-凸凹帖-

写真 奥野和彦

弁天島

2018-09-10 22:28:01 | 写真


18きっぷの期限が今日までで
仕事は無いし、勿体無いから使い終わろうと
また朝早くから電車に乗る。
盛夏に山の中へ行ったので
今回は海ぎわへ行こうと東海道線に乗って
どこまで行って帰って来れるのか逆算して
豊橋とその手前の浜名湖界隈を見てこようと。



雨が降るのは分かっていて
どの辺から降るかと思ったら
豊橋駅に到着する手前ぐらいから普通に降っていた。
豊橋の市電に乗ってる内にザーザー降りになって
浜名湖に戻るか、赤い電車に乗るか考えたけど
浜名湖の赤い鳥居もこの雨では霞んで
歩くのも容易では無いだろうと諦めて
赤い電車で時間的に往復出来る駅まで行って写真1枚撮って戻る。



中部地方の私鉄駅前は
関東とは雰囲気も違うだろうと思ったカンは外れて
そうでも無かった。選んだ駅が悪かった。



まだ3時前だというのに
私のフイルムでは手ブレをしそうな暗さの空で
6時間電車を乗り継いで来て
そうとなったら仕方が無い。
弁天島とタイトルして弁天島は写していない。



もう40年以上昔に
家族で父の故郷の伊勢に東名高速を使って行き
浜名湖と言う湖は海とつながっていて、
ウナギがとれる、養殖が盛んである。
サービスエリアで初めて食べたウナギ弁当が美味しかった。
その年に買った軽自動車で弟2人家族5人が乗って
大丈夫かな、止まらないかなと言いながら走った。



青い夏の海の中に赤い鳥居が立っていて
頭の丸い新幹線が青いストライプを引っぱって
車窓の右左に縫うように現れる。
引き続いて緑の夏草が生い茂る土手の上を
今度は真っ赤な電車が並んで走る。
先頭がパノラマカーになっていて
見慣れない駅名の大きな行先板を付けて
大きな金色の車台番号が太陽の反射をギラリとさせて走って行く。

高度成長期の僕達の晴れやかな記憶だ。