福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は226事件の日です。

2024-02-26 | 法話

北一輝(226事件で処刑、日蓮主義の田中智学に傾倒)の『日本改造法案大綱』(1923年)
「緒 言
今や大日本帝国は内憂外患ならび到らんとする有史未曽有の国難に臨めり。国民の大多数が生活の不安に襲われて一に欧州諸国破壊の跡を学ばんとし、政権軍権財権を私せる者はただ竜袖に陰れて惶々その不義を維持せんとす。しかして外、英米独露ことごとく信を傷づけざるものなく、日露戦争をもってようやく保全を与えたる隣都支那すら酬ゆるにかえって排侮をもってす。真に東海粟島の孤立。一歩を誤らば宗祖の建国を一空せしめ危機誠に幕末維新の内憂外患を再現し来れり。(軍閥は天皇の袖にかくれて不正を働き、英米独露は日本を裏切り、日露戦争をもって守ってやった支那すら反抗している。日本は孤立している。一歩誤れば国を滅ぼすという幕末以来の内憂外患にある。)
ただ天佑六千万同胞の上に柄たり。日本国民はすべからく国家存立の大義と国民平等の人権とに深甚なる理解を把握し、内外思想の清濁を判別採捨するに一点の過誤なかるべし。欧州諸国の大戦(第一次大戦)は天その驕侈乱倫を罰するに「ノア」の洪水をもってしたるもの。大破壊の後に狂乱狼狽する者に完備せる建築図を求むべからざるはもちろんのこと。これと相反して、わが日本は彼において破壊の五ヵ年を充実の五ヵ年として恵まれたり。彼は再建をいうべく我は改造に進むべし。全日本国民は心を冷やかにして天の賞罰かくのごとく異なる所以の根本より考察して、いかに大日本帝国を改造すべきかの大本を確立し、挙国一人の非議なき国論を定め、全日本国民の大同団結をもってついに天皇大権の発動を奏請し、天皇を奉じて速かに国家改造の根基を完うせざるべからず。
支那印度七億の同胞は実にわが扶導擁護を外にして自立の途なし。わが日本また五十年間に二倍せし人口増加率によりて百年後少なくも二億五千万人を養うべき大領土を余儀なくせらる。国家の百年は一人の百日に等し。この余儀なき明日を憂い、かの悽惨たる隣邦を悲しむ者、如何ぞ直訳社会主義者の巾幗的平和論に安んずるを得べきや。階級闘争による社会進化はあえてこれを否まず。しかし人類歴史ありて以来の民族競争国家競争に眼を蔽いて何のいわゆる科学的ぞ。欧米革命論の権威等ことごとくその浅薄皮相の哲学に立脚してついに「剣の福音」を悟得するあたわざる時、高遠なるアジア文明のギリシアは率先それみずからの精神に築かれたる国家改造を終ると共に、アジア聯盟の義旗を翻して真個到来すべき世界聯邦の牛耳を把り、もって「四海同胞みなこれ仏子」の天道を宣布して東西にその範を垂るべし(仏教では一切衆生悉有仏性というがこの思想にもとずき世界連邦をつくり日本はその盟主たるべきである、(田中智学の八紘一宇と同じ))国家の武装を忌む者のごときの智見ついに幼童の類のみ。」

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