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異色な音楽家アイヴズの「交響曲第4番」&「夕暮れのセントラル・パーク」

2010-04-26 23:21:49 | 交響曲
 アメリカのチャールズ・エドワード・アイヴズ(Charles Edward Ives/1874~1954)は異色な音楽家であった。彼はエール大学で音楽を学んだが卒業後は保険会社に就職、その後彼は自身で保険会社を設立、実業家としての手腕を振るった人である。一方作曲はその合間をぬって趣味で行われた。しかしその作品は趣味の域を超え現代音楽の手法を用いた優れたものが多く交響曲作品をはじめとして注目を浴びた。
 今日紹介したい「交響曲第4番」(1916)は彼の最後の交響曲にあたるが2群の管弦楽を要し補助指揮者も必要とする複雑な構成を持つ作品である。また第1楽章、第3楽章に賛美歌を用いているのも特徴のひとつだが作曲者アイヴズの個性がでた聴き応えのある作品である。
 一方、「夕暮れのセントラル・パーク」は「野外の情景ー3部作」の一つで作曲年代は1906年とされる。作品は夏の夕暮れの「セントラル・パーク」の情景を音楽描写したものである。作曲者自身が述べているように夏の夕暮れに公演のベンチに腰をおろすと自然と耳に入ってくる音ー新聞売りの声、自動ピアノの音、走り去る馬車の音等々様々な音の情景を演奏時間10分足らずの作品の中に巧みに表現している。筆者の一番の愛聴盤は写真の小澤征爾指揮ボストン交響楽団(1976年録音)のDG盤(LP)である。彼の演奏は力まず自然体でアイヴズのこれら2つの作品の魅力を巧くまとめあげており非常に聴きやすい演奏になっているところが素晴らしい。