第1区
スタート直後から早大の大迫がハイペースで引っ張る。
ライバルが無理についてきてオーバーペースになり、後半失速して大差になるパターン、あるいは、ハイペースを警戒し自重し、実力以上に差がついてしまうパターンになると、思惑通りだが、割と実力者が揃っていて、逆に大迫がペースメーカーとなってしまった。もちろん、そのパターンも想定内で、とにかく大迫が事故の自治力を発揮すれば、1区で30秒~1分30秒のリードを奪いレースの主導権を握れると踏んだはずだ。
10キロ地点で先頭集団は、大迫の他、青山学院・一色、日体大・山中、駒澤大・中村、東洋大・田口、明治大・文元、東海大・白吉の7人。
ここで、一色が先頭に立ち揺さぶりを掛けると大迫が集団の後部に後退。遅れはしないもののやや苦しそう。
その後はペースが落ち、15キロまで7人の集団のまま。そこで日体大・山中がペースを上げる。
16キロ付近で東海大・白吉、青学・一色が遅れだし、集団は5人に。
18キロ手前の高架の上りで大迫が苦しそうな表情を見せ遅れ気味に。18.1きろで東洋・田口が仕掛けるとついに大迫が遅れ始め、次いで明治・文元も遅れ始める18.8キロで山中が先頭に立ちペースを上げる。
19.3キロで田口が遅れだし、日体大・山中と駒澤・中村の一騎打ちとなる。19.7キロで中村がもうスパートを見せるが、200mと続かず山中についてこられ、逆に中村が遅れだす。
中継点(21.4km)では日体大・山中がトップでタスキを渡し、12秒差で駒澤・中村、東洋・田口は21秒差の3位、明治・文元が4位で38秒差、早稲田・大迫は誤算と言える50秒差の5位だった。
上位4校は想定内の1区と言える。
第2区
エースが揃う2区。10000mタイム上位は、拓殖大・モゼ(27分53秒)は中継点を2分50秒差の17位でタスキを受ける。駒澤・村山謙太(28分14秒)は中継所で12秒差の2位、山梨学院・オムワンバ(28分15秒)は2分41秒差の16位、東洋・服部(28分22秒)は21秒差の3位、上武大・倉田(28分35秒)は1分46秒差の10位。
この他にも、明治・大六野(28分40秒)は36秒差の4位、城西大・村山紘太(予選会日本人トップ)は3分34秒遅れの19位が注目される。
トップでタスキを引き継いだ日体大・本田(28分46秒)は出だし1キロ2分46秒次の1キロ2分53秒、その次も2分53秒とやや突っ込み気味。本田は好ランナーではあるが、彼にしてはやや速すぎるのではないかと心配する解説者の瀬古氏。珍しく適切な解説である。快調な出だしとも見れるが、その本田に4キロ地追いついた村山。かなりのハイペースだ。並走する両選手、5キロ地点のタイムは本田14分14秒、村山14分02秒。
6キロ手前で村山が本田を引き離しにかかった。
後方では、山梨学院・オムワンバ、拓殖大・モゼは快調に他校を抜いていく。16位オムワンバ、その9秒差の17位でモゼがタスキを引き継いでいるので、モゼはオムワンバを格好の目標として追いかけることができる。相次いで中央学院大、日大、法政大の3人のグループを抜いていった時は、この両選手が競り合ってのごぼう抜きが予想された。
しかし、7.4キロ付近で先の3大学にモゼが抜き返されるという異変。脇腹を押さえていたという情報も。
更に9キロ付近でオムワンバのフォームがギクシャクしてきて、9.3キロ付近で足を引きずる走りとなり中央学院、日大、法政、拓殖・モゼにあっと言う間に抜かれてしまった。そして、9.6キロ付近で歩道付近に座り込む。一旦走りかけるが、再び座り込み、立ち上がれない。疲労骨折を起こしたらしく、無念の棄権。
横浜駅前(8.3キロ地点)での区間タイム(個人タイム)は、1位村山(駒大)23:05、2位オムワンバ(山梨学)23:19、3位モゼ(拓大)23:28、4位 高田(早大)23:31、5位大六野(明大)23:43、6位本田(日体大)23:44、7位服部(東洋大)23:52。村山、オムワンバはモグス(山梨学)が2009年に記録した区間記録を上回るペースだった。
