昨年と同じカードの決勝戦となった。昨年は間宮の故障と疑問のベンチ采配もあり、トヨタが快勝している(もちろん、トヨタのプレーは素晴らしかった)。
立ちあがり、JXはトヨタのゾーンディフェンスに手を焼きながらも、わずかな隙をついて、吉田、渡嘉敷、間宮(6点)がシュートを決める。この試合も、間宮と渡嘉敷のミドルシュートはタッチが良い。
それと、ライン際に追い詰められた大沼からパスを受けた吉田が着地前にゴール脇の間宮にアシストパス。ほぼフリーの間宮が難なくショットを決めた。このプレー、吉田が大沼の方に駆け寄るが、この時吉田は大沼の方を観たままで、吉田の視野に間宮が入るかどうかの位置にいた。にもかかわらず、ジャンプ中にパスを受け空中で間宮にトスのようなパスを送る。吉田ならではのプレーだった。
対するトヨタは、シュートが不正確で川原のフリースローによる2点だけで、試合開始4分20秒で10-2と嫌な雰囲気。
この後、川原、鈴木がシュートを決めるが、この間、間宮のミドルショットが好調で、7分経過して16-6と10点の差がついた。
しかし、点差はついているが、完全にJXがゲームを支配しているのではなく、間宮らの個人の能力で得点しているだけで、JXのオフェンスは機能していない。逆にトヨタのオフェンスの方が形になっているが、シュートミスが多く、その結果、点差が開いただけである。
第1Q終盤、トヨタのディフェンスに手を焼き、得点も停滞気味。
トヨタも相変わらずシュート確率は悪いが、それでも途中から入った矢野がうまくゲームを作りシュートも決め、第1Qは18-13の5点差まで詰めた。
トヨタのフィールドゴールの成功率が低いのは、ディフェンスにかなりのパワーを注いでいる影響かもしれない。その分、ディフェンスのプレッシャーは強く、パスの受け手に対する寄り付きも素早かった。JXのターンオーバー5がそれを物語っている(トヨタは3)。
トヨタの誤算は、3Pシュートが1/9と悪過ぎた点か。激しいディフェンスの影響かもしれないが、準決勝の富士通戦も3/17と17.6%と低く、3Pシュートは不調なのかもしれない。
第2Qに入ると、トヨタは更にJXのバックコートからマークを強くしてプレッシャーを強め、JXはボール運びに苦労するシーンが多くなり、ターンオーバーが増える。うまくいっていないという焦りからか、ファールも増え2分48秒に間宮が2つ目のファールでベンチに下がる。また、フリースローで4点を与え、3分40秒では20-19と1点差に。さらに、スローインからボールを受けた吉田がディフェンスからの圧力にパスミスのターンオーバー。そこで、矢野が再度にジャンプしながらシュートを決めついに逆転。
しかし、JXも岡本が3Pシュートを試み、リバウンドを木林が取りシュートを決め、22-21とすかさず逆転。このプレーは、少し前のタイムアウトで、佐藤ヘッドコーチが岡本に「お前がシュートを打たないと、攻撃の幅がなくなる。外してもリバウンドを取るから、打て」と注意。(珍しく良いことを言う)
この後、渡嘉敷がブロックショット、矢野が吉田の甘いパスをカット、鬼頭(トヨタ)のペネトレイトを阻止など、互いのディフェンスがオフェンスを封じる。
そして、吉田がペイントエリアに位置する宮澤にパス、宮澤からセンターのスリーポイントライン付近にいる渡嘉敷にパス。インサイドアウトのパス受けた渡嘉敷がやや遠かったがジャンプショットを決めた。久々の良いオフェンスができ、精神的に落ち着けたのではないだろうか。
勝負どころと見たトヨタがタイムアウトを取ったが、この機に、JXは吉田に替え新原を起用。
ここまで吉田は要所に好アシストやシュートを決めていたが、パスも雑でターンオーバー4つと、トヨタのディフェンスに手を焼いている。本来の動きではない。辛そうな表情や、歩く際、足を引きずるシーンもあった。
とは言え、この時間(4分16秒)でゲームの要の吉田を下げるのは相当の英断だ。やはり、吉田の体調が相当悪いのか。
新原は、解説者やアナウンサーは評価していたが、私の評価は低い。これまでも何度も述べてきたが、ドリブルのスピードはあるが、一直線でパスする余裕もなく、もともと視野が狭い。私見だが、前でドリブルを突き過ぎるので、ボールが体から離れ気味となり、方向転換する余裕もない。また、ボールの位置が前方にあるので、どうしても視線が正面に固定されてしまう。
