福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

盲人、熊野社に祈請して開眼の事

2024-07-02 | 頂いた現実の霊験

「古今著聞集 神祇第一」「二十七、盲人、熊野社に祈請して開眼の事」

「熊野に盲の者、柴灯(油が入手しがたいので柴をたいて燈明代わりにしたもの)をたきて、眼の明かならん事を祈るありけり。

この勤め三年になりにけれども、しるしなかりければ、権現を恨み参らせて、うち臥したる夢に『汝が恨むるところ、そのいはれなきにあらねども、先世の報いを知るべき也。汝は日高川の魚にてありしなり。彼の河の橋を道者渡るとて、『南無大悲三所権現』と、上下の諸人、唱へ奉る聲を聞きて、その縁によりて、魚鱗の身をあらためて、適受けがたき人身を得たり。この柴灯の光に当る縁をもて、また来世に明眼を得て、次第に昇進すべきなり。このことをわきまへずして、みだりに我を恨むる、愚かなり』と、恥ぢしめ給ふと見て覚めにけり。

その後、懺悔して、一期を限りてこの役を勤めけるほどに、眼も開きにけり。」

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