道草の続きです。
▲2九香と打って簡単に詰みそうなのですが、2三に中合されると詰みません。ただ、持ち駒に歩が何枚かあれば詰むのですが、何枚あれば詰ますことができるのでしょうか?
というのが、前回の宿題でした。
ここで、問題になるのは、2三に中合する駒は何がいいのか?ということです。
一般に、中合する駒は、取られること(攻め駒として使われる)が前提なので、性能の低い歩が使われることが多いです。それから、桂や角のように頭の丸い駒(前に利かない)も使われる頻度が高いです。
では、この図の場合、何が最強(最善)の合駒なのでしょう?
2三に中合する駒を「X」とします。はたして、「X」の正体は?
先述しましたように、中合の駒は取られる事が多いので、強力な駒の飛車や金が使われることは、まずありません。
しかし、本問の場合、△2三合駒の後、▲2二歩と打たれることが目に見えているので、後ろの2二に利く△2三飛(金)も考えられなくはないです。
けれども、▲2二歩に対し△同飛(金)と応じると、▲2二同香成(と)で詰んでしまうので、飛車や金を中合するメリットはなさそうです。
ここはやはり第1容疑者の歩を検証してみましょう。
△2三歩には先日述べましたように、▲同香不成では△1二玉するりとかわされてしまうので、▲2二歩と打つ一手です。それには、2三の地点から遠い1一に玉が逃げるのが最善です。(歩合図1)
なので攻め方は、もう1歩使って▲1二歩と捨て△同玉と1二に引っ張り出します。(歩合図2)
あとは、▲2三香成(▲2三“と”でもよい)△1一玉(歩合図3)と進み、
(「杏」は成香です)
ここで▲1二歩は打ち歩詰めの禁じ手となるので、▲2一歩成△同玉▲2二と(成香)と詰ませます。
というわけで、合駒が歩の場合、2二、1二に打つ歩が2枚必要になります。玉方が2三に合駒した歩が手に入りますが、これは後から手に入るので、合駒X図の時点では歩が2枚必要と言うことになります。
次の容疑者は香ということになりますが、香は歩の性能を強力にしたものなので、中合の駒としては歩と同じか劣ります。
本問の場合、歩と同じように攻め、歩合図3になった時、今度は▲1二香と打てるので、歩合のときより早く詰んでしまいます。
さらに最初の△2三香に▲同香不成(香合図1)としても詰んでしまいます。
以下、△1二玉▲1四香(香合図2)△1三歩▲2二香成(と)で詰みます。
香合図2の▲1四香に対して、2二に利かせて△1三銀と合駒しても、1四の香が間接的に玉をにらんでいるので、同じです。
次に桂合ですが、これは歩合の時とまったく同じです。
以下、次回に続きます。
ああ、終わらんなあ~。
夕焼けさん、ついて来てる?
▲2九香と打って簡単に詰みそうなのですが、2三に中合されると詰みません。ただ、持ち駒に歩が何枚かあれば詰むのですが、何枚あれば詰ますことができるのでしょうか?
というのが、前回の宿題でした。
ここで、問題になるのは、2三に中合する駒は何がいいのか?ということです。
一般に、中合する駒は、取られること(攻め駒として使われる)が前提なので、性能の低い歩が使われることが多いです。それから、桂や角のように頭の丸い駒(前に利かない)も使われる頻度が高いです。
では、この図の場合、何が最強(最善)の合駒なのでしょう?
2三に中合する駒を「X」とします。はたして、「X」の正体は?
先述しましたように、中合の駒は取