あったあった、と言って
自分のモノクロプリントの入った箱の中から見付け出したのが
この写真で
今日は映画のサプライズイベントで
佐野の学校に行って来たのだけれど
仕事を終えて学校を出て
まだ昼間だし、車だし、
ラーメンぐらい食べてもいいし
いつものカラーフィルム用カメラもあるし
少し走ってみることにしたのだ。
佐野で思い出すのがこの写真で
最近、粕尾川の釣りの話を書いたりしているけれど
高速道路を使わずに、一般道を走って
栃木に遊びにゆっくり寄り道しながら行こうという時には
この辺をよく通る。
まだ栃木通いを始めた頃の
もう、どこにネガがあるかも分からない30年以上前の写真。
その後、4車線の道路もできて
ショッピングモールも出来て
新しい道を通りながらも
「もしかしたらこの角だったんじゃないかな」
とか思ったり、でもちょっと違うか、とか。
今もあるかどうかは分からないし
探し回ってみるまでもないし
今日のラーメン屋は当たりで
とても美味しかった。田村屋さんです。
おすすめします。
それから、ちょっと小川の写真が撮りたいなと思って
なんとなく匂いのする方へ小道を曲がって
しばらく走ったら
あ!!
もっと幹線道路にあったと思っていた。
昔は主要道路だったここが
もうその役目を終わっていたのか。
営業はしておらず
草が生えて、街灯は無くなり
キグナスの文字は色あせている。
こんなに角度の開いたY字路だったか。
その頃は森山大道さんを倣ってこんな風だった。
今はやっと自分のスタイルと思える写真の形があって
ここに人が歩いて来たら撮る、と思って待って見たけれど
10分ぐらい立っていても人っ子一人通らず
猫1匹歩かず、栃木の砂利を積んだ10トンダンプに
ブブッと鳴らされたので
諦めも肝心、と車に戻った。
じっくりと色々考えたりしなくて良かった。
でも、あの日の佐野に降り注いでいた太陽の
光と影はこのハイコントラストのプリントにきっちりと
焼き付けられていて自分は写真の原理そのものの
この写真がずっと好きなのだ。
今日は台風が近付いていて
少し湿った空気のどよんとした感じが写っている。
そしてフィルムではなく受光素子で捕まえられた
光の粒だ。この2018年9月の光だ。
ガソリンスタンドが無くなるのが先か
自分が亡くなるのが先か
はたまた、またいつか今とはまた違う自分とこの場所が出会うのか
その時には「写真」はあるのか。
奇跡を待ってみることにする。