○チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 クーレンカンプ(Vn)、ローター/ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 1939年
○ドヴォルジャーク ヴァイオリン協奏曲 クーレンカンプ(Vn)、ヨッフム/ベルリン・フィル 1937年
チャイコフスキーは、クーレンカンプも、指揮のアルトゥール・ローターも決して気負うことなく、懐の深い味あいのある演奏をしています。随所でテンポをゆったりとっていて、現代では聴けない演奏です。
ローターは、戦前から戦後にかけて、ベルリン・ドイツ・オペラの指揮者、音楽監督として活躍した人で、戦前の1945年1月にギーゼキングと録音したベートーヴェンの皇帝が最初期のステレオ録音として有名です。
一方、ドヴォルジャークは、オーケストラが折り目正しくチャイコフスキーほどの趣はありませんが、クーレンカンプのヴァイオリンはこちらも味あい深く素晴らしいです。特に2楽章中間部のところでのばっさり切り落とすようなヴァイオリンの音の出し方は絶品です。