今回は人生ドラマ系……
…一見すると悪そうな人相で、悪役専門状態になっている小桜だが、実は優しく一生懸命な売れない役者。(それなりに、ヤクザの下っ端や時代劇の斬られ役のオファーは多いらしい)
そんな小桜が今話の主人公。高校時代の演劇仲間の為に奮闘する中で、ビルの警備員を演じたり、尊敬してやまない先輩俳優を刺すのを演じたりするのも、脚本家の趣向か?(自己PRのプロモーション作品では、純愛ドラマの主人公も演じていた)
今回の脚本家の光益義幸氏は、今シリーズの中で評価の高い第4話「最後の晩餐」を書いている。“しみじみ感”を伴うストーリーで、その意味ではよいドラマであったように思う。しかし、今話は、いろいろ疑問に思うことが多かった。
☆今話の見せ所
・藤枝(山口祥行)の鬼気迫る演技の真相……殺人を犯してしまったので、何も考えられずに無我夢中だっただけ
・上記のように奮闘した小桜千明のいろいろな役の演技(右京に頼まれて、教師をしている友人にも芝居を打った)。特に、朋香(田中道子)が殺人を犯さないよう、代わりに藤枝を殺したように見せかけた芝居……《善人の小桜が殺人の罪を犯してしまった!》と亀山や視聴者を騙そうとした決死の演技(咄嗟に藤枝も協力)※これについては後述
・「人を見かけで判断してはいけない」という教訓※これについても後述
・高校の演劇部仲間の不可解な動きが、徐々に明らかになっていく点……普段の『相棒』だと、必要以上に引っ張り回される感じで、じれったさを伴うが、今話はスムーズでストレスを感じなかった。(ああいう友情はいいなあ)
★疑問点、不満点
・殺害されていた北原陽介の不自然なロングヘア
不自然なほどのロングヘアで亡霊を連想させ、右京に関心を持たせるキッカケと、一見して誰かわからないので正体不明の人物とすることができた……という利点はあったが、やはり、不自然。
まあ、それは良いとしても……〈あらすじ〉の《半グレ刺殺事件は亡霊の仕業!?》《右京vs死を呼ぶ呪いのビデオ》《事件の背後で見え隠れする亡霊の正体は!?》《特命係が呪いのビデオに隠された真実を追う!》は、視聴者の興味を引くための小細工が過ぎている。……常々、このあらすじには不満を感じている
・決死の小桜の芝居だったが、必要だったの?
朋香(田中道子)が殺人を犯させないための芝居だったが、そんな小細工をする準備があったのなら、さっさと彼女のところに行って止めた方がよい。恋人の仇を討ったという視覚的記憶を与えることで、彼女の復讐心を満足させるという効果はあるかもしれないが
・《人を見かけで判断してはいけない》という教訓よりは……
《人を見かけで判断してはいけない》という教訓よりは……《人とぶつかった時に「ぶつかっただけでしょ」と開き直るのは危険》を教訓としたい。特に、因縁をつけるため、わざとぶつかってきたようだし。風体を視て、やばそうだと思わないと。人を見かけで判断すべきだった。
・女性で足が不自由な朋香がひとりで保科に詰め寄るのは無謀
小桜たちを巻き込みたくはないという気持ちは分かるが、無謀すぎる。でも、実際には殺害してしまった(これもストーリー的には無理がある)。まあ、おかげで、部屋が荒らされて、右京が小桜プロモートのDVDに右京が目をつけることになったが。
・北原殺害の犯人を知って走り去る小桜を、亀山が逃がしたのはいただけない
まあ、寺脇康文さんは60歳なので…(笑)
☆その他の感想
・小桜を演じた一ノ瀬ワタルさんは元キックボクサー。顔は佐藤二朗さんに似ていると思う。
第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
第6話「笑う死体」
第7話「砂の記憶」
第8話「コイノイタミ」
第9話「丑三つのキョウコ」
第10話「黒いコートの女」
元日SP第11話「大金塊」
第12話「他人連れ」
第13話「椿二輪」
第14話「まばたきの叫び」
第15話「薔薇と髭と菫たち」
第16話「女神」
第17話「定点写真」
【ストーリー】(番組サイトより)
半グレ刺殺事件は亡霊の仕業!?