そんな新原なので、パスワーク、ボールキープもあまり期待はできない。それでも、多少の得点のビハインドは覚悟して、吉田の消耗を避けたのは、正しい判断であろう。
ゲーム再開後、森が宮澤の甘いマークをかわしてシュートを決め、24-23と1点差。
この後、バックコートからボールを運ぼうとする新原にプレッシャーをかける。苦し紛れの新原が縦パス。それをあと一歩でカットできたが、辛くもJXボールでアウトオブバウンド。このパスカットが成功していたら、逆転もあり得たし、吉田をコートに戻さざるを得なかったかもしれない。
スローイン後、強引にゴールしたにドリブルインした渡嘉敷がファールを貰い(微妙な判定)、2投フリースローを決め3点差。この辺りの攻防がひとつの大きなポイントだった。
両チームとも攻めあぐみが続いた後、何とかディフェンスをかいくぐり、インサイドアウトのパスが岡本に渡り、3Pシュートを岡本が決める(岡本初得点、6分10秒)。トヨタも川原がすかさず3Pシュートを決め返し、29-26の3点差に。
このあと、JXは新原のシュートが外れ、木林がダブルチームを受けトラベリングとオフェンスを失敗するが、トヨタのオフェンスを防いだ。ここで、吉田がコートに復帰(7分30秒)。吉田を3分以上休ませて、点差も維持できたのは望外の出来だった。
この後、岡本(3Pシュート)、宮澤(2本)がシュートを決め、トヨタは栗原、栗原、鬼頭(イージーシュートだった)が外れ、36-26と10点差がついてしまった(残り43秒)。
鬼頭がシュートを決めたものの、終了間際に岡本に3Pシュートを決められ39-28と11点差で終了。
JXかなり苦しい展開だったがよくしのいだ。第2Qは岡本の3Pが復活したのと、宮澤が良い働きをしていた。
トヨタはゲームを支配していたが、シュートミスが多すぎたのが痛かった。
第3Qもトヨタのディフェンスが良く、ボール保持者への寄り付きが厳しくJXは2連続でターンオーバー。しかし、トヨタもシュートを決められず、1分30秒、両チーム無得点。ここで、吉田がフリースローライン付近でフリーの渡嘉敷にパス。これを渡嘉敷が落ち着いてジャンプシュートを沈め均衡を破る。
ゲームが動き出すかと思われたが、トヨタは栗原のフリースロー2本、JXも渡嘉敷のドライブを決めた2点だけで、互いにターンオーバーを繰り返す。第3Q4分30秒を経過して、このQの得点は4-2のロースコア。JXはこの3Qここまで5ターンオーバー(吉田はこのゲームここまで5ターンオーバー)、トヨタも4ターンオーバー、フィールドゴール0/6と散々。
ようやく4分42秒、速攻で栗原が決め、このQ、初フィールドゴール。
しかし、ゲームの流れは変わらない。JXはターンオーバーを繰り返し、トヨタはシュートが決まらない。
ただ、JXが苦しみながらも間宮、吉田がシュートを決めるのに対し、トヨタのシュートは不調のまま。
結局、52-34、28点差で第3Q終了。この3Qは13-6、トヨタはJXに9ターンオーバーを強いたものの、2/16、12.5%のフィールドゴール成功率ではどうしようもない。
第4Q、開始早々、池田(トヨタ)がターンオーバー、吉田が難なくジャンプシュートを決め20点差。これで、≪決まりかな≫と思ったが、JXもそう思ってしまった(佐藤ヘッドコーチにもやや笑み)のか、プレーが甘くなってしまった。
ディフェンスが甘くなり、容易にパスを通させたり、シュートへのプレッシャーも弱くなり、トヨタに得点を許し、開始2分ちょっとで56-43と13点差に迫られる。
そして、バックコートからのボール運びを狙われ、渡嘉敷がパスカットをされる。渡嘉敷はすかさず寄り付き、大沼とふたりでダブルチーム。シチュエーション的にはJXボールになるはずだったが、焦った渡嘉敷が腕を使って池田を抱え込むようにしてしまった。
これをファールに取られ、渡嘉敷4ファール。
13点差に迫られたうえ、渡嘉敷のファールトラブル。通常のベンチなら、ここでタイムアウトだ。気を落ち着かせ、今後の指示を与えるべきではないのだろうか?
