英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

自転車ヘルメット着用“努力義務”!?

2023-03-22 17:09:42 | 時事
自転車用ヘルメットの着用】(警視庁ホームページ)
改正道路交通法の施行により、令和5年4月1日から自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化される。

道路交通法(令和5年4月1日以降)

自転車を運転するすべての人がヘルメットをかぶることに努めなければならないのはもちろんのこと、同乗する方にもヘルメットをかぶらせるように努めなければなりません。
また、保護者等の方は、児童や幼児が自転車を運転する際は、ヘルメットをかぶらせるよう努めなければなりません。


 昨日のニュースで、初めて《自転車ヘルメット着用努力義務》を認知した。
 これまで、自転車ヘルメット着用を推奨するコーナーなどは見た記憶はあるが、着用義務化されていたとは?


★そもそも、“努力義務”ってどういう意味?
義務…………道徳上または法律上、それぞれの立場において、人が果たさなければならないこと。(旺文社・『国語辞典』)
      一般的に、「しなければならない」、もしくは、「してはならない」とされているもの
努力義務……法律上、義務ではないため違反しても罰則の対象にはならないが、当然そうすべきでありそのように努めなければならないものとして規定されている物事を指す語。(Weblio辞書)※旺文社・『国語辞典』には載っていなかった

 意地悪く言うと、“努力義務”は「~するよう(しないよう)努力しなさい」と言っているのだから、その指定された行為を果たさなくても、「努力している」と言い張ればOKということになる。
 “義務”は果たさないと“罰則がある”が、“努力義務”は果たさないと叱られる(注意・指導を受ける)が”罰則なし”……と考えていいようだ。

 罰則がないとはいえ、努力義務とされていることは、従った方が良い。(中には、矛盾した決まり、規制もあるが)
 この自転車ヘルメットの場合、着用した方が、ケガや死亡の危険性は低くなるので、「自転車を乗る時はヘルメットをかぶった方が良い」という意見には反論できない。

 それはともかく、“努力義務”という言葉は変だ。
 ”努力”は《意欲》という主観的、任意的な意味(尺度)に左右される。そんな“努力”に絶対的な意味合いの“義務”を強いる……矛盾を感じる言葉だ


★この改正道路交通法はいつ決まったんだ?
 調べてみると、「全ての自転車利用者に対しヘルメット着用の努力義務を課す」改正道交法を来年4月1日から施行すると、2022年12月20日に閣議決定したようだ。

 また、閣議決定か!
 この閣議決定、けっこう、目立たず決定してしまい、その法律の施行を知らされて、《なんでこんな法律が…》と思うことが多い。(記憶に残るのは、《レジ袋有料化》)
 なので、“閣議決定”の“閣”が“闇”に見えてしまうのだが……

 ところが、実際は、閣議で検索してみると……
==================================
内閣が提出する法律案については、閣議に付される前に全て内閣法制局における審査が行われます。
内閣法制局における審査は、本来、その法律案に係る主管省庁から出された内閣総理大臣宛ての閣議請議案の送付を受けてから開始されるものでありますが、現在、事務的には主管省庁の議がまとまった法律案の原案について、いわば予備審査の形で進める方法が採られています。
したがって、閣議請議は、内閣法制局の予備審査を経た法律案に基づいて行われます。
==================================(詳しくは内閣法制局「法律ができるまで」“内閣法制局における審査”の項


 でも、内閣法制局の予備審査があるとはいえ、実際の現場とは乖離した場で審議されるので、意味がない法案や矛盾する法案が通過することも多いのではないだろうか?
 もしかしたら、形式的な審査になっているのかもしれないし(年末の軍事費倍増なんて、自民党の強引な主導で閣議決定されたように思う)
 「保育所保育指針の改定(2018年)」「国の政策に振り回される酪農家」も矛盾を感じる。

 今回の《自転車利用者のヘルメット着用の努力義務化》(改正道路交通法)は、その法令自体は妥当かもしれないが、かなり性急だったような気がする。周知も徹底されなかったように思う。まあ、いろいろ社会問題も豊富だし…「次元の違う少子化対策」とか「ガーシー問題その1」「ガーシー問題その2」とか「”放送法行政文書”問題」とか、「春闘、賃上げ」「ウクライナ情勢」「新型コロナウイルス諸問題」「北朝鮮ミサイル発射」……問題が多すぎ
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【歳時メモ】 梅、桜、辛夷(こぶし)、白木蓮 【追記あり】

2023-03-22 15:16:12 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。
 2月が寒かった……“《寒かった》と思ったのですが、今調べたら、平年をわずかに下回る2月の気温(日平均、平均最高気温、平均最低気温)でした。
 とにかく、例年並みの寒さだったので、梅の開花は平年並み?なのでしょう(自信なし)。ちなみに、2月が暖かかった一昨年(2021年)は、3月初旬に早いモノは咲き始め、3月中旬にはあちこちで満開だったようです
 3月は非常に暖かかったので、桜、辛夷(こぶし)、白木蓮の開花は早いです。
 ですが、村国山前の堤防の桜はまだ咲いていませんが、それより、以南の桜は先週末から咲き始めました。(桜が若いからか、種類が違う成果は分かりませんが、毎年早いです)
 吉野瀬川の桜は、一昨日(3月20日)は、まだ咲いていませんでした。商工高校と中学校の桜は2~3分咲き(3月20日現在)
 辛夷と木蓮(白木蓮)は先週末から咲き始めました。ご近所の木蓮(白木蓮、紫木蓮)も、白木蓮は先週木曜日頃に開き始め、現在、8分咲き。紫木蓮も追っかけて咲き始め3分咲きです。例年より、紫木蓮の追っかけが急ピッチです。

