gooブログの編集の編集エリアにアップロードした画像をチェックしていたら、季節外れになってしまい記事にできずに放置状態の画像がちらほら。将棋の図面はアップロードした際に記事にしてしまうので、放置状態になることはほとんどありません。
しかし、今回、記事にしていない画像を発見。見ると、対局者は中村(太)六段-羽生三冠、どうやら王座戦第3局(昨年10月)らしい。
その後に、アップロードしてある画像が第1局の図面で、時系列的には逆である。記憶をたどると、第3局を書こうとした時、『将棋世界』11月号の第1局観戦記「刻みつけた成長の証」(記・大川慎太郎氏)を読んで触発されて、「異空間の将棋 ~ずれる感覚~ (王座戦第1局 その2)」(10月19日)を書いたようだ。で、そのまま放置……
この第3局は角換わり腰掛け銀で、△1二香と穴熊を見せた瞬間に▲2五桂と仕掛けた野に対し、銀を逃げずに△3七角と打ちこんだ将棋。
羽生三冠は「銀を打たれてすでに苦しい。そもそも△3七角と打った手がどうだったか」という感想を述べている。△3七角以下、▲3三桂成△同金直▲3八飛△2六角成▲4七金△2七馬▲4八飛△3五歩▲4五歩△3六歩▲4六角△4五歩▲6四角△9二飛▲8二銀△6三歩▲1九角△6四桂▲8一銀成(第1図)と進む。
途中の中村六段の▲4五歩が新手で、羽生三冠が「銀を打たれてすでに苦しい」と述べたのは第2図の数手前の▲8二銀で、桂香を取りにいく構想が秀逸だったらしい。
実戦は△7五歩▲6七銀△7六歩▲6八銀△2六馬▲2八飛△4四馬▲3六金と進み、ここで△5五銀が成立せず(△5五銀には▲4八飛△6六銀は▲4五金で先手よし)、△3五歩▲2五金と後手の玉頭を攻められ、押し切られてしまった。
この将棋は「中村六段の完勝」という評価がなされているが、当時、悔しいので第1図あたりを突っついた記憶がある。
変化図は、第1図より△5六桂と変化し、▲同歩と応じた局面。
後手としては、先手の角道を止めながら飛車当たりにもなる△3七歩成を実現させたい。
手段A・△4六銀
この手は、先手の角道を遮断しつつ、次に△3七歩成を見た手で、先手は▲4六同金と応じる。これに、平凡に△4六同歩だと▲同角で捌かれてしまう(以下△3七歩成▲9一角成△同飛▲4二飛成が一例)。
▲4六同金には△3七歩成(参考図1)が狙いの手。
図で、飛車が逃げれば、そこで△4六歩と金を取れば右辺を後手が制圧できる。
しかし、図から▲9一成香△同飛▲3五金(参考図2)が気持ちの良い順。
△4八とと飛車を取れば、▲9一角成と飛車を取り返されてしまう。手順に取れる金を3五に進まれては後手勝てない。▲9一成銀に飛車を逃げる手もあるが、これにも▲3五金とかわされ、玉頭攻めを見られると、△4八とと飛車を取る余裕はない。
手段B・△3七銀
この手は、歩を成る地点に駒を打つのであまり筋の良い手ではない。こういう重い手に対して▲3七同金と応じるのは、△3七同歩成と後手の重い形を解消させてしまう。手段Aと同じ狙い(▲9一成銀△同飛の形にさせて後手が飛車を取れば▲9一角成と飛車を取り返す)はあるが、手段Aと違い、金を3五に進出されず、金を手持ちにして手順に△3七歩成を実現されてしまう。
なので、銀打ちを相手にせず▲6八飛と逃げるが、△4六歩▲5七金△4五銀(参考図3)でどうか。
後手の狙いは△5四歩~△5五歩~△5六歩。先手からは▲6五歩からの飛車の捌きや▲2五桂と絡む筋もあり、形勢は微妙。
後手も一旦、△3二金寄って、自陣を引き締めつつ飛車の展開も含みにした方が良いのかもしれない。
話は戻って、△3七銀(変化図B)より▲6八飛に△4六歩の時▲同金△同銀成▲同角と捌かれる手があるので、△4六歩を急がず△3二金寄としておく方が良いのかもしれない。
私は、玉頭が厚いのが好きだが、その厚みを活かして相手の攻めを抑え込んだり上部に脱出する指し方は、どこかで綻びが生じてしまうことが多い。こう書くと「有利な後手が指し損なう」というイメージだが、「もともと先手が有望で後手の指し方が無理で、厚みが好きな私が厚みを築かれている側の手が見えない」だけなことが多い。
