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信越線住民の好きなもの~フリッチャイ、鉄道・・・

今日聴いた曲

2013-10-10 21:19:14 | フリッチャイ

○ドヴォルジャーク 交響曲第9番「新世界より」 フリッチャイ/ケルン放送交響楽団 1953年6月1日(ライヴ)


こちらもYouTubeに投稿されていたもの。

「新世界」のライヴまで、Youtubeで聴けるようになるとは・・・驚きとともに時代の変化を感じます。


フリッチャイの「新世界」は、1953年、RIAS響とのスタジオ録音と、晩年の1959年、ベルリン・フィルとのスタジオ録音があります。

前者は、トスカニーニばりの早いテンポと硬い音質で、ぐいぐい引っ張っていくもの、後者はテンポが遅く、陰影の濃い広大深遠な演奏で、まるでフルトヴェングラーを彷彿させるものでした。

テンポという点では両極端にあるものの、テンポの変化という点では、似通っており、1959年の演奏では、1953年のテンポの変化を基本により多彩に、より自然な動きに変わっていると言えるでしょう。


では、今回のケルン放送響との演奏はどうでしょう。


まず演奏時間の比較。

1953年6月  WDR 10’04 11’34 8’02 11’24

1953年9月 RIAS 8’56 10’10 7’48 10’21

1959年10月 BPO 9’56 13’46 8’10 11’54


演奏時間を見る限り、1楽章の遅さに目を見張ります。


序奏は、特筆すべきことはありませんが、主部に入ってから、テンポの変化の多さに驚かされます。ホルンによる第1主題は、遅めのテンポで朗々と吹かれますが、弦楽器で奏されるときには、早めのテンポに変化します。このままぐいぐい行くかと思ったら、第2主題の手前でぐっとテンポを落とし第2主題も遅いテンポで奏されます。続く経過部も遅めのテンポですが、その中で微妙な変化を見せます。小結尾の手前でまたぐっとテンポを落とします。

これは、まさに晩年の演奏のスタイルですが、よりさらにテンポを変化させています。


第2楽章は特筆すべきことはありません。

第3楽章では、第1トリオの前で、晩年と同じくテンポを落としていますが、これも晩年のものより変化は大きいです。


終楽章の弦楽器による出だしは、ねちっこく、これは1953年のスタジオ録音と似ています。そして、序奏から主部に移る一小節前でぐっとテンポを落とします。これは、これまでの演奏でも同様ですが、もっと徹底しているように感じます。まるで、金管がテンポを落として4拍演奏している間に、他の楽器は6拍程度演奏しているのではと錯覚するほど、勢いに差があります。


フリッチャイの「新世界」のユニークな解釈は、若いときからのものであることが分かりました。


「新世界」の録音は、あと1952年9月11日にRIAS響と録音した放送録音があります。こちらも演奏時間が42分以上というデータもあります。1楽章を反復しているのか、遅いテンポなのか・・・早く日の目を見れるようになってほしいものです。


音質は、テープの擦れるような音が多少気になりますが、特に木管楽器や金管楽器がくっきりと鮮明な音で聴こえ、この時期、それもライヴという点からすれば、申し分ありません。

コメント (2)
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