【追記】
 村国山前の堤防の桜ですが、今日(3月24日)、3分咲き以上でした。
 今立の花筐公園に伸びる桜並木も3~5分咲き。
 国高小学校横の辛夷の街路樹も綺麗でした。かなりの距離を連なって咲いていて、綺麗です。数が多いので、咲き始めからのモノから散り始めのモノまで色々ですが、見事な辛夷の並木道です。
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備忘録

2023-03-21 21:22:26 | 日記
・自転車ヘルメット着用努力義務(“努力義務”という変な表現。“いつ決まった?”)
・藤井六冠、無駄な勝ち星なし
・卓球の張本選手の雄叫びについて(《中学生の大会だと、張本選手の雄叫びは平均レベルなので、問題ない》という理屈について)
・女流棋士の濫造(記事中断したまま放置)
・中小企業、下請け企業が価格転嫁できた場合……
・《ブレーキとアクセル踏み間違え》について

 もっといろいろあったと思いますが、「書かなくては」とか「これ書きたいなあ」と思っても、書かないでいるうちに忘れてしまったことが多いような気がします。
 それに……スポーツ記事だと得点とか勝敗など記録やスコアの確認、将棋だと個人や棋戦の概要の確認もありますが、変化手順や形勢判断が大変、ドラマだとストーリーをある程度紹介しつつ、感想などをまとめる作業(大河ドラマや相棒は大変。現在、この二つがないので少し楽です)、時事は間違ったことは書けないのでいろいろ調べます……とはいうものの、けっこう間違えているような気がします。
 「書きたい記事」>「書くペース」なので、まったく状況が改善しません。

 取りあえず、今覚えていることを書きあげておこうと思ったわけです。
 
 
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2023年棋王戦第4局② 渡辺棋王ー藤井五冠 (2022年度) 

2023-03-20 21:42:57 | 将棋
2023年棋王戦第4局① 渡辺棋王ー藤井五冠 (2022年度)の続きです。


 渡辺棋王の秘手▲8三桂に対して藤井五冠は△6五歩。
 渡辺棋王の研究は、この前に△8六歩▲同歩と突き捨てを入れられていた局面で▲8三桂を掘り下げていたとのこと。突き捨ては後手飛車が当たりになった時に8六に走る手や△8八歩と先手陣を乱す下準備だが、反面、先手に歩を与えることとなり、一長一短(人間は歩の突き捨ては“入れておきたい”という感覚だが、AIは歩の価値を重視し、“相手に歩を与えない”ようにすることが多い気がする)。
 渡辺王将が何を本戦に研究していたのかは不明だが、△6五歩は意外だったよう。でも、打たれてみると、意外と難しいと感じたようだ。
 普通は▲6五同桂だが、以下△9三香(△8三飛だと▲5三桂左成の飛車素抜きの筋がある)▲5三桂右成△同角(△同角以外だと▲4五歩)▲同桂成△同銀で、角と桂桂の2枚替えと打った8三の桂が空振り気味で「なんとなく成算がない」と。

 しかし、ここで▲8四角と打つ手があったように思う。単純な香取りだが、▲6二角成△同銀▲7二金もあるので、意外に受けが難しい。

 実戦は、▲9一桂成△同飛に▲6五角!。

 ▲6五角は勝負手だろう。7七での銀桂交換、9一での桂香交換、更に角銀交換で、香と角の交換となったが、△6五同銀▲同桂で2枚桂が5三を睨む。駒損を代償にして5三地点の攻撃に懸けた。
 対する藤井五冠は△4一桂と受け、▲6四銀の増援に一転△3一玉と身をひるがえす。こうしておけば、5三に攻め込まれても手抜きもできるし、△同※と応じて▲同※成とされた時も王手にならないので、反撃に移れる。

 なので、渡辺棋王も踏み込みにくく、更に▲5六香と駒を足すが、3一に玉を引かれているので、今一つ4枚の攻め駒が重複し空回りしているように感じる。
 やはり、▲5六香では、どの駒から5三になるかは非常に難しいが、直ちに5三に攻め込む方が良かったようだ(少なくとも、中継の解説でははっきり結論が出なかった)

 本譜は▲5六香以下、△5四歩▲同香に藤井五冠は△5二歩と歩を下げる手筋で受ける。

 ただし、△3一玉を活かして△4七銀(▲同金なら△3八角)と強襲する方が良かったようだ。△5四歩▲同香と歩が切れたので5筋に歩が打てるし、角を3八に打った時、5六の香が5四に移動しているので、角筋が9二まで利いている。

 第8図以下、▲7三桂成△同金▲同銀成と進む。先手の攻めはソッポに行く感が強いが、後手の△4七銀からの攻めは強力だが、手抜きで▲5二香成が早そうだ。(先の△5二歩で歩切れになったのが大きく、△7七歩がなくなったのも大きい)。そこで、後手も受けに回る。

 この△5三歩が先手の攻めの要の4五の桂を解消する好手。
 △5三歩以下▲同桂不成△同桂▲同香成△同角▲6三成桂△4四角▲5四金(打っておかないと△7四角の両取りがある)△3三角▲4五桂。
 これで後手の角が詰んでいるが、ここで△4二桂が強い受け。(きっと、第9図の△5三歩~△4二角は一目なのだろう)