右京vs死を呼ぶ呪いのビデオ
裏カジノ運営疑惑のあるイベント会社社長が刺殺される事件が発生。内輪揉めか対立組織の仕業と思われたが、初動の聞き込みでは、「亡霊に呪い殺された」という不可解な証言も。
“亡霊”に興味を持った右京(水谷豊)が、薫(寺脇康文)と共に動き出すと、被害者は死の直前、「呪いのビデオを見た」と言っていたことが分かる。さらに現場を調べると、小桜千明(一ノ瀬ワタル)という俳優の自主制作映画のパッケージが、不自然に床に落ちていた。その時、右京は物陰から現場を覗き見る不審な男に気付く。その男こそ小桜だった。
周辺を洗うことにした右京と薫は、小桜に目を掛けている所属事務所の先輩・藤枝(山口祥行)からも話を聞くが、めぼしい情報は得られない。ただ、その後の聞き込みで、小桜が高校時代、演劇部に所属していたことが分かり、当時仲の良かった4人組の同級生が、事件に何らかのかかわりを持っている可能性が浮上する。さらに、その中の一人、松尾朋香(田中道子)という女性は、小桜から逃げるように行動しているらしく…!?
事件の背後で見え隠れする亡霊の正体は!?
関与が疑われる悪役俳優にはある隠し事が…
特命係が呪いのビデオに隠された真実を追う!
ゲスト:一ノ瀬ワタル 山口祥行 田中道子
脚本:光益義幸
監督:守下敏行
…一見すると悪そうな人相で、悪役専門状態になっている小桜だが、実は優しく一生懸命な売れない役者。(それなりに、ヤクザの下っ端や時代劇の斬られ役のオファーは多いらしい)
そんな小桜が今話の主人公。高校時代の演劇仲間の為に奮闘する中で、ビルの警備員を演じたり、尊敬してやまない先輩俳優を刺すのを演じたりするのも、脚本家の趣向か?(自己PRのプロモーション作品では、純愛ドラマの主人公も演じていた)
今回の脚本家の光益義幸氏は、今シリーズの中で評価の高い第4話「最後の晩餐」を書いている。“しみじみ感”を伴うストーリーで、その意味ではよいドラマであったように思う。しかし、今話は、いろいろ疑問に思うことが多かった。
☆今話の見せ所
・藤枝(山口祥行)の鬼気迫る演技の真相……殺人を犯してしまったので、何も考えられずに無我夢中だっただけ
・上記のように奮闘した小桜千明のいろいろな役の演技(右京に頼まれて、教師をしている友人にも芝居を打った)。特に、朋香(田中道子)が殺人を犯さないよう、代わりに藤枝を殺したように見せかけた芝居……《善人の小桜が殺人の罪を犯してしまった!》と亀山や視聴者を騙そうとした決死の演技(咄嗟に藤枝も協力)※これについては後述
・「人を見かけで判断してはいけない」という教訓※これについても後述
・高校の演劇部仲間の不可解な動きが、徐々に明らかになっていく点……普段の『相棒』だと、必要以上に引っ張り回される感じで、じれったさを伴うが、今話はスムーズでストレスを感じなかった。(ああいう友情はいいなあ)
★疑問点、不満点
・殺害されていた北原陽介の不自然なロングヘア
不自然なほどのロングヘアで亡霊を連想させ、右京に関心を持たせるキッカケと、一見して誰かわからないので正体不明の人物とすることができた……という利点はあったが、やはり、不自然。
まあ、それは良いとしても……〈あらすじ〉の《半グレ刺殺事件は亡霊の仕業!?》《右京vs死を呼ぶ呪いのビデオ》《事件の背後で見え隠れする亡霊の正体は!?》《特命係が呪いのビデオに隠された真実を追う!》は、視聴者の興味を引くための小細工が過ぎている。……常々、このあらすじには不満を感じている
・決死の小桜の芝居だったが、必要だったの?
