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プレヴィン/ロンドン響のLPでラフマニノフ/交響曲第1番の魅力を再認識

2010-04-27 23:04:46 | 交響曲
 ラフマニノフ(Sergei Rachmanimov/1873~1943)の「交響曲第1番ニ短調作品13」(1895)は続く有名な「第2番ホ短調作品27」(1907)の影に隠れてしまい特に国内ではほとんど生の演奏に接する機会がない。ラフマニノフの交響曲の演奏を語る上で指揮者アンドレ・プレヴィンを避けてとおることはできないだろう。過去にはプレヴィン/ロンドン交響楽団による「第2番」の名盤(1973年録音)を紹介したことがあるが彼によってこの交響曲の「完全全曲版」が世界的に広まったことは彼がラフマニノフのスペシャリストとして高い評価を築いた礎となっている。
 さて本日話題にしたい「交響曲第1番」は初演当時(1897年)大変不評だったためその後作曲者ラフマニノフの生前には演奏されることがなかった。しかもその「スコア」は作曲者自身が自宅に仕舞い込み出版を禁止したためその所在が不明となってしまったのである。その後この作品が日の目をみたのは作曲者没後の1945年にレニングラード(現、サンクトペテルブルグ)の国立図書館で初演のパート譜一式が偶然発見されたことだった。これによりスコアが復元されロシアでの蘇演は1947年アレクサンドル・ガウク/ソヴィエト国立交響楽団により行われこの作品が再評価されたのである。
 筆者が最初にこの作品を耳にしたのは写真のプレヴィン指揮ロンドン交響楽団による1975年録音(英EMI/ASF3137)のLPである。指揮者プレヴィンの繊細な美的感覚がラフマニノフの独特のスケール感ある管弦楽に見事にマッチした名演でこの交響曲の魅力を再認識させられた1枚であった。