 △4二桂以下、▲3三桂成△同銀▲2四歩△同歩▲2三歩△8六歩▲同歩△7四桂▲6四角△8一飛▲5二成銀△5一香▲同成銀△同飛▲5三金△4四角(第12図)第11図がないのは気にしないでください
 上記の手順、先手の攻めが続くか、後手が受けきるかの攻防が続く。
 図の△4四角の評判が良い(ただ、中継の評価値は藤井有利から互角になったような気が…)
 私にはよくわからないので、【棋譜解説で記された感想戦の様子を引用】
渡辺は「(本譜の)角成りはさすがに軟弱だったかな。第一感は香(☗5六香)だったんだけど、☖6一飛のときがわからなかった。香で飛車は注文通りだからなあ」と話した。一例として☗5六香☖6一飛☗4五歩☖6四飛☗4四歩☖同飛で自信が持てなかったが、歩が足りて☗4五歩☖同飛☗4六歩☖同飛☗4七歩の連打が利く。改良案は☗5六香☖6一飛☗4五歩☖6六桂☗4四歩☖7八桂成☗同玉☖6四飛☗4三歩成☖8七角☗6八玉☖6六歩で「なるほど、これは手がないか。負けっぽいですね」と渡辺。藤井は「こちらもこれはできるかどうか」。後手玉も危ない形だが、際どく届かないようだ。【引用・終】



 渡辺棋王は「(本譜の)角成りはさすがに軟弱だったか」と述べたが、評価値的には最善だった記憶が……攻めの要の金を取らせても7四の桂を抜くのも大きいらしい。
 ……とにかく、難解。
 ▲7三角成以下、△5三飛▲7四馬△5五桂▲5六銀△2三金と進み、本譜は▲8八玉と攻められたとき7七に金気を打たれる手を避けたが、▲4五歩(変化図2)があったかもしれない。

 棋譜中継では、「一見すると☗4五歩で角を取られるのでまずいようだが、☖6七銀☗同銀☖同桂成☗同金☖6六角の強襲筋がある。以下☗同金は☖7七銀でいきなり必至。」という解説だったが、▲4五歩△6七銀には▲6八香で耐えているように思う。(△6七銀が最善手かどうかは不明)

 本譜は▲8八玉に△5四桂。

 10図で渡辺棋王の5四の金を攻めるために打った桂(一応、守りの手)が、勇躍、5四に跳ね先手陣を攻める!
 渡辺棋王は、この手を見て負けを覚悟した。取りあえず▲4五桂と打ち、△5一飛に▲6四馬ともたれて指したものの、藤井五冠の怒涛の攻めに抗することはできなかった。


感想戦で……
【以下、棋譜中継より引用】
 藤井が☖6六桂を示すと、渡辺は「わからないですけど、こっちはこれ(☗5三桂成か☗5三桂不成か)も指運です」。
 一直線の☖6六桂☗5三桂不成☖6七桂成(変化図3)が並べられて「あー、これ寄るんだ」と渡辺、「ちょっとわからなかったです」と藤井。しかし、以下☗同金☖7八銀(変化図4)となると先手玉は受けにくい。藤井は「意外と受けづらい可能性はあるかな、と」。渡辺は「思わず我慢できずに(☗4五桂)打っちゃったんですけど。寄ったら負けの精神で。寄るんだ」と意外な様子だった【引用・終】


 10図の△5四桂に▲4五桂と打った時、飛車を逃げずに△6六桂と跳ねればはっきり勝ちだったというのだ。以下▲5三桂不成(変化図3)に……

 △7八桂成と銀を取らずに△6七桂成(変化図4)と捨てるのが妙手!
 ▲6七同金に△7八銀(変化図5)で受けなし。



 渡辺棋王の秘手▲8三桂はやや空振りに終わった者の、そこから渡辺棋王も離されずについていくぎりぎりの攻防が続いた。
 しかし、最後に力尽きた……王将戦もこんな感じ……


藤井くん、六冠、おめでとう!
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2023年棋王戦第4局① 渡辺棋王ー藤井五冠 (2022年度) 

2023-03-19 13:38:07 | 将棋
藤井竜王・王位・叡王・王将・棋聖が六冠なるかという一局。

戦型は角換わり腰掛銀。
 例の手を渡す間合いの後……

 先手の渡辺棋王が桂を跳ねて戦端を開いた。

 渡辺棋王は5六に角を据えて、その角を軸に攻める構想か?
 藤井五冠も4四に角を据えたあと、△6五に桂を跳ねて反撃。

 これに対し、▲6六歩と桂銀交換を甘受する。一昔前なら、個人研究では切り捨ててしまう。例え、候補手の一つに挙げても、《銀桂交換で良いのだろうか?》という疑問や不安があり、第一候補として掘り下げないだろう。
 実戦や研究会で、その手(その局面)が実際に現れるか、感想戦で検討する経験がないと確信を持ってさせないであろう。
 桂銀交換の駒損の代償としては、手順に7七に桂を跳ねられること。中住まいの後手玉には両桂を跳ねて5三の地点に集中攻撃するのが非常に効果がある。


 昼食休憩前の一手は▲8三桂だった。羽生九段が指しそうな桂打ちだ。
 この▲8三桂に、渡辺棋王はわずか5分の考慮。研究手に違いない。
 昼食休憩までの考慮時間は、渡辺棋王56分、藤井五冠1時間28分(藤井五冠が31分考えた後、休憩となった)。

 再開後、藤井五冠は更に23分考えて、△6五歩。
 控室では☖7二金が有力と見ていた。▲9一桂成△同飛の時に▲8三角成と▲6五香の両方を受けている。

 さて、どうなるか……
(後続記事を書くかは、未定)
 