11.8キロ付近で、ペースの落ちた日体大・本田を東洋大・服部が捉えたが、4位グループの明大・大六野と早大・高田も迫り、12.2キロ付近で4大学が一団になった。
後方では、モゼが復活し13キロ手前で7位にまで進出していた(10人抜き)。
13.8キロで2位グループから日体大・本田が遅れ始める。
2位、3位の日体大、東洋大が沈み気味で、トップの駒大・村山は安泰のはずだが、13キロからの1キロを3分11秒かかってしまった。太ももの裏側を叩く動作が目立ってきた。
終盤、村山は明らかにバランスを崩した走り、一時は2位と1分くらいあった差がジワジワ詰まり、戸塚中継所では26秒差まで詰まってしまった。
2位グループでは18.8キロで明大・大六野がふるい落とされ、東洋・服部と早大・高田が競り合ってタスキをつないだ。トップの駒澤に26秒差の2位で東洋・服部、29秒差の3位で早大・高田が中継所になだれ込んだ。 日体大は青山学院大にも抜かれ、6位(中継所では駒澤と2分19秒差)に落ちた。
区間記録は、何と早大・高田が村山を9秒上回り1位だった。3位は後半踏ん張った東洋・服部、モゼは後半バテて4位、明大・大六野は5位、日体大・本田は10位だった。
早大・高田は、1区の誤算を打ち消して余りある大健闘(誤算)だった。
第3区(1、2区丁寧に書き過ぎたので、駆け足で書きます)
3区は、駒澤・油布、東洋・設楽悠太のエース級の対決。最初の5キロはほぼ同ペース(14分20秒強)で走る。ここで、コーチから「ペースを上げろ」と指示が飛び、設楽がペースアップする。
そして、9キロ付近で設楽が油布を捉える。しばらく、並走が続いたが、9.6キロ付近で油布が遅れだす。
設楽の10km通過タイムは28分30秒と区間新記録ペースで、3位早稲田・武田との差も1分に開いた。この後も設楽の走りは快調で歴代3位タイの好タイムで走り切った。必死に追走した油布であったが、差はじわじわ広がり、平塚中継点での差は55秒になった。
3位は早大で1分50秒差、4位明大で2分2秒差(3位早大に12秒差に迫る)、5位青学4分4秒差、6位拓大5分35秒差で続き、日体大は中継所直前で拓大に抜かれ7位に落ちた(5分36秒差)。
区間記録は1位東洋・設楽、2位明大・八木沢、3位駒澤・油布、4位中央学院大・塩谷、5位早大・武田。日体大・勝亦は区間17位と沈み、設楽との差は3分43秒あった。
第4区
中継点での1位東洋と2位駒澤との差は55秒差。東洋・今井は5キロ14分27秒といいペースで走り、駒大・中谷との差が1分5秒に広がった。ただ、中谷は一年生ながらも冷静で抑えたペースで走ったらしい。9.1キロ地点(二宮)では、その差を57秒に縮めた。
12キロ過ぎ辺りから今井に疲れが見え始め、小田原中継所では両大学の差は21秒に縮まった。
3位争いも熾烈で、中継点での12秒差を、明治・木村が落ち着いて詰め、7キロ付近で早大・平に並ぶ。しかし、ここで平も踏ん張り並走を保つ。そして、12キロでは逆に木村を引き離し始めた。
中継所では3位早稲田(1分38秒差)、4位明治(2分23秒差、早稲田とは45秒差)、5位青山学院大(4分39秒差)、6位拓殖大(6分12秒差)。日体大は順位は7位と変わらなかったが、区間順位10位と振るわずトップ東洋との差は6分31秒の大差となった。
区間順位は、1位駒澤・中谷、2位早大・平、3位東洋・今井、4位帝京大・早川、5位明大・木村、6位法政・中村であった。
ここでも早大の健闘が目立つ。3区の高田も4区の平も10000mのタイムは29分台(それほど速くはない)である。
第5区
標高差864mを上り、その後は勾配のある下り坂もあり、最長区間でもある。また、気温や気圧の差もあり、近年、この区間で大ブレーキや棄権も多く起こっている。
