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若きサヴァリッシュの名盤、R.シュトラウス/歌劇「カプリッチョ」全曲

2010-04-24 16:04:32 | オペラ
 R.シュトラウスの歌劇「カプリッチョ(Capriccio)」作品85は彼の最後のオペラ作品である。作品は1941年に1幕ものとして完成されている。副題にドイツ語で「Ein Konversationsstück für Musik in einem Aufzug(音楽のための1幕の対話)」と記されているようにオペラは若い未亡人マドレーヌに恋をしている音楽家フラマン、詩人オリヴィエの二人に劇場支配人ラ・ローシュが加わり「オペラ談義」が展開する。この副題は作曲者R.シュトラウスと親交のあった指揮者クレメンス・クラウスの提案によるものと言われている。実際このオペラはクラウスに献呈された。またシュトラウス自身このオペラを上演するにあたり従来の大劇場ではなくもっとこぢんまりした小さな劇場で上演することが望ましいと考えていた。筆者が実際に生で鑑賞した1987年夏の「ザルツブルク音楽祭」でも「祝祭大劇場」ではなく「祝祭小劇場」で上演された。因みにヒロインのマドレーヌ役には今は亡きルチア・ポップが美声を聴かせ指揮はホルスト・シュタイン、管弦楽はウィーン・フィルという贅沢な組み合わせだった。
 ところでこのオペラの最大の聴きどころはやはり大詰めの間奏曲「月光の音楽」と「伯爵夫人(マドレーヌ)のモノローグ」であろう。筆者の愛聴盤はステレオではグンドゥラ・ヤノヴィッツ(伯爵夫人)他カール・ベーム指揮バイエルン響盤(DG)、モノラルでは若きウォルフガング・サヴァリッシュがエリーザベト・シュワルツコップ(伯爵夫人)他、フィルハーモニア管弦楽団と1957年ー58年に録音したEMI盤(写真/独EMIElectrola 1C 151 1435243)である。特に後者のサヴァリシュ盤はシュワルツコップの全盛期で彼女の艶のある美声は聴きものでさらに指揮者サヴァリッシュが当時まだ30代の若さでこのシュトラウスの作品を見事にそつなく振っているところが素晴らしいの一語につきる。