 
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2023王将戦第5局(2022年度) その7「まとめと補足」

2023-03-18 11:42:18 | 将棋
 長々と第5局の△3七歩の変化を書いているうちに第6局も終了し、藤井王将が防衛してしまいました……
 一番書きたかった△3七歩の変化を書いたので、第5局の記事も終了してしまって良いような気がしますが、後々に読み返した時のことを考えると、その他のポイントを書いておいた方が良いかなと書き始めましたが、今一つ、気が乗りません。はあぁ~

 (変化図1は△3七歩▲2九銀△2七歩成と進んだ局面)
 上記の△3七歩については、「その3」「その4」「その5」「その6」で書いたので、そちらをご覧ください。
 「その1」では、△3七歩と打たずに△2七歩成▲同銀△2五飛と指した後の封じ手局面の▲5三桂成周辺の思わしくない変化云々。
 「その2」では、封じ手後から羽生九段が必死で踏みとどまるなかで、藤井王将の攻め急ぎもあり、局勢が混とんとし、羽生九段にも勝機が訪れたのではないかと思われたが、そこで受けに回って手が敗着となってしまった云々。

 第7図は△5六歩と攻める手が回って、俄然、白熱してきた局面。第10図は、ここで△5七銀~△7五角と王手飛車を掛ければ後手有望だったと言われていた。(実際は、先手に入玉含みに指されると、形勢不明ながら後手が勝つには大変そうというような感想戦だった。

【補足として……】

 図は△4五桂に2六の銀を▲3五銀と出た局面。
 △4五桂は、後手が金か銀を持てば先手玉が詰むという手(先手は金銀を渡す攻めができない)。さらに、△8四角の詰めろ龍取り(龍は紐付きだが)や△5七桂成▲同玉△8四角(王手龍取り・龍は紐付き)の狙いもある。
 ▲3五銀は、▲4二銀成△同銀▲同角成△同金▲4四桂△同歩▲4三銀△同玉▲4四銀△同玉▲4二龍△4三桂▲5五金△3四玉▲3五金△同桂▲4四龍△2五玉▲3五龍△1四玉▲2六桂までの詰めろ。
 ここで、羽生九段は△3三桂と跳ねた。この手は、上記の順の▲4二銀成△同銀▲同角成△同金▲4四桂△同歩▲4三銀の時、△2一玉と逃げる手を作っていて、詰めろを逃れている。さらに、5七で清算した時、△4五桂と跳ねだす手や4五の支えにもなっており、攻めに厚みを加えている。
 ただし、この△3三桂は好手なのだが、△2九飛が最善とされていた。感想戦で藤井竜王に指摘され、羽生九段は驚いていた。そして、「そっかあ~」と感心?。つまり、上記の▲4二銀成以下の詰みの最終手▲2六桂を△同飛車成りとできるので詰まず(後手はたくさん駒を手にしたので、先手玉は必至)、△2九飛で後手の勝ちとされた。
 実は、この▲4二銀成以下詰ます筋だが、▲4二銀成△同銀ではなく△4二同金と指すのが正しい手順だという。△4二同銀だと、▲同角成△同金▲4四桂△同歩▲4三銀△同玉▲4四銀△同玉▲4二龍△4三桂の時、▲5五金ではなく▲3五金として△5四玉に▲3五金が成立する。以下△同玉なら▲4三龍△4四合▲4六金で詰んでしまう。
 なので、△4二同銀でなく△4二同金と取るのが正解だという。△4二同金なら、▲同角成△同銀▲4四桂△同歩▲4三金(この時、先手の持ち駒は金金桂なので金を打つしかない)△同玉▲4四銀△同玉▲4二龍(ここで入手するのは銀)△4三桂▲3五金△5四玉に▲3五金としても△同玉▲4三龍△4四合の時、4六に打つのが銀となり詰まない。


 感想戦では「△2九飛で後手勝ち」とされたが、△2九飛には▲3九金という妙手があるという。この手に対して△3九同飛成は上記の▲2六桂に飛車が3九に移動しているので△同飛成とできないので、先手の勝ち。
 ▲3九金には△8四角が正着だが、▲6八玉がしぶとく、以下△6二角▲2九金で難解という。以下▽6九飛としても▲7七玉と上部に逃げられると△7九飛成と王手しながら手順に銀を取っても、はっきりしないらしい。(私は後手がいいように思うが、どうなのだろう?)




 この局面が運命を分けた。
 「△5七銀と打ち込むべきだった」と言われている。


 その少し前△6九飛が、図からの△5七銀▲同銀△同桂成▲同玉△8四角と王手飛車を掛ける寄せをみた好手と見られていた。
 羽生九段もそのつもりで飛車を打ったと見ていたが、羽生九段は《少し足りない》と思っていたと感想戦で明かしている。
 想定手順としては、△5七銀▲同銀△同桂成▲同玉△8四角に▲7五銀(好手)△4五桂(3三への玉の逃げ場を作った好手)▲6六銀△6二角▲同桂成△5七銀▲6五玉△7五歩▲7八銀△4九飛成▲5二金。羽生九段は先手玉を逃がす感触があり自信なかったようだ(先手に桂を持たれると、▲1五桂が厳しい。実際は難解でどちらが勝つか不明)。
 その他、上記手順で△5七銀▲6五玉を決めずに、単に△7五歩とする手など、感想戦でいろいろ調べていたが、互いに自信がないようだった。