トップの東洋は、ここに大エースの設楽啓太を起用した。重要地点にエースを配置するのは常道だが、エースが空振りになる危険もあり、勝負を賭けたと言ってよい。
対する駒澤は馬場。全日本・6区1位と好調ではあるが、10000mのタイムは、設楽の27分51秒に対し30分45秒と大きい差。10000mをあまり走っていない可能性もあるので、ハーフマラソンのタイムも比較してみたが、これも3分の差がある。
ここまで東洋はほぼ予定通り、駒澤は1区・中村は予定通り、4区の1年生中谷は予定以上の走りをしたが、2区村山と3区油布は少々予定を下回る走りだったはずで、5区に入る時点で、出来れば少し差を持って入りたかったはずだ。
3強のもう一校、日体大は山登りのスペシャリスト服部を擁するとは言え、6分31秒差は苦しい。
設楽は最初の1キロを2分43秒と柏原の区間記録ペースよりも12秒速い入り。馬場も2分54秒と柏原と同じペース。日体大・服部も2分52秒と好ペース。
箱根湯本(5キロ地点)では、設楽15分2秒、馬場15分10秒、服部15分17秒。
大平台(9.5キロ地点)、設楽30分14秒、馬場30分19秒、服部30分25秒。三者快ペースだが、馬場は最初の1キロで離された差を詰め始めている。服部は拓殖大を抜いて6位に上がったものの、トップとの差はやや開いている。
小湧園前(14.3キロ地点)、設楽47分52秒、馬場47分57秒、服部48分8秒。馬場は差を維持、服部はこの間、青山学を抜いたものの前地点よりトップとの差は5秒開いた。
芦之湯(18.3キロ地点)、設楽01:03:21、馬場01:03:40、服部01:03:39。さすがに馬場が遅れ始める。
元箱根(21.2キロ地点)、設楽01:12:22、馬場01:12:47、服部01:12:35。山登りスペシャリストの服部が本領発揮し始める。明治を抜いて4位に。
芦ノ湖FINISH(23.4キロ)、設楽01:19:16(区間1位)、馬場01:19:54(3位)、服部01:19:17(2位)。服部追い込んだものの、1秒及ばず。昨年の服部の記録は01:20:35で、それを1分以上凌ぐ好タイムだった。(昨年は猛烈な強風が吹いていたので、タイムだけで一概には比較できない。ちなみに、区間記録の柏原のタイムは01:16:39と怖ろしく速い)
駒澤の馬場は大健闘、往路は59秒差の2位。服部も力を発揮したものの、往路6分32秒差は辛い。3区4区が誤算だった。
上位チームでは、小田原中継所3位の早稲田は順位は維持したものの区間12位(設楽とは3分31秒差)、同中継所4位の明治は区間19位(設楽とは6分25秒差)とブレーキで往路順位も7位と落とし8分48秒差となってしまった。
復路は東洋大と駒澤大の一騎打ちの様相だ。差が59秒なので、復路にもメンバーが豊富な駒澤が有利と見る。
ただでさえ箱根駅伝で貴重な正月休みの時間を消費するのに、この記事でエネルギーも消費してしまった。復路の記事は簡単にしよう。
往路結果
1位 東洋大 5時間27分13秒
2位 駒澤大 +59秒
3位 早稲田大 +5分09秒
4位 日体大 +6分32秒
5位 青学大 +7分51秒
6位 拓殖大 +8分39秒
7位 明治大 +8分48秒
8位 大東大 +9分18秒
9位 東海大 +9分47秒
10位 日本大 +9分59秒
11位 法政大 +10分33秒
12位 帝京大 +12分10秒
13位 中央学院大+13分05秒
14位 東農大 +14分26秒
15位 神奈川大 +14分43秒
16位 上武大 +14分46秒
17位 中央大 +15分14秒
18位 国学院大 +15分23秒
19位 順天堂大 +16分17秒
20位 城西大 +17分14秒
21位 専修大 +20分44秒
22位 国士舘大 +28分34秒
棄権 山梨学院大 2区途中棄権