しかし、タイムを取らずにゲームを進行させる。一旦、相手のオフェンスは森の3Pが外れたが、JXも渡嘉敷がミドルショットを外し、その折り返しの攻撃で川原に3Pを決められてしまう(10点差)。
あわててタイムアウトを取るが、遅い!
ただ、ここでの指示は的確。「吉田、渡嘉敷、間宮に頼って、他の二人のポジションの選手が何もしていないこと」を指摘。「もっと外から打って、ディフェンスを拡散させろ(ペイントでの攻撃はその後)」と。(渡嘉敷と宮澤をチェンジ)
タイムアウト後、指示通り岡本が3Pシュートを放つが外れる。
4分28秒、栗原が3Pシュートを決め、56-49、ついに7点差。しかも、時間は充分ある。さらに、吉田がボールを運べずターンオーバー。大ピンチだ。
しかし、トヨタも川原がターンオーバー。
ここでJXは大沼に替えて新原を起用。得点力は落ちるが、とにかくフロントコートにボールを運び、シュートまで持ち込みたいというのが狙いだろう。
しかし、その狙いも、岡本の強めのパスを吉田が受け損ないターンオーバー(記録は岡本のTO)。暗雲立ち込めるJX、堪らず渡嘉敷をコートに戻す。
トヨタのオフェンス、しかし、久手堅がゴール下へ通したパスが強すぎてターンオーバー。救われたJXだが、渡嘉敷のシュートは池田ら二人がかりで抑え込まれ、ボールを保持した川原に素早く吉田がボールを押さえ、ジャンプボールシチュエーションに(JXボール)。
次にどちらが得点するかで、勝利の女神がどちらの方を向くかが決まりそう。
JXは吉田が3Pシュートを放つが、リングを跳ねる。リバンドを取った久手堅がそのままドリブル。吉田もマークするが、久手堅が抜け出しレイアップシュート。決まったかに見えたが、入らない。比較的イージーシュートで、これを外したのは残念。
トヨタは気を取り直し、ボールにプレス気味に当たる。しかし、それをかいくぐって、吉田がレイアップを決め、9点差。
残り5分、気落ちする必要は全くない。栗原がドリブルでゴールに切れ込む。これをマークしていた渡嘉敷が思わずファール。渡嘉敷、退場。
栗原が2本ともフリースローを決め、再び7点差。
バックコートで新原が挟まれるが、何とかパスを出す。これを間宮がジャンプシュートを決める。
トヨタはコーナーで待つ栗原にペイントから森がパス、これをジャンプシュートを放つが、パスが流れた分だけ難しく、外してしまう。このリバウンドを吉田が飛び込んでキャッチ。
相変わらず、トヨタのプレスは強いが、これをかいくぐって吉田がほぼフリーの間宮にパス。間宮が決め、62-51の9点差(残り4分9秒)。
徐々にペースを取り戻すJX。トヨタも川原が2P、3P、池田2Pシュートを決めるが、JXも宮澤、間宮(新原のアシスト)が得点を挙げる。
残り2分19秒で、新原がフリースロー1本目を決め、67-58。2本目を外してしまったが、新原が自らキャッチ。ところが、これを保持できず、トヨタに奪われてしまう。まだ、2分以上残っており、予断は許さない。
しかし、ここをJXがよく守り、川原が追い込まれパスミス。この時点で、残り1分44秒。
ここでJXは落ち着いて攻撃し、吉田がフリースローを得て、2本とも沈めて69-58、11点差。残り1分26秒、勝負あったの感。
