○ドヴォルジャーク 交響曲第9番「新世界より」 アンチェル/チェコ・フィル 1961年12月5、6日
几帳面で素朴、しかし、ばさっばさっと切りさばいていくような即物的なアプローチはトスカニーニを思わせます。ティンパニは、ひと際雄弁かつ豪快で、この演奏をキリリと引き締めています。
ところで、皆さんはこの曲の標題の日本語訳、「新世界より」と「新世界から」、どちらが好きですか。
この曲は、ドヴォルジャークが「新世界であるアメリカから故郷のチェコに宛てた便り」ですので、「より」でも「から」でも誤りではないと思います。
私は、「新世界より」の方が好きです。理由といってもうまく説明できませんが、印象が「より」の方が柔らかい感じがします。