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ムラヴィンスキー最後の来日公演ライヴ盤から「グラズノフ/交響曲第5番」

2010-04-13 21:17:27 | 交響曲
 一昨日グラズノフの舞踊音楽「四季」を紹介したが今日は彼の交響曲作品から1枚取り上げてみたい。写真のCDはエフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィルが1979年に最後の来日公演を行った最終公演のライヴ盤である。(1979年6月8日/NHKホール、東京)グラズノフの交響曲は最後の「第9番」が第1楽章のスケッチのみで未完に終わったため完成された作品は全部で第1番から第8番までの8曲ということになる。とりわけこの「第5番変ロ長調作品55」はグラズノフ30歳の1895年に完成された作品でロシア的国民音楽文化と西欧の音楽文化が見事に融合された彼らしい美しい旋律を持った作品で彼の交響曲作品の中でも傑作とされているものである。またこの作品は別名「英雄的」とか「ワグネリアン」とも呼ばれることもありこの作品に与えらえれた作品番号55は偶然にもベートーヴェンの第3番~「英雄」と同じ作品番号なのが興味深い。
 グラズノフの舞踊音楽を思わせるこの「第5番」の優美な旋律はまさに彼の真骨頂である。このムラヴィンスキーのステレオ・ライヴ盤はレニングラード・フィルの弦の美しさが印象的な1枚でもある。