結局、69-61でJXが勝利。昨年の雪辱を果たした。
JXは吉田、渡嘉敷、間宮が要所で頑張ったのと、新原が苦しみながらもボールを運び、吉田をフォローしたのが勝因。選手起用、タイムアウトの取り方には疑問があったが、新原起用はベンチのヒットだった。
今後の不安材料は、吉田以外にポイントガードがいない点。岡本がシュート以外で進歩が求められる。また、大沼(木林)がオフェンスとして機能していない問題点を感じた。
トヨタはプレスディフェンスでゲームを支配したが、シュート確率が低すぎた。
消耗の激しいディフェンスであったが、バランスよく選手を交代してカバーをしたベンチワークは見事であった。
ワンサイドになってしまいそうなところも、キレずに挽回したのは見事であった。7点差に迫った時に、あと一押しができなかったのが惜しい。これは小さい差なのか、それとも大きな差なのか……
おそらくWリーグはJXとトヨタの決戦になるであろう。確かにJXは強いが、トヨタも対抗できる実力はある。今後も楽しみなWリーグだ。
【追伸】
・中村のポテンシャルは高そうで、吉田とのコンビも観てみたい。
・大神は中国リーグらしいが、中継では全く触れられなかった。何があったのだろう?
立ちあがり、JXはトヨタのゾーンディフェンスに手を焼きながらも、わずかな隙をついて、吉田、渡嘉敷、間宮(6点)がシュートを決める。この試合も、間宮と渡嘉敷のミドルシュートはタッチが良い。
それと、ライン際に追い詰められた大沼からパスを受けた吉田が着地前にゴール脇の間宮にアシストパス。ほぼフリーの間宮が難なくショットを決めた。このプレー、吉田が大沼の方に駆け寄るが、この時吉田は大沼の方を観たままで、吉田の視野に間宮が入るかどうかの位置にいた。にもかかわらず、ジャンプ中にパスを受け空中で間宮にトスのようなパスを送る。吉田ならではのプレーだった。
対するトヨタは、シュートが不正確で川原のフリースローによる2点だけで、試合開始4分20秒で10-2と嫌な雰囲気。
この後、川原、鈴木がシュートを決めるが、この間、間宮のミドルショットが好調で、7分経過して16-6と10点の差がついた。
しかし、点差はついているが、完全にJXがゲームを支配しているのではなく、間宮らの個人の能力で得点しているだけで、JXのオフェンスは機能していない。逆にトヨタのオフェンスの方が形になっているが、シュートミスが多く、その結果、点差が開いただけである。
第1Q終盤、トヨタのディフェンスに手を焼き、得点も停滞気味。
トヨタも相変わらずシュート確率は悪いが、それでも途中から入った矢野がうまくゲームを作りシュートも決め、第1Qは18-13の5点差まで詰めた。
トヨタのフィールドゴールの成功率が低いのは、ディフェンスにかなりのパワーを注いでいる影響かもしれない。その分、ディフェンスのプレッシャーは強く、パスの受け手に対する寄り付きも素早かった。JXのターンオーバー5がそれを物語っている(トヨタは3)。
トヨタの誤算は、3Pシュートが1/9と悪過ぎた点か。激しいディフェンスの影響かもしれないが、準決勝の富士通戦も3/17と17.6%と低く、3Pシュートは不調なのかもしれない。