朋香(田中道子)が殺人を犯させないための芝居だったが、そんな小細工をする準備があったのなら、さっさと彼女のところに行って止めた方がよい。恋人の仇を討ったという視覚的記憶を与えることで、彼女の復讐心を満足させるという効果はあるかもしれないが
・《人を見かけで判断してはいけない》という教訓よりは……
《人を見かけで判断してはいけない》という教訓よりは……《人とぶつかった時に「ぶつかっただけでしょ」と開き直るのは危険》を教訓としたい。特に、因縁をつけるため、わざとぶつかってきたようだし。風体を視て、やばそうだと思わないと。人を見かけで判断すべきだった。
・女性で足が不自由な朋香がひとりで保科に詰め寄るのは無謀
小桜たちを巻き込みたくはないという気持ちは分かるが、無謀すぎる。でも、実際には殺害してしまった(これもストーリー的には無理がある)。まあ、おかげで、部屋が荒らされて、右京が小桜プロモートのDVDに右京が目をつけることになったが。
・北原殺害の犯人を知って走り去る小桜を、亀山が逃がしたのはいただけない
まあ、寺脇康文さんは60歳なので…(笑)
☆その他の感想
・小桜を演じた一ノ瀬ワタルさんは元キックボクサー。顔は佐藤二朗さんに似ていると思う。
第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
第6話「笑う死体」
第7話「砂の記憶」
第8話「コイノイタミ」
第9話「丑三つのキョウコ」
第10話「黒いコートの女」
元日SP第11話「大金塊」
第12話「他人連れ」
第13話「椿二輪」
第14話「まばたきの叫び」
第15話「薔薇と髭と菫たち」
第16話「女神」
第17話「定点写真」
【ストーリー】(番組サイトより)
半グレ刺殺事件は亡霊の仕業!?
右京vs死を呼ぶ呪いのビデオ
裏カジノ運営疑惑のあるイベント会社社長が刺殺される事件が発生。内輪揉めか対立組織の仕業と思われたが、初動の聞き込みでは、「亡霊に呪い殺された」という不可解な証言も。
“亡霊”に興味を持った右京(水谷豊)が、薫(寺脇康文)と共に動き出すと、被害者は死の直前、「呪いのビデオを見た」と言っていたことが分かる。さらに現場を調べると、小桜千明(一ノ瀬ワタル)という俳優の自主制作映画のパッケージが、不自然に床に落ちていた。その時、右京は物陰から現場を覗き見る不審な男に気付く。その男こそ小桜だった。
周辺を洗うことにした右京と薫は、小桜に目を掛けている所属事務所の先輩・藤枝(山口祥行)からも話を聞くが、めぼしい情報は得られない。ただ、その後の聞き込みで、小桜が高校時代、演劇部に所属していたことが分かり、当時仲の良かった4人組の同級生が、事件に何らかのかかわりを持っている可能性が浮上する。さらに、その中の一人、松尾朋香(田中道子)という女性は、小桜から逃げるように行動しているらしく…!?
事件の背後で見え隠れする亡霊の正体は!?
関与が疑われる悪役俳優にはある隠し事が…
特命係が呪いのビデオに隠された真実を追う!
ゲスト:一ノ瀬ワタル 山口祥行 田中道子
脚本:光益義幸
監督:守下敏行
今回は、売れない役者が渾身の芝居で仲間が殺人を犯すのを防いだ、というのがハイライトでした。
ただ「凶器」が序盤に出てきた小道具のナイフだというのがバレバレだったのが、残念でした。
そもそも、朋香はすでに保科を殺してしまっているので、あまり救われたという雰囲気がないんですよね。
あと思ったのが、北原にしろ朋香にしろ、一人で乗り込んでいくのはあまりにも無謀すぎ、ということでしょうか。
>今回は、売れない役者が渾身の芝居で仲間が殺人を犯すのを防いだ、というのがハイライトでした。
>ただ「凶器」が序盤に出てきた小道具のナイフだというのがバレバレだったのが、残念でした。
ええ、同感です。
脚本家さんがやりたかったシーンなのでしょうが、それに向けて収束していくストーリーで、見え見えでした。
クライマックスに収束するため強引な筋立てになり、不可解なシーンが散見されました。
marumoriさんが仰った北原や朋香が一人で乗り込んでいくのも、その一つです。
藤枝がいきなり北原を殺害してしまうのも不可解ですし、北原がとっさに殺害される芝居に応じるというのも変です。