-凸凹帖-

写真 奥野和彦

時間つぶし

2019-07-02 22:19:58 | 写真


今日もまた
仕事と仕事の間が4時間空いて
さて、時間つぶしをどうしよう。

渋谷は大変なスピードで
再開発が進んでいる。

昼ごはんを食べて
新たな物は買わないようにしようと言ってるのに
まずは中古のCD屋に行って
最近、聞くようになったグループのCDを1枚。

その流れで楽器屋に行ってギターを眺める。
若い子たちが
目をキラキラさせて
新品の吊られているギターを
おっかなびっくり店員に声をかけて
説明を聞いたり手に取ったりしている中で
私、新品には興味がない。

買わないし、買えない。
けれども、見ているうちに試奏ならしてもいいか
という気になり
24万のビンテージギターを弾かせてもらう。
1960年代製のこのギターを
2009年に復活させて作った中古が
越谷のハードオフで売られている。

これ、弾かせてもらっていいですか?
店員、ニヤッとして
これですね?と。
正直、これに興味を持つのが
少し珍しいと思う。

引いてみて音がどうかと言えば、良い。
確かに良い。
が、弾き心地も良い。
弾き心地が良いから音が良く感じるのか
楽器屋の試奏は大きなアンプで音が出せるから
良く聴こえるのか
昨日のうなぎのタレの話と同じで
味わいの部分も大いに影響していそうだ。

このギターを見る前に
ずっと眺めていた97万のギターを
調子に乗って

すみません…、それも音出してみてもいいですか?
これには店員
思わず ウッと私の顔を見直したが
すぐに冷静に
はい、どうぞお試しくださいと。

私の試奏は素人もいいところである。店員さん、
おい、お前がそのギターをまさか買うか?
と思っていただろう。
買わない。
でも楽しかった。

私の本当の好みとしては
前者のギブソン メロディーメーカー であり
人に弾かれてあちこちの角が取れた手触り
経年でまろやかになったピックアップ。
それがさらに弾き心地のよさを増す。
パソコンだとか、デジカメだとかは
そういうのは許されなくて何人にも
同様のレスポンスでないと困る。

後者のフェンダー ジャズマスター の本物を
触ったのは初めてで
やはりネックに手が吸い付くような掴み心地。
メロディーメーカーに比べると
音がきらびやかで、華やか。

ありがとうございました。
ご縁があったら買える時が来るかも知れません
と笑ってギターを店員さんに手渡した。
この人は「ないだろう」と思っていただろうから
特に嫌な顔をされもせず
ぜひ、お越しくださいと言ってくれた。

今度、ハードオフの方も弾かせてもらおうか。
値段は6分の1だ。
いやいや、郡上竿も待ってるんでね…。



卒業

2019-07-01 22:22:30 | 写真


断捨離がなんだ、と思いながら
それでも物を減らして行きたいとは思う。
大体、芸の肥やしと言い訳をして手にした
側にある趣味の道具を
もう、そろそろいいかと思ったものは
卒業して行こうと思えばできない事もない。
物との卒業ばかりではなく
他にも卒業したいことはあって
それもぼちぼち。

暗室用品、撮影機材、本、釣り道具
さらに一番腹を決めて処分しなければいけないのは
何十年分のネガだ。

もしかしたら、また手にしかねないとは思うけれど
今まで仕事では無い自分の写真製作用に使っていた
フイルムカメラをやめて
デジタルカメラにしてみようと思う。
フイルムで撮っているのに現像したら
それをスキャナでデジタルに置き換えて
結局インクジェットプリンターで紙にしている。
いつか銀塩のプリントにと思っていても
スポンサーでも現れなければ出来ないし
デジタルカメラで、今までの水準の製作が出来るように
自分が研究を重ねていくのは面白いことかも知れない。

鰻屋さんの
鰻を焼いている焼き台のそっち側に
何十年も使い続けて足し続けて来た
外側に垂れてギトギトのタレの瓶と
その隣にピカピカの先週届いたようなピカピカの瓶が
あったとして、
どちらの瓶に鰻を浸けてもらうのがいいかと言ったら
ギトギトの方だろう。

人は何とも言えない味わいを知っている。
見なきゃ感じない味を、見ると感じてしまう。
実際、味わいになっているかどうかなんて分からない。
AIにしてみるとそれは間違いで、選択しないものかも知れない。
むしろ、清潔で新しいものの方を選んでくれるだろう。
でも、AIにこの場合は古いものの方を選択するように
仕込むからAIなのか。
あーめんどくせー、誰かのフイルムの話みたいな。

機械がちゃんとやってくれるのに
味わいを加えようとする。