 でも、図では△5七銀と打つべきだった……

 この将棋、封じ手局面では藤井王将の圧勝になりそうな雰囲気だったが、どちらが勝つのか分からないギリギリの将棋となった。
 △3七歩の変化や△5六歩以後の水面下での葉脈を探っていくような多岐に亘る複雑な変化……達人同士が指すと、これほど難解な将棋になるのかと、ほとほと“ぐったり”、否、感嘆した。


 七番勝負は4勝2敗で藤井王将の防衛となったが、羽生九段も手ごたえを感じたのではないだろうか?この七番勝負で、羽生九段の頭脳や勝負勘が刺激を受けたように思う。
 また、二人の勝負が観たい。
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次元の違う少子化対策

2023-03-17 22:48:10 | 時事
《出産後の一定期間、男女ともに育児休暇を取得した場合、休業前と同じ程度の手取り収入を確保できるよう、育児休業給付金の水準を引き上げる意向を表明》
《いわゆる“年収の壁について、基準の106万円を超えても手取り収入が減らないよう、支援策を導入する方針を示した》


「これから、ろく 年から 七年、少子化傾向を 反転できるかどうかの ラストチャンス です。
 次元の異なる少子化対策を岸田政権の最重要課題として、実現してまいります」
           ↑
(言葉を区切って一定のリズムで1音(太字部分)だけ強調する語調)


《基本理念》
▼若い世代の所得を増やす
▼社会全体の構造や意識を変える
▼すべての子育て世代を切れ目なく支援する
 これらの基本理念に具体的な政策を進めていく

〔具体的な所得向上策〕
・一定の収入を超えると、配偶者の扶養を外れる“年収の壁」”について
  ……まず、106万円を超えると手取り収入が減る逆転現象が起きないようにするための支援策を導入し、その後、制度の見直しに取り組む
・児童手当の拡充・高等教育費の負担軽減や若い子育て世帯への住居支援など包括的な支援策を講じる
・男性の育児休業の取得率の政府目標を 2025年度に50%、2030年度に85%に引き上げる
  達成を促すために、企業の体制整備の支援を行う
  育児休業給付については、時短勤務でも給付金を支給
  出産後の一定期間、男女ともに育児休暇を取得した場合、休業前と同じ程度の手取り収入を確保できるよう育児休業給付金の水準を引き上げる
・非正規・フリーランス・自営業については
  育児によって収入が減った場合、経済的支援を行う新たな仕組み創設の方針


 “異次元の少子化対策”といってしまった手前、頑張る必要が生じた少子化対策だが、特定の対象に支援して、支持(票)を獲得するのが政府(与党)の常とう手段なので予定外とは言えない。
 先日も低所得世帯だけに3万円を給付するとか提示していたなあ。低所得者を補助するのなら、所得税率を下げるのが効果的かつ経費も掛からない。子育て支援にしても、消費税を下げれば、生活や心に余裕ができ、結婚率が高まる。

  
 それはさておき、かなり聞こえの良い《方針・理念や政策》を提示しているが、効率が悪そう……
・夫が育児休暇を取得しても、《手のかかる子供が増えるだけ》という恐れも……(これは、政府の責任ではないが)
・「男性の育児休業の取得率の政府目標を 2025年度に50%、2030年度に85%に引き上げる」…これは、あくまでも“政府の目標”で約束ではない
・「(育児休業取得率目標の)達成を促すために、企業の体制整備の支援」……また、助成金のばらまきか
・育児休業給付については、時短勤務でも給付金を支給……これも“ばらまき”
・「非正規・フリーランス・自営業について、育児によって収入が減った場合、経済的支援」……育児によって収入が減ったかの判断が難しく、制度を利用(悪用)するだけになる恐れ


 そりゃ、少子化対策は大事だよ。でも、今が…現在が楽にならないと、結構しないよね。結婚率、結婚力を上げるのが先決でしょ。
 そもそも、若い世代だけ支援支援で、年寄りや中年のことも考えてほしい。消費税を下げれば、国民平等に支援が受けられる。

 あ、そうそう。総理の記者会見を見なかったのでわからないが、『ニュース7』では聞こえのいいことばかり報じていたけれど、財源はあるの?
 年金を減らしたり、介護料から搾取したり(“子育てを全世代で支援すべき”とか言っていたなあ)、何か新税を作るとか……それこそ異次元の税収を図るんじゃないだろうなぁ……
 それとも、“異次元ポケット”でもあるのかなあ?
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相棒 season21 最終回スペシャル後篇 第21話「13~隠された真実」

2023-03-16 17:23:54 | ドラマ・映画
「団塊(の世代)とは……戦後の日本で一番いい思いをしている連中だ。
 定年後、しっかり年金をもらいながら、悠々自適に逃げ切っていく幸せな世代だよ。
 将来世代に再び焼け野原のような日本を残して」
「焼け跡世代が必死の思いで復興した日本の豊かさを、食い散らかしている団塊の世代の罪は重い」


「先生(63歳)の世代だって、戦後の豊かさを謳歌した逃げ切り世代じゃありませんかぁ。
 平穏の訪れた豊かで平和な暮らしの中で、政(まつりごと)は人任せ、団塊の方々を糾弾する資格など、ないと思いますがねえ!」