第2Qに入ると、トヨタは更にJXのバックコートからマークを強くしてプレッシャーを強め、JXはボール運びに苦労するシーンが多くなり、ターンオーバーが増える。うまくいっていないという焦りからか、ファールも増え2分48秒に間宮が2つ目のファールでベンチに下がる。また、フリースローで4点を与え、3分40秒では20-19と1点差に。さらに、スローインからボールを受けた吉田がディフェンスからの圧力にパスミスのターンオーバー。そこで、矢野が再度にジャンプしながらシュートを決めついに逆転。
しかし、JXも岡本が3Pシュートを試み、リバウンドを木林が取りシュートを決め、22-21とすかさず逆転。このプレーは、少し前のタイムアウトで、佐藤ヘッドコーチが岡本に「お前がシュートを打たないと、攻撃の幅がなくなる。外してもリバウンドを取るから、打て」と注意。(珍しく良いことを言う)
この後、渡嘉敷がブロックショット、矢野が吉田の甘いパスをカット、鬼頭(トヨタ)のペネトレイトを阻止など、互いのディフェンスがオフェンスを封じる。
そして、吉田がペイントエリアに位置する宮澤にパス、宮澤からセンターのスリーポイントライン付近にいる渡嘉敷にパス。インサイドアウトのパス受けた渡嘉敷がやや遠かったがジャンプショットを決めた。久々の良いオフェンスができ、精神的に落ち着けたのではないだろうか。
勝負どころと見たトヨタがタイムアウトを取ったが、この機に、JXは吉田に替え新原を起用。
ここまで吉田は要所に好アシストやシュートを決めていたが、パスも雑でターンオーバー4つと、トヨタのディフェンスに手を焼いている。本来の動きではない。辛そうな表情や、歩く際、足を引きずるシーンもあった。
とは言え、この時間(4分16秒)でゲームの要の吉田を下げるのは相当の英断だ。やはり、吉田の体調が相当悪いのか。
新原は、解説者やアナウンサーは評価していたが、私の評価は低い。これまでも何度も述べてきたが、ドリブルのスピードはあるが、一直線でパスする余裕もなく、もともと視野が狭い。私見だが、前でドリブルを突き過ぎるので、ボールが体から離れ気味となり、方向転換する余裕もない。また、ボールの位置が前方にあるので、どうしても視線が正面に固定されてしまう。
そんな新原なので、パスワーク、ボールキープもあまり期待はできない。それでも、多少の得点のビハインドは覚悟して、吉田の消耗を避けたのは、正しい判断であろう。
ゲーム再開後、森が宮澤の甘いマークをかわしてシュートを決め、24-23と1点差。
この後、バックコートからボールを運ぼうとする新原にプレッシャーをかける。苦し紛れの新原が縦パス。それをあと一歩でカットできたが、辛くもJXボールでアウトオブバウンド。このパスカットが成功していたら、逆転もあり得たし、吉田をコートに戻さざるを得なかったかもしれない。
スローイン後、強引にゴールしたにドリブルインした渡嘉敷がファールを貰い(微妙な判定)、2投フリースローを決め3点差。この辺りの攻防がひとつの大きなポイントだった。
両チームとも攻めあぐみが続いた後、何とかディフェンスをかいくぐり、インサイドアウトのパスが岡本に渡り、3Pシュートを岡本が決める(岡本初得点、6分10秒)。トヨタも川原がすかさず3Pシュートを決め返し、29-26の3点差に。
