A師の話
「絶体絶命の危機を乗りきることができた。
長い人生ではじめてとも言える絶体絶命の危機を春先から迎えた。「無事是貴人」という言葉がこの時ほど身につまされて感じたことはない。何事もないような顔をして電車にのっている人達がこれほど羨ましかったことはない。
しかし結論から言うとこの危機が半年かかって不思議に解決した。
この解決に至る道筋を記録してみる。
1,先ず一族の懺悔。これまで自家はエリート一家であると己惚れていた考えをかなぐり捨て、一族の業を改めて深く自覚。懺悔文(我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋癡 従身口意之所生 一切我今皆懺悔)を心からあげる。
2,次に寺社に祈願。本人と家族は共に近くの寺社に毎日祈願。川崎大師にも祈願。同時に先祖供養及び心願成就で千巻心経。毎日50巻あげれば20日、100巻で10日で千巻。
3,高野山奥の院でお百度祈願。同時に護摩祈願。
4,近くのごみ拾い、清掃等。
以上を根気よく続けることで死地を脱することができた。
参考
即身成仏義
またいわく、「もろもろの因果を楽欲する者、かの愚夫のよく真言と真言の相とを知るにあらず。なにをもってのゆえに、因は作者に有らずと説けば彼の果も即ち不生なり。この因、因すら尚し空なり。云何が果あらん。當に知るべし、真言の果はことごとく因果を離れたり。
(大日経悉出現品にいう、「さまざまな現象を因果関係で説明しようと固執する者達がいるが、そのようなものは、真言の意義や真実の姿を知っていることにはならない。それはなぜかというに「原因」は行為の「主体」ではないから「結果」を生じさせることはない。原因そのものでさえ「空」であるのでどうして結果が存在できようか?因果は固定的なものではない、因も果も不生不滅で実体はない、従って真言修法に依れば悉く迷いの眼で見える固定的な因果関係を離れ所願成就するのである。)