葛葉宰三 (渡辺いっけい)と右京の考え……脚本の輿水氏は、どちらを主張したかったのだろうか?
或いは、《生きることに世代は関係ない》と言いたかったのか……



 右京や輿水氏の思想はともかく、反論を覚悟して言うと……
 個人的には、葛葉のことばへの共感は大きい。
 もちろん、“焼け跡世代”や“団塊の世代”など先人の苦労や功績によって“高度経済成長”は成し遂げられ、その後の世代はその恩恵にあずかっており、尊敬できる先達は数多い(実生活を含めて)。
 しかし、団塊の世代の人たちの中には、《経済成長したのは自分たちの功績だ》という自負が大きく、《自分たちの言う事、することは正しい》と思い、《下の世代は、自分たちの言うことを聞いていればいいんだ》というような考えを持っている人が多い(無意識の人も多い)。
 しかも、同じような考えを持つ者が多いので、それが風潮となり、主義主張が実践される……それで、ますます………
 社会が大きく変わっていく時代、技術革新、東京オリンピックの建設需要の増大、道路・下水道・学校などの生活基盤も充実化され、大変な時代であったが、努力が実績・利益に繋がる時代だった。
 もちろん、葛葉(63歳)世代もその恩恵にあずかったが、経済膨張後の停滞から不景気、経済成長だけを目指した反動の公害問題、各国の巻き返しなど、マイナス要因などで《努力=実績》という訳にはいかなくなってきた。
 それでも、団塊世代たちは、《努力=実績》《俺たちが豊さを築いたという自負》から叱咤激励?し続ける。仕事だけではなく、地域社会の場でもそういう態度で押さえつけるものが多い。

 葛葉世代は、学生時代は受験戦争(学習指導要領が求める学習内容の過密さも最大の時代)で社会・政治などに目を向ける余裕はなかった。その分、アイドルや趣味に走った(逃げた)学生時代だったものが多いような気がする(私だけかも?)。そのせいか、確かに右京の言う“人任せ”“人のせいにする”の風潮が強いというのは否定できない。
 “上の世代”から押さえつけられ、割と自由が認められた”下の世代”には振り回された。
 もちろん、その下の世代、いろいろ“ゆとり世代”“就職氷河期世代”など各世代もそれぞれに苦労が多い。

 で、右京は葛葉に厳しく意見、激高したが……右京は何歳なんだろう?
 右京にしても、子育てをせず、刑事活動一筋(それはそれで社会に貢献している)で、世間のしがらみや社会活動は皆無のようだ。右京は現代の矛盾や歪みを人のせいにしないが。
 右京の指摘は正しいが、そこまで言わなくても……ちょっと、ムッとした。
 

 葛葉は、右京の言葉に自分のいたらなさを素直に、
「あの人の言う通りだ。わが身を顧みれば顧みるほど、未来世代に顔向けできない自分を持て余して、結局、上の世代に責任転嫁して折り合いをつけていただけじゃないか、俺は!……」
と激反省したが、その葛葉に、、伊丹は語調を抑えて
「そんなことより、つまらない講釈した子供たちの名前、教えてくれる?」と……冷静と言うか冷たい
(葛葉は虚偽自白(捜査妨害?)をしたが、骨壺を見ての驚愕振りからすると、墳墓発掘(骨壺窃盗)については教唆も認知もしておらず、鉄道マニアの趣味を手助けしただけ?)

 一方、生徒(塾生)たちは、罪を犯した自覚と今後の心配をしつつ
「楽しかったなあ」「めっちゃ、ドキドキした」「この一年充実してたぜ」
と、どちらかというとお気楽な会話。
 もちろん、口には出さないが、故人やその家族親族に対して詫びる気持ちもあったとは思う。なので、敢えて咎めるシーンはなかったが、やはり……
 ……遺骨を盗まれて、最長1年間、悲しみや不安や心配などの気持ちに苛まれたはずで、生徒たちの犯した罪は大きい

★事件のポイント
①真野夫妻はなぜ、(暴君の父親の)13回忌をしたのか?(右京の疑問)
・世間体を気にした
・《どんな悪党も死ねば仏》という思いから
・《すまなかった(申し訳なかった)》と言う気持ちがあったから→ちょっとやそっとで逝きそうもない父を無理やりにでも生かしてしまおうと、強硬手段に出でしまった。申し訳なかったぁという贖罪の気持ち。
 そう考えると、正義くんが祖父の遺骨を盗み出したことも、夫婦が身代金を直ちに拒否したことも説明がつく

②“13の脅迫文はすべて同じ文面(指示)”という思い込み(をしてしまった)
 真野家には《晃三(正義の祖父)の死の真相を示唆し、300万円を要求》というモノだった。
 だから、表向きには《1万円の投げ銭》を拒否を表明。

③木(木の葉)を隠すには森の中
 事件の真の目的は……
《“正義の両親が祖父をヒ素で中毒死させたのでは?”という疑惑を、祖父の遺骨の身代金に300万を支払うかどうかで真偽を確かめる》というものだった。
 その真の目的を隠すため、13の遺骨窃盗を犯し、“日本を再生不能にした戦犯”を処刑するという脅迫メッセージを送り付けた(葛葉の怒りを代行した)

 犯行動機の真相に迫る上記のポイント、団塊世代への不満、鉄道マニアの趣味の一筆書き乗車など、面白かった。
 若干の齟齬が見られるが、許容範囲。

【疑問点】
・真野夫妻の真野晃三殺害
 確かに殺意を抱きたくなる暴君ぶりだが、殺害するマイナスが大きすぎる。特に、殺人の罪を犯したという贖罪の気持ちは耐えがたいであろう。犯行がばれて、刑罰を受けるというリスクもある。
 取りあえず、父の暴虐ぶりのシーンでは、取りあえず、一発反撃する価値はあった。それでも変わらない、あるいは、さらに激しくなるのなら、家を出るとか……とにかく、他の手段を選ぶべきであった。まあ、それを言ったら、刑事ドラマは成り立たないが。
・正義の両親への糾弾と出生前の記憶
 これ、こんな犯罪を犯さずとも、両親を問いただせば済むことだと思う
 出生前に母親の胎内でヒ素殺人の事を聞いていたというのも不要