このあと、JXは新原のシュートが外れ、木林がダブルチームを受けトラベリングとオフェンスを失敗するが、トヨタのオフェンスを防いだ。ここで、吉田がコートに復帰(7分30秒)。吉田を3分以上休ませて、点差も維持できたのは望外の出来だった。
この後、岡本(3Pシュート)、宮澤(2本)がシュートを決め、トヨタは栗原、栗原、鬼頭(イージーシュートだった)が外れ、36-26と10点差がついてしまった(残り43秒)。
鬼頭がシュートを決めたものの、終了間際に岡本に3Pシュートを決められ39-28と11点差で終了。
JXかなり苦しい展開だったがよくしのいだ。第2Qは岡本の3Pが復活したのと、宮澤が良い働きをしていた。
トヨタはゲームを支配していたが、シュートミスが多すぎたのが痛かった。
第3Qもトヨタのディフェンスが良く、ボール保持者への寄り付きが厳しくJXは2連続でターンオーバー。しかし、トヨタもシュートを決められず、1分30秒、両チーム無得点。ここで、吉田がフリースローライン付近でフリーの渡嘉敷にパス。これを渡嘉敷が落ち着いてジャンプシュートを沈め均衡を破る。
ゲームが動き出すかと思われたが、トヨタは栗原のフリースロー2本、JXも渡嘉敷のドライブを決めた2点だけで、互いにターンオーバーを繰り返す。第3Q4分30秒を経過して、このQの得点は4-2のロースコア。JXはこの3Qここまで5ターンオーバー(吉田はこのゲームここまで5ターンオーバー)、トヨタも4ターンオーバー、フィールドゴール0/6と散々。
ようやく4分42秒、速攻で栗原が決め、このQ、初フィールドゴール。
しかし、ゲームの流れは変わらない。JXはターンオーバーを繰り返し、トヨタはシュートが決まらない。
ただ、JXが苦しみながらも間宮、吉田がシュートを決めるのに対し、トヨタのシュートは不調のまま。
結局、52-34、28点差で第3Q終了。この3Qは13-6、トヨタはJXに9ターンオーバーを強いたものの、2/16、12.5%のフィールドゴール成功率ではどうしようもない。
第4Q、開始早々、池田(トヨタ)がターンオーバー、吉田が難なくジャンプシュートを決め20点差。これで、≪決まりかな≫と思ったが、JXもそう思ってしまった(佐藤ヘッドコーチにもやや笑み)のか、プレーが甘くなってしまった。
ディフェンスが甘くなり、容易にパスを通させたり、シュートへのプレッシャーも弱くなり、トヨタに得点を許し、開始2分ちょっとで56-43と13点差に迫られる。
そして、バックコートからのボール運びを狙われ、渡嘉敷がパスカットをされる。渡嘉敷はすかさず寄り付き、大沼とふたりでダブルチーム。シチュエーション的にはJXボールになるはずだったが、焦った渡嘉敷が腕を使って池田を抱え込むようにしてしまった。
これをファールに取られ、渡嘉敷4ファール。
13点差に迫られたうえ、渡嘉敷のファールトラブル。通常のベンチなら、ここでタイムアウトだ。気を落ち着かせ、今後の指示を与えるべきではないのだろうか?
しかし、タイムを取らずにゲームを進行させる。一旦、相手のオフェンスは森の3Pが外れたが、JXも渡嘉敷がミドルショットを外し、その折り返しの攻撃で川原に3Pを決められてしまう(10点差)。
あわててタイムアウトを取るが、遅い!
