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ブゾーニの大曲、声楽付きピアノ協奏曲

2010-04-08 02:53:14 | 協奏曲
 イタリアの作曲家でありピアニスト、指揮者としても活躍したフェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni/1866~1924)の「ピアノ協奏曲」は従来の協奏曲とは異質な作品である。演奏時間70分を超えるこの協奏曲は全体で5楽章から構成され終楽章に「男声合唱」が加わる。このため別名「コラール協奏曲」と呼ばれることもある。声楽のテキストに用いた題材はデンマークの詩人、エーレンスレーヤーの「アラジン」の独訳版である。さらにピアノ技巧の難しさも要求され全曲演奏するためにはピアニストの相当なエネルギーを必要とされる大曲である。
 筆者もまだこの作品の生演奏に接したことがないがCDでは写真のギャリック・オールソンが弾くクリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーヴランド管弦楽団、男声合唱団による演奏をたまに聴いているが全曲を通して聴くだけでも大変な集中力が要り疲れてしまう難解な作品である。ブゾーニが38歳、1904年に完成した作品だが日本での全曲初演は確か今世紀になってからと記憶している。