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『週刊ダイヤモンド』10月1日号 -「公営ギャンブルの収支は公開できない」と言い張る農水省

2011-09-27 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週の『週刊ダイヤモンド』は「世界失速」でした。
このような記事が出た瞬間が底になることが往々にしてあります。
2009年の年明けには「資本主義が崩壊する」と喚いていた
粗忽者が大量発生していましたが、今考えると実に馬鹿馬鹿しい。

サブ特集の「公営ギャンブルの窮地」が非常に面白い。
官の独占事業だから体質は原子力と極めてよく似ている。

何しろ高コスト・殿様商売・情報隠蔽・訴訟多発。
メディアの皆様は是非この分野を深堀して欲しい。
個人的には宝くじも役人のための福利厚生システムが隠れていると思う。

『週刊ダイヤモンド』2011年 10/1号


P117の公営ギャンブル市場の縮小ぶりは悲惨の一言。
急激な少子化を放置してきたのだから必然だろう。

気になるのは農林水産省の競馬監督課などが情報公開を拒否したことで、
天下りのような利権や癒着が隠されていると考えざるを得ない
国交省の競艇、経産省の競輪、オートレースも同様だろう。

V字回復した大村競艇の事例も興味深い。
決め手は矢張り民間の手法導入であるようだ。

    ◇     ◇     ◇     ◇

さてP27では野村證券の田中泰輔氏が登場。

この微妙な時期にドル円への言及は少なく
(明言しにくい状況であるからよく分かる)、
今回は珍しくユーロ/ドルの分析でした。

欧米の国債2年物の利回り差からユーロ/ドルの変動を見ると、
「投げ売り」が生じオーバーシュートとなっていることが分かります。

図表を見ると7月から投げ売りが始まりかけているように見えます。
今回もリーマンショックやギリシャショックと同じように
金利水準からは説明できない投げ売りが生じているのでしょう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

P31「Data Focus」では高山憲之・一橋大学教授が
「現役世代の手取り賃金は下落 年金給付削減はやむをえない」
と題した記事で正論を唱えておられます。

2008年から2009年に日本の現役世代の手取り賃金は4%ダウン、
それに対して年金給付額は変わらずというモラルハザード状態。

スウェーデンでは消費者物価指数に連動して年金給付額も削減、
日本のマクロ経済スライドの制度としての完成度の低さは明白です。

「年金給付カットはスウェーデンでも不人気だが、年金財政の
 長期的安定の方を優先させ、お年寄りに譲歩してもらったの
 である」

とのことで、我が国の年金制度の近視眼ぶりが分かります。

    ◇     ◇     ◇     ◇

今週の『週刊東洋経済』は特集「中国は台湾から攻める」。
企画的には面白いですが今ひとつピンと来ませんでした。

今後はアセアンや南アジアの方が日本にとって重要になると思う。


中ほどにある経団連会長へのインタビューは切り込みが甘いと思う。
経団連所属企業が東電から幾ら受注しているか、
なぜ日本企業は法人税が下がっても世界シェアを落とすのか、
はっきり尋ねるべきではないだろうか。

事前にネットでアンケートを取り、
経団連の東電への態度を支持するか、脱退した三木谷社長を支持するか、
数字をはっきり出した方が遥かに有意義なインタビューになっただろう。

『週刊東洋経済』2011年 10/1号


佐藤優氏のコラムは矢張り面白い。
「自己意識が肥大化していると現実認識が出来ない」
との指摘は鋭い。

経団連会長へのインタビューと比較すると実に興味深く読める。
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