ただ、ここでの指示は的確。「吉田、渡嘉敷、間宮に頼って、他の二人のポジションの選手が何もしていないこと」を指摘。「もっと外から打って、ディフェンスを拡散させろ(ペイントでの攻撃はその後)」と。(渡嘉敷と宮澤をチェンジ)
タイムアウト後、指示通り岡本が3Pシュートを放つが外れる。
4分28秒、栗原が3Pシュートを決め、56-49、ついに7点差。しかも、時間は充分ある。さらに、吉田がボールを運べずターンオーバー。大ピンチだ。
しかし、トヨタも川原がターンオーバー。
ここでJXは大沼に替えて新原を起用。得点力は落ちるが、とにかくフロントコートにボールを運び、シュートまで持ち込みたいというのが狙いだろう。
しかし、その狙いも、岡本の強めのパスを吉田が受け損ないターンオーバー(記録は岡本のTO)。暗雲立ち込めるJX、堪らず渡嘉敷をコートに戻す。
トヨタのオフェンス、しかし、久手堅がゴール下へ通したパスが強すぎてターンオーバー。救われたJXだが、渡嘉敷のシュートは池田ら二人がかりで抑え込まれ、ボールを保持した川原に素早く吉田がボールを押さえ、ジャンプボールシチュエーションに(JXボール)。
次にどちらが得点するかで、勝利の女神がどちらの方を向くかが決まりそう。
JXは吉田が3Pシュートを放つが、リングを跳ねる。リバンドを取った久手堅がそのままドリブル。吉田もマークするが、久手堅が抜け出しレイアップシュート。決まったかに見えたが、入らない。比較的イージーシュートで、これを外したのは残念。
トヨタは気を取り直し、ボールにプレス気味に当たる。しかし、それをかいくぐって、吉田がレイアップを決め、9点差。
残り5分、気落ちする必要は全くない。栗原がドリブルでゴールに切れ込む。これをマークしていた渡嘉敷が思わずファール。渡嘉敷、退場。
栗原が2本ともフリースローを決め、再び7点差。
バックコートで新原が挟まれるが、何とかパスを出す。これを間宮がジャンプシュートを決める。
トヨタはコーナーで待つ栗原にペイントから森がパス、これをジャンプシュートを放つが、パスが流れた分だけ難しく、外してしまう。このリバウンドを吉田が飛び込んでキャッチ。
相変わらず、トヨタのプレスは強いが、これをかいくぐって吉田がほぼフリーの間宮にパス。間宮が決め、62-51の9点差(残り4分9秒)。
徐々にペースを取り戻すJX。トヨタも川原が2P、3P、池田2Pシュートを決めるが、JXも宮澤、間宮(新原のアシスト)が得点を挙げる。
残り2分19秒で、新原がフリースロー1本目を決め、67-58。2本目を外してしまったが、新原が自らキャッチ。ところが、これを保持できず、トヨタに奪われてしまう。まだ、2分以上残っており、予断は許さない。
しかし、ここをJXがよく守り、川原が追い込まれパスミス。この時点で、残り1分44秒。
ここでJXは落ち着いて攻撃し、吉田がフリースローを得て、2本とも沈めて69-58、11点差。残り1分26秒、勝負あったの感。
結局、69-61でJXが勝利。昨年の雪辱を果たした。
JXは吉田、渡嘉敷、間宮が要所で頑張ったのと、新原が苦しみながらもボールを運び、吉田をフォローしたのが勝因。選手起用、タイムアウトの取り方には疑問があったが、新原起用はベンチのヒットだった。
今後の不安材料は、吉田以外にポイントガードがいない点。岡本がシュート以外で進歩が求められる。また、大沼(木林)がオフェンスとして機能していない問題点を感じた。
トヨタはプレスディフェンスでゲームを支配したが、シュート確率が低すぎた。
消耗の激しいディフェンスであったが、バランスよく選手を交代してカバーをしたベンチワークは見事であった。
ワンサイドになってしまいそうなところも、キレずに挽回したのは見事であった。7点差に迫った時に、あと一押しができなかったのが惜しい。これは小さい差なのか、それとも大きな差なのか……
おそらくWリーグはJXとトヨタの決戦になるであろう。確かにJXは強いが、トヨタも対抗できる実力はある。今後も楽しみなWリーグだ。
【追伸】
・中村のポテンシャルは高そうで、吉田とのコンビも観てみたい。
・大神は中国リーグらしいが、中継では全く触れられなかった。何があったのだろう?