フェレンチクの名盤ーコダーイ/組曲「ハーリ・ヤーノシュ」

　バルトークと並んでハンガリーを代表する作曲家のひとりにコダーイを忘れることはできない。今日紹介するレコードはハンガリー指揮者界の巨匠ヤーノシュ・フェレンチク（1907～1984）の名盤コダーイ/組曲「ハーリ・ヤーノシュ」、「管弦楽のための協奏曲」にスポットをあててみたい。写真のＬＰ、フンガロトンーＳＬＰＸ１２１９０がそれである。フェレンチクがブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団（ハーリ・ヤーノシュ）、とハンガリー国立管弦楽団（協奏曲）を振ったものである。ＬＰには録音年月日の記載がないので正確な録音日時は不明だが彼が双方の楽団の音楽監督を務めていた１９６０年代ではないかと思われる。
　因みに前者の「ブダペスト・フィル」は「ハンガリー国立歌劇場」の専属オーケストラで歌劇場でオペラを演奏するときには名称を「ハンガリー国立歌劇場管弦楽団となる。ちょうどウィーン・フィルとウィーン国立歌劇場管弦楽団の関係と類似している。また後者のハンガリー国立管弦楽団は現在のゾルターン・コーチシュが音楽監督を務める「ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団」ではないかと推定される。ブダペストのオーケストラは先にも紹介したようにレコーディングや海外公演の際にも名称を変えたりすため少々混乱してしまう。いずれにしてもこのフェレンチクの演奏、「お国もの」という表現がまさにピッタリの民俗色鮮やかな名演と言えるだろう。