-凸凹帖-

写真 奥野和彦

すごいこと

2011-06-08 18:25:04 | 写真
110608
山渓カラーガイド カラー日本の私鉄1
という本より複写。
1976年発行。すでにこの本が貴重品である。
で、私はいろいろちょっと分からなくなったり
つまいずいたり、また、風邪で寝込んだりした時に
この本を手に取る。これは前にも書いたかもしれない。
ここ何日かはこれで癒されている。
こうして思いついて、指で押さえながら複写が
フラッシュも無しでこんなにきれいに撮れ、暗室作業も無く
すぐに全世界に発信できてしまう所もすごい。

この車両は1977年に廃止になった石川県の
尾小屋鉄道という所のディーゼルカーである。
昔は鉄道ファン、今はテツヲタというが
当時小学生であった私が好きであった路線であり
車両である。 鉄道ファンといっても超大編成の特急列車や
ブルートレインには興味が無く、ローカル線の
ガラガラ音を立てて走るディーゼルカーとそれらを
囲む環境が好きだったのである。 しかし
小学生だった私が石川県までローカル線に乗りに行く事を
思いつく訳も無く、尾小屋鉄道は廃止になった。

例えば、バイク、車、手に入れて乗ってみたい
旧車や名車、新型車、それらのことを人に例えてみたり
展示されているものを見に行くとなると
「会いに行く」と表現したりしないだろうか。
模型なんかでそばに置くのもいいかもしれない。
このキハ3は私が会いたかったものの一つである。
この写真は「写真」としても素晴らしいものの一つと
思っていて何でも無い普通の昼下がりに、いつも通りに
汽車が到着して、いつも通り運転手がいてこんなに
いつも通りが完璧に写されている。 それでいて
どこか現実離れして見えるようなところもある。

キハ3の異形である。
普通の中に化け物のようなものが現れている。
私に言わせれば「ネコバス」なみである。
あまり書くと、コードに引っかかりそうにもなる。

その後、彼はいくつかの所有者のもとを
転々としたようだが、なんと今でも生きている。
インターネットの時代になって、動く彼を見る事だって
出来る。 おそらく、こんな音であろうと思っていた
エンジン音。警笛。動きっぷり。 すごいなあ。
しかも、やっぱりこんな山の中の草むらの、茂みの中の
ひっそり暮らしである。

彼がくたばるのが先か、オレがくたばるのが先か
死ぬまでには一度会いに行ってみたいと思う。
何ヶ月かに一度、動かしているようだし。
行って、その土手っ腹をパンパンたたいて
おもしれえなあ、お前。と言ってやりたい。

余談であるし、ファンなら知っている事だが
車体には本来1803と車番が貼ってあるが
1803は尾小屋に来る前の遠州鉄道での車番であって
尾小屋では180までを赤く塗って3の上にキハ
と書いてある。

さあ、動きますよ。
時間と心に余裕のある方はどうぞこちらへ ↓

http://www.youtube.com/watch?v=WFCB7cvvjxs&feature=related

http://www7a.biglobe.ne.jp/~tsk-1803/koukaibi.htm