スタート直後から早大の大迫がハイペースで引っ張る。
ライバルが無理についてきてオーバーペースになり、後半失速して大差になるパターン、あるいは、ハイペースを警戒し自重し、実力以上に差がついてしまうパターンになると、思惑通りだが、割と実力者が揃っていて、逆に大迫がペースメーカーとなってしまった。もちろん、そのパターンも想定内で、とにかく大迫が事故の自治力を発揮すれば、1区で30秒~1分30秒のリードを奪いレースの主導権を握れると踏んだはずだ。
10キロ地点で先頭集団は、大迫の他、青山学院・一色、日体大・山中、駒澤大・中村、東洋大・田口、明治大・文元、東海大・白吉の7人。
ここで、一色が先頭に立ち揺さぶりを掛けると大迫が集団の後部に後退。遅れはしないもののやや苦しそう。
その後はペースが落ち、15キロまで7人の集団のまま。そこで日体大・山中がペースを上げる。
16キロ付近で東海大・白吉、青学・一色が遅れだし、集団は5人に。
18キロ手前の高架の上りで大迫が苦しそうな表情を見せ遅れ気味に。18.1きろで東洋・田口が仕掛けるとついに大迫が遅れ始め、次いで明治・文元も遅れ始める18.8キロで山中が先頭に立ちペースを上げる。
19.3キロで田口が遅れだし、日体大・山中と駒澤・中村の一騎打ちとなる。19.7キロで中村がもうスパートを見せるが、200mと続かず山中についてこられ、逆に中村が遅れだす。
中継点(21.4km)では日体大・山中がトップでタスキを渡し、12秒差で駒澤・中村、東洋・田口は21秒差の3位、明治・文元が4位で38秒差、早稲田・大迫は誤算と言える50秒差の5位だった。
上位4校は想定内の1区と言える。
第2区
エースが揃う2区。10000mタイム上位は、拓殖大・モゼ(27分53秒)は中継点を2分50秒差の17位でタスキを受ける。駒澤・村山謙太(28分14秒)は中継所で12秒差の2位、山梨学院・オムワンバ(28分15秒)は2分41秒差の16位、東洋・服部(28分22秒)は21秒差の3位、上武大・倉田(28分35秒)は1分46秒差の10位。
この他にも、明治・大六野(28分40秒)は36秒差の4位、城西大・村山紘太(予選会日本人トップ)は3分34秒遅れの19位が注目される。
トップでタスキを引き継いだ日体大・本田(28分46秒)は出だし1キロ2分46秒次の1キロ2分53秒、その次も2分53秒とやや突っ込み気味。本田は好ランナーではあるが、彼にしてはやや速すぎるのではないかと心配する解説者の瀬古氏。珍しく適切な解説である。快調な出だしとも見れるが、その本田に4キロ地追いついた村山。かなりのハイペースだ。並走する両選手、5キロ地点のタイムは本田14分14秒、村山14分02秒。
6キロ手前で村山が本田を引き離しにかかった。
後方では、山梨学院・オムワンバ、拓殖大・モゼは快調に他校を抜いていく。16位オムワンバ、その9秒差の17位でモゼがタスキを引き継いでいるので、モゼはオムワンバを格好の目標として追いかけることができる。相次いで中央学院大、日大、法政大の3人のグループを抜いていった時は、この両選手が競り合ってのごぼう抜きが予想された。
しかし、7.4キロ付近で先の3大学にモゼが抜き返されるという異変。脇腹を押さえていたという情報も。
更に9キロ付近でオムワンバのフォームがギクシャクしてきて、9.3キロ付近で足を引きずる走りとなり中央学院、日大、法政、拓殖・モゼにあっと言う間に抜かれてしまった。そして、9.6キロ付近で歩道付近に座り込む。一旦走りかけるが、再び座り込み、立ち上がれない。疲労骨折を起こしたらしく、無念の棄権。
横浜駅前(8.3キロ地点)での区間タイム(個人タイム)は、1位村山(駒大)23:05、2位オムワンバ(山梨学)23:19、3位モゼ(拓大)23:28、4位 高田(早大)23:31、5位大六野(明大)23:43、6位本田(日体大)23:44、7位服部(東洋大)23:52。村山、オムワンバはモグス(山梨学)が2009年に記録した区間記録を上回るペースだった。