・官房長の遺骨窃盗は偶然
 すごい偶然だが、これがないと相棒SPにはならない(特命係の捜査が始まらないし、縁の登場人物も絡みにくい)
・まだ明るいうちにヘリで飛び立ったのに、着いたのは夜
・正義を“ジャスティス”と読ませるのに、名付けた父は“ジャス”と呼ぶの?…

ラストシーンの“美和子スペシャル”……各々の拒否したい態度がおもしろかった。(特に、小出茉梨の抵抗)
そして、その直前の右京と亀山の会話も
「(遺骨を盗まれて)とんだ災難でしたねえ、官房長。天国でさぞかしご立腹かと…」
「天国に、居らっしゃいますかねえ」
「そんな憎まれ口を叩くと、化けて出ますよ」
「ならば、もっと憎まれ口を叩きましょうかねえ…」

 私なら、美和子スペシャル→「もっと憎まれ口を叩きましょうかねえ…」にしたい。


第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
第6話「笑う死体」
第7話「砂の記憶」
第8話「コイノイタミ」
第9話「丑三つのキョウコ」
第10話「黒いコートの女」
元日SP第11話「大金塊」
第12話「他人連れ」
第13話「椿二輪」
第14話「まばたきの叫び」
第15話「薔薇と髭と菫たち」
第16話「女神」
第17話「定点写真」
第18話「悪役」
第19話「再会」
最終回スペシャル前篇 第20話「13~死者の身代金」

【ストーリー】(番組サイトより)
小野田公顕の遺骨はなぜ盗まれたのか
事件に隠された意外過ぎる真実とは!?


 警察庁から捜査権を与えられ、遺骨盗難事件を追っていた右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、わずかな手掛かりから犯人が学校関係者ではないかと推理。鉄道マニアの米沢(六角精児)に協力を要請し、“13”を名乗る犯人グループがたどったルートの解析に掛かる。
 同じ頃、尊(及川光博)と美彌子(仲間由紀恵)は、密かに初会合を設け、それぞれの思惑を交錯させていた。
 そんな中、遺骨が盗まれた元官房室長・小野田公顕(岸部一徳)の小野田家をはじめとする被害者宅に、二通目のメッセージが届く。そこには“身代金”に関する指示が書かれていたが、受け渡しの方法と金額は予想外のもので…!? そして、被害者13家族の中の2家族が、断固としてそれを拒否。
 その内の一軒、真野家を訪れた右京は、応対に出た中学生の息子・正義(柴崎楓雅)に引っ掛かるものを感じる。正義はつい先日、奈良に遺跡巡りの旅に出たというが、引率した葛葉宰三 (渡辺いっけい)という私塾の塾長も、一癖ある人物で…!?

新たに届いた“脅迫状”をきっかけに前代未聞の遺骨盗難事件はますます昏迷…
尊、米沢、美彌子らの思惑が交錯する中、特命係が驚くべき結末をたぐり寄せる!


出演:水谷豊 寺脇康文 森口瑤子 鈴木砂羽 川原和久 山中崇史 篠原ゆき子 山西惇 松嶋亮太 六角精児 神保悟志 小野了 片桐竜次 及川光博 杉本哲太 仲間由紀恵 石坂浩二ほか

ゲスト:渡辺いっけい 柴崎楓雅

脚本:輿水泰弘
監督:橋本一
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職務放棄で嘘つきで税金泥棒

2023-03-15 23:58:00 | 時事
国会への欠席を続け、懲罰処分の陳謝に応じなかったガーシー議員は、15日の参議院本会議で除名され、議員の資格を失った。

 ガーシーは当選時に「国会で寝ている議員、全員叩き起こしますよ。いつか日本に戻って、ハリセン持って、国会に行きます」と宣言。
 昨年(2022年)9月20日までに更新されたYouTubeチャンネル「別冊!ニューソク通信」にゲスト出演、来年1月の通常国会に出席する意向を示し、居眠り議員に対して「“大声でフルネーム呼んだる!”と思ってます」とか「一応、僕の中では来年1月の通常国会を目途にしています」とか「とことん大暴れしたろうと思ってます」とか言っていた。
 1月30日のインスタグラムでは、尾辻秀久参院議長から自身に宛てられた招状を公開し、「オレ1人のこと、そんなに問題か?笑笑 どんだけ平和ボケしとんねん」な「3月に行くゆうてんのに、耳ないんか?」とガーシー氏。「こんな事してる暇あるなら、他になんとかせなあかん問題山積みやろ?オレ1人のこと、そんなに問題か?笑笑 どんだけ平和ボケしとんねん」と憤り、「オレに対する攻撃は、いつか自分たちにも返ってくるってこと、よー理解して議論されてください。居眠り先生や不登校先生、タレント先生、統一教会先生、権力濫用先生、いろんなダメ政治家先生全員にブーメランになるって事を!!」とした。

 職務放棄を、居眠りしている国会議員を盾にして、自身の行為を正当化。
 何だかんだと吠えて、登院するという約束を反故にした嘘つき
 選挙時の言葉を実行しなかった詐欺師
 約2000万円の税金泥棒