とにかく、変化図で
私が後手なら100%△3七銀と打つし、先手なら△3七銀と打たれる手を真剣に心配するだろう。
しかし、今回、記事にしていない画像を発見。見ると、対局者は中村(太)六段-羽生三冠、どうやら王座戦第3局(昨年10月)らしい。
その後に、アップロードしてある画像が第1局の図面で、時系列的には逆である。記憶をたどると、第3局を書こうとした時、『将棋世界』11月号の第1局観戦記「刻みつけた成長の証」(記・大川慎太郎氏)を読んで触発されて、「異空間の将棋 ~ずれる感覚~ (王座戦第1局 その2)」(10月19日)を書いたようだ。で、そのまま放置……
この第3局は角換わり腰掛け銀で、△1二香と穴熊を見せた瞬間に▲2五桂と仕掛けた野に対し、銀を逃げずに△3七角と打ちこんだ将棋。
羽生三冠は「銀を打たれてすでに苦しい。そもそも△3七角と打った手がどうだったか」という感想を述べている。△3七角以下、▲3三桂成△同金直▲3八飛△2六角成▲4七金△2七馬▲4八飛△3五歩▲4五歩△3六歩▲4六角△4五歩▲6四角△9二飛▲8二銀△6三歩▲1九角△6四桂▲8一銀成(第1図)と進む。
途中の中村六段の▲4五歩が新手で、羽生三冠が「銀を打たれてすでに苦しい」と述べたのは第2図の数手前の▲8二銀で、桂香を取りにいく構想が秀逸だったらしい。
実戦は△7五歩▲6七銀△7六歩▲6八銀△2六馬▲2八飛△4四馬▲3六金と進み、ここで△5五銀が成立せず(△5五銀には▲4八飛△6六銀は▲4五金で先手よし)、△3五歩▲2五金と後手の玉頭を攻められ、押し切られてしまった。
この将棋は「中村六段の完勝」という評価がなされているが、当時、悔しいので第1図あたりを突っついた記憶がある。
変化図は、第1図より△5六桂と変化し、▲同歩と応じた局面。
後手としては、先手の角道を止めながら飛車当たりにもなる△3七歩成を実現させたい。
手段A・△4六銀
この手は、先手の角道を遮断しつつ、次に△3七歩成を見た手で、先手は▲4六同金と応じる。これに、平凡に△4六同歩だと▲同角で捌かれてしまう(以下△3七歩成▲9一角成△同飛▲4二飛成が一例)。
▲4六同金には△3七歩成(参考図1)が狙いの手。
図で、飛車が逃げれば、そこで△4六歩と金を取れば右辺を後手が制圧できる。
しかし、図から▲9一成香△同飛▲3五金(参考図2)が気持ちの良い順。
△4八とと飛車を取れば、▲9一角成と飛車を取り返されてしまう。手順に取れる金を3五に進まれては後手勝てない。▲9一成銀に飛車を逃げる手もあるが、これにも▲3五金とかわされ、玉頭攻めを見られると、△4八とと飛車を取る余裕はない。
手段B・△3七銀
この手は、歩を成る地点に駒を打つのであまり筋の良い手ではない。こういう重い手に対して▲3七同金と応じるのは、△3七同歩成と後手の重い形を解消させてしまう。手段Aと同じ狙い(▲9一成銀△同飛の形にさせて後手が飛車を取れば▲9一角成と飛車を取り返す)はあるが、手段Aと違い、金を3五に進出されず、金を手持ちにして手順に△3七歩成を実現されてしまう。
なので、銀打ちを相手にせず▲6八飛と逃げるが、△4六歩▲5七金△4五銀(参考図3)でどうか。
後手の狙いは△5四歩~△5五歩~△5六歩。先手からは▲6五歩からの飛車の捌きや▲2五桂と絡む筋もあり、形勢は微妙。
後手も一旦、△3二金寄って、自陣を引き締めつつ飛車の展開も含みにした方が良いのかもしれない。
話は戻って、△3七銀(変化図B)より▲6八飛に△4六歩の時▲同金△同銀成▲同角と捌かれる手があるので、△4六歩を急がず△3二金寄としておく方が良いのかもしれない。
私は、玉頭が厚いのが好きだが、その厚みを活かして相手の攻めを抑え込んだり上部に脱出する指し方は、どこかで綻びが生じてしまうことが多い。こう書くと「有利な後手が指し損なう」というイメージだが、「もともと先手が有望で後手の指し方が無理で、厚みが好きな私が厚みを築かれている側の手が見えない」だけなことが多い。
とにかく、変化図で
私が後手なら100%△3七銀と打つし、先手なら△3七銀と打たれる手を真剣に心配するだろう。