11.8キロ付近で、ペースの落ちた日体大・本田を東洋大・服部が捉えたが、4位グループの明大・大六野と早大・高田も迫り、12.2キロ付近で4大学が一団になった。
後方では、モゼが復活し13キロ手前で7位にまで進出していた(10人抜き)。
13.8キロで2位グループから日体大・本田が遅れ始める。
2位、3位の日体大、東洋大が沈み気味で、トップの駒大・村山は安泰のはずだが、13キロからの1キロを3分11秒かかってしまった。太ももの裏側を叩く動作が目立ってきた。
終盤、村山は明らかにバランスを崩した走り、一時は2位と1分くらいあった差がジワジワ詰まり、戸塚中継所では26秒差まで詰まってしまった。
2位グループでは18.8キロで明大・大六野がふるい落とされ、東洋・服部と早大・高田が競り合ってタスキをつないだ。トップの駒澤に26秒差の2位で東洋・服部、29秒差の3位で早大・高田が中継所になだれ込んだ。 日体大は青山学院大にも抜かれ、6位(中継所では駒澤と2分19秒差)に落ちた。
区間記録は、何と早大・高田が村山を9秒上回り1位だった。3位は後半踏ん張った東洋・服部、モゼは後半バテて4位、明大・大六野は5位、日体大・本田は10位だった。
早大・高田は、1区の誤算を打ち消して余りある大健闘(誤算)だった。
第3区(1、2区丁寧に書き過ぎたので、駆け足で書きます)
3区は、駒澤・油布、東洋・設楽悠太のエース級の対決。最初の5キロはほぼ同ペース(14分20秒強)で走る。ここで、コーチから「ペースを上げろ」と指示が飛び、設楽がペースアップする。
そして、9キロ付近で設楽が油布を捉える。しばらく、並走が続いたが、9.6キロ付近で油布が遅れだす。
設楽の10km通過タイムは28分30秒と区間新記録ペースで、3位早稲田・武田との差も1分に開いた。この後も設楽の走りは快調で歴代3位タイの好タイムで走り切った。必死に追走した油布であったが、差はじわじわ広がり、平塚中継点での差は55秒になった。
3位は早大で1分50秒差、4位明大で2分2秒差(3位早大に12秒差に迫る)、5位青学4分4秒差、6位拓大5分35秒差で続き、日体大は中継所直前で拓大に抜かれ7位に落ちた(5分36秒差)。
区間記録は1位東洋・設楽、2位明大・八木沢、3位駒澤・油布、4位中央学院大・塩谷、5位早大・武田。日体大・勝亦は区間17位と沈み、設楽との差は3分43秒あった。
第4区
中継点での1位東洋と2位駒澤との差は55秒差。東洋・今井は5キロ14分27秒といいペースで走り、駒大・中谷との差が1分5秒に広がった。ただ、中谷は一年生ながらも冷静で抑えたペースで走ったらしい。9.1キロ地点(二宮)では、その差を57秒に縮めた。
12キロ過ぎ辺りから今井に疲れが見え始め、小田原中継所では両大学の差は21秒に縮まった。
3位争いも熾烈で、中継点での12秒差を、明治・木村が落ち着いて詰め、7キロ付近で早大・平に並ぶ。しかし、ここで平も踏ん張り並走を保つ。そして、12キロでは逆に木村を引き離し始めた。
中継所では3位早稲田(1分38秒差)、4位明治(2分23秒差、早稲田とは45秒差)、5位青山学院大(4分39秒差)、6位拓殖大(6分12秒差)。日体大は順位は7位と変わらなかったが、区間順位10位と振るわずトップ東洋との差は6分31秒の大差となった。
区間順位は、1位駒澤・中谷、2位早大・平、3位東洋・今井、4位帝京大・早川、5位明大・木村、6位法政・中村であった。
ここでも早大の健闘が目立つ。3区の高田も4区の平も10000mのタイムは29分台(それほど速くはない)である。
第5区
標高差864mを上り、その後は勾配のある下り坂もあり、最長区間でもある。また、気温や気圧の差もあり、近年、この区間で大ブレーキや棄権も多く起こっている。