 2000万円を返還しないなら、詐欺で逮捕してほしい。先日の記事でも書いたが、河井案里氏への歳費も徴収できないのだろうか?
 「当選してしまえばこっちのモノ」という議員が今後も発生しそうだ。


 ついでに、ガーシー批判に対して「当選させたものが悪いんだ」と批判する輩を見かけるが、《当選させたくなくても、当選してしまう今の選挙制度を何とかすべきだ》と反論しておく。
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放送法「行政文書」問題

2023-03-14 16:58:24 | 時事
総務省のホームページに
令和5年3月10日
『「政治的公平」に関する行政文書の正確性に係る精査について』
というページがあり
 「3月7日、当省が公表した総務省の「行政文書」の正確性に係る精査(本体PDF、参考資料PDF)について、お知らせします。」
とある。
 「本体PDF」……『「政治的公平」に関する行政文書の正確性に係る精査について』という索引的な資料
 「参考資料」……総務省(官僚)と官邸のやり取りを記した“覚え書き”のようなモノ
と解釈して良いのだろうか……

 とにかく、ページ数が多くて、メモ書きに近いものが多いので、当時の事情、人間関係を把握していないと分からない。
 じっくり精読すれば、理解可能かもしれないが、私にはその知識も根性もない。

 そこで、「ウイキペディア」に頼ってみる。(ウイキペディアを鵜呑みにするのは危険かもしれない)
「#放送法解釈変更の強要」……国会やマスコミが取り上げているのが、この部分なのだろう。
 そこで、目につく部分が
2014年11月26日に礒崎陽輔が『サンデーモーニング』の内容に疑問を抱き、放送法の「政治的公平」について総務省に説明を求めるところから記述が始まる。2015年1月15日の同省と礒崎側のやりとりでは、もともと機嫌の悪かった礒崎が「疑心暗鬼になり、激高した」とする様子が、礒崎の部下から同省放送政策課員の西潟暢央に伝えられた。同年2月24日、総務省の安藤友裕情報流通行政局長らは礒崎と面談し、「総理にお話される前に官房長官にお話し頂くことも考えられるかと思いますが」と提案。礒崎はこの提案に怒り、次のように述べたとされる。

「官房長官に話すかどうかは俺が決める話。局長ごときが言う話ではない」
「この件は俺と総理が二人で決める話」
「俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ。首が飛ぶぞ」

— 首相官邸(礒崎総理補佐官室)、2015年2月24日、10:40~10:55


 ……恫喝という表現がぴったりで、過激である……磯崎氏自身の言葉も過激だが、その言葉を書きして残しておくのも過激である。
 「参考資料」も斜め読みしかしていないが、官邸と官僚のやり取りが詳細に記されている。
 こんな内容が公文書扱いになるの?と思うが、それはともかく、《官邸があれこれクレームや命令に近い要望をつけるので、それを詳細に残して、それに即した対応をしないと、いろいろ厄介なことになるからなのだろう……と、勝手に推測。(書き残しておかないと、ストレスが爆発するかも?)


 高市大臣は「私が発言したことのない記述がなされている」「ありもしないことをあったかのように作られた。捏造だと私は考えている」などと主張している。
 一方、総務省の小笠原情報流通行政局長は、国会で、「2月13日に放送関係の大臣レクがあった可能性が高い」としつつ、「約8年前のことであり、作成者及び同席者のいずれも、個々の内容まで覚えていないとしていることから、総務省として、この文書に記載されてる内容が正確か否かを、現時点でお答えすることは困難」
 また、局長による高市氏への説明を記した行政文書に関し「作成者は、記憶は定かではないが確実な仕事を心がけている。文書が残っているのであればレクが行われたのではないかと認識している」とも述べている。

 高市大臣と総務省の主張が食い違う。どちらかが事実と違うことを述べている。
 上記したように、文書が《官邸と総務省のやり取りの“申し送り”的なものだとすると、全く事実にないことを記すとは思えない。しかも、“行政文書”だよ。……となると……


 行政文書としたからには、総務省も捏造と認めないだろう。(認めたら、省としての信用は失墜)
 しかし、大臣が「捏造だ!」「捏造でなかったら、辞職する」と言ってしまったので、引き下がることはできない。
 岸田政権としても、高市大臣が辞職に追い込まれることは、大きな痛手。

 となると、真偽不明で決着するのかなぁ……


 ここまで書いた後、「放送法行政文書問題」で検索したら、下記のページがヒットした。
JBpress (ジェイビープレス) 「放送法内部文書は何が問題か、官邸の“威光”背にした首相補佐官の個人的関心」
 わかりやすく記述で、突っ込んだ意見も書かれているので、参考までにリンクを張っておきます。(すべてが正しいかどうかは分かりません)


 あと、礒崎氏が問題視している(怒っている)『サンデーモーニング』などの討論会だが、《討論者のメンバーに偏りがある》と磯崎氏は捉えており、「サンデーモーニングは番組の路線と合わないゲストを呼ばない。あんなのが(番組として)成り立つのはおかしい」と述べている。
 この磯崎氏の見解が正しいかどうかは別にして、確かに、番組が意図をもってコメンテーターを選出し、世論の誘導を図る可能性はある。
 私など、番組を見て単純に「おお、その通りだ!」と感化されてしまうかもしれない。

 よく、「報道の自由」と主張するが、「報道の公平性」も重要視してほしい。

 もちろん、報道に官邸(政府)が圧力をかけるのは、以ての外(もってのほか)。
 報道に「政治的公平」を求めておきながら、自分の主張を強引に押し付けようとした磯崎氏の傲慢さには呆れる。

 
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