしめば是の諸の衆生即ち三悪道の報を解脱する事を得ん、信ずべし仰ぐべし。

 

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