トップの東洋は、ここに大エースの設楽啓太を起用した。重要地点にエースを配置するのは常道だが、エースが空振りになる危険もあり、勝負を賭けたと言ってよい。
対する駒澤は馬場。全日本・6区1位と好調ではあるが、10000mのタイムは、設楽の27分51秒に対し30分45秒と大きい差。10000mをあまり走っていない可能性もあるので、ハーフマラソンのタイムも比較してみたが、これも3分の差がある。
ここまで東洋はほぼ予定通り、駒澤は1区・中村は予定通り、4区の1年生中谷は予定以上の走りをしたが、2区村山と3区油布は少々予定を下回る走りだったはずで、5区に入る時点で、出来れば少し差を持って入りたかったはずだ。
3強のもう一校、日体大は山登りのスペシャリスト服部を擁するとは言え、6分31秒差は苦しい。
設楽は最初の1キロを2分43秒と柏原の区間記録ペースよりも12秒速い入り。馬場も2分54秒と柏原と同じペース。日体大・服部も2分52秒と好ペース。
箱根湯本(5キロ地点)では、設楽15分2秒、馬場15分10秒、服部15分17秒。
大平台(9.5キロ地点)、設楽30分14秒、馬場30分19秒、服部30分25秒。三者快ペースだが、馬場は最初の1キロで離された差を詰め始めている。服部は拓殖大を抜いて6位に上がったものの、トップとの差はやや開いている。
小湧園前(14.3キロ地点)、設楽47分52秒、馬場47分57秒、服部48分8秒。馬場は差を維持、服部はこの間、青山学を抜いたものの前地点よりトップとの差は5秒開いた。
芦之湯(18.3キロ地点)、設楽01:03:21、馬場01:03:40、服部01:03:39。さすがに馬場が遅れ始める。
元箱根(21.2キロ地点)、設楽01:12:22、馬場01:12:47、服部01:12:35。山登りスペシャリストの服部が本領発揮し始める。明治を抜いて4位に。
芦ノ湖FINISH(23.4キロ)、設楽01:19:16(区間1位)、馬場01:19:54(3位)、服部01:19:17(2位)。服部追い込んだものの、1秒及ばず。昨年の服部の記録は01:20:35で、それを1分以上凌ぐ好タイムだった。(昨年は猛烈な強風が吹いていたので、タイムだけで一概には比較できない。ちなみに、区間記録の柏原のタイムは01:16:39と怖ろしく速い)
駒澤の馬場は大健闘、往路は59秒差の2位。服部も力を発揮したものの、往路6分32秒差は辛い。3区4区が誤算だった。
上位チームでは、小田原中継所3位の早稲田は順位は維持したものの区間12位(設楽とは3分31秒差)、同中継所4位の明治は区間19位(設楽とは6分25秒差)とブレーキで往路順位も7位と落とし8分48秒差となってしまった。
復路は東洋大と駒澤大の一騎打ちの様相だ。差が59秒なので、復路にもメンバーが豊富な駒澤が有利と見る。
ただでさえ箱根駅伝で貴重な正月休みの時間を消費するのに、この記事でエネルギーも消費してしまった。復路の記事は簡単にしよう。
往路結果
1位 東洋大 5時間27分13秒
2位 駒澤大 +59秒
3位 早稲田大 +5分09秒
4位 日体大 +6分32秒
5位 青学大 +7分51秒
6位 拓殖大 +8分39秒
7位 明治大 +8分48秒
8位 大東大 +9分18秒
9位 東海大 +9分47秒
10位 日本大 +9分59秒
11位 法政大 +10分33秒
12位 帝京大 +12分10秒
13位 中央学院大+13分05秒
14位 東農大 +14分26秒
15位 神奈川大 +14分43秒
16位 上武大 +14分46秒
17位 中央大 +15分14秒
18位 国学院大 +15分23秒
19位 順天堂大 +16分17秒
20位 城西大 +17分14秒
21位 専修大 +20分44秒
22位 国士舘大 +28分34秒
棄権 山梨学院大 2区途中棄権