平成27年度全日本卓球選手権大会(
年度単位なので27年度です)、女子シングルスは石川佳純が優勝、3年連続4度目の栄冠を勝ち取った。
今年は男女シングルス、男女ダブルスの準決勝からの中継だったが、以前は準々決勝(6回戦の注目試合も?)中継してくれていたので、中継縮小は残念。
バドミントンやバスケットも同様な傾向があるようだ。これはスポーツ中継に限らず、将棋の竜王戦も昨年から中継もなくなり、ここ数年は百人一首の名人戦・クイーン戦の中継もなくなっている。
福原愛(優勝2度)、6回戦で敗れる
4回戦から登場した福原だが、6回戦で加藤杏華に3-4で敗れた。
3ゲーム連取(失点も3点、7点、4点)と圧勝ムードだったが、加藤が福原の球筋に慣れてきた上、福原の攻撃が単調になったのが、逆転の要因となったらしい。(中継の実況アナウンサーと解説者との会話で聞いただけ、映像ハイライトもなかった)
5度優勝の平野早矢香も、6回戦で平野美宇に敗れる
スコアは4-2だったが、
『卓レポ』の渋谷浩氏の記事によると、フォアバック共に回転をしっかり掛けた平野美宇がゲームを支配していたようだ。
平野美宇は中学三年生。伊藤美誠と組むダブルスは世界トップレベルだが、今大会は初戦で敗退していた。
準決勝、平野美宇vs伊藤美誠は、平野の気迫の勝利
2ゲーム連取された伊藤だが、2ゲーム終盤から腹を決めたのか、積極的に打ち込むようになった。
第3ゲームは、それが功を奏し、伊藤のペースに。しかし、ここで平野は踏み止まり、一歩も引かない気迫を見せた。
ダブルスのパートナーで、ライバルの伊藤は一番負けたくない相手であろう。小学時代、一歩リードしていた平野だが、昨年は伊藤に追い抜かれた感がある。伊藤は五輪代表に内定している。
「何をしても、打ち返されてしまった」という試合後の伊藤の言葉。
デュースとなった第1ゲームを落としたことが大きかった。第2ゲーム途中からしか、中継(録画)がなかった。第1ゲームも見たかった。
石川佳純、王者の強さ
準決勝まで、危なげなく勝利してきた石川佳純。準決勝も福原を破った加藤杏華を圧倒していた。
決勝でも、立ち上がりからゲームを支配。3ゲーム連取、
第4ゲームも8-4とリードし、このまま圧勝するかと思われた。
しかし、ここで、平野が奮起、スイングに腰が入り、打球の強さ、回転、コースが一段階レベルが上がったように思えた。
平野の気迫や打球に押され、石川は2連続オーバーミス。勝負所と見た石川はタイムアウト。
タイムアウト後、石川のサーブ。速いラリーとなったが、石川が降られ気味。そして、鋭いドライブに、石川空振り。
続く石川のサーブに、平野が強く返球し、石川が5球目をオーバーミス。平野、4連続ポイントで8-8に追いつく。
平野のサーブ。3球目から平野強く打つが、これを石川がブロックで応戦し、ラリーを支配し、石川の強打を平野がミスし、石川9-8とあと2点に迫る。石川、大きくガッツポーズ。
平野のサーブ。平野、怯まず強打のラリーに持ち込み、これを制し、9-9の同点。
石川のサーブに、平野チキータレシーブ。この後、平野のボールがネットに擦れたこともあり、平野ペースに。最後は、石川の遠いフォアサイドをストレートで打ち抜き、ポイント。10-9、平野のゲームポイント。
石川のサーブ、4球目をブロックして、強めのラリーに持ち込む平野。押された石川が、オーバーミス。
平野が逆転で、このゲームを奪取。石川は、勝利が見えてからの逆転を喫し、ショックかもしれない。5ゲームに備えて、コーチと話し合う表情も、やや不安げだった。
第5ゲームは、完全に平野のペース。石川の攻撃を跳ね返し、ラリーも支配。3ゲームまでと逆の様相。
平野6-1から8-3、更に9-4とリード。
1点返した石川、レシーブの態勢を整える時、掌でおでこを二度軽く叩く。
4球目、バックのレシーブを平野のフォアにワイドに返球し、これを平野がミス。平野9-6。
平野のサーブ。ラリーになり、平野が空振り。
このラリー、石川の返球が深く、バウンドも高低に変化したように見えた。平野9-7。
石川のサーブ。5球目、石川がバックで平野のフォア側に深く返した返球を、平野がミス。
石川、平野のフォア側に短いサーブ。これを平野がチキータで返球するが、これを待ち構えていた石川がバックで強打。これを平野がミス、ついに9-9の同点。転がっていった球を拾いに行く石川は鬼の如くの形相だった。
平野のサーブ。これが長めになってしまい、石川が体を開いて、フォアの強打!
10-9、逆転!チャンピオンシップポイントだ。
平野のサーブ。ラリーになるが、石川の返球が深く、平野、食い込まれ気味。
11球目、ついに、平野が返せず、石川の勝利。
平野の技や強さも光ったが、勝利が見えて、心に隙が生じたのかもしれない。
5ゲーム目を奪われたら、危なかったかもしれない。
そこで、踏みとどまったのは、流石と言える。
ほんのわずか、≪中学生相手にムキになれない≫という思いがあったのかもしれない。
最後に、ムキになって、本気の強さが出たように思う。
平野も、ずるずる負けなかったのは良かった。準決勝戦での伊藤戦で見せた気迫といい、今後の活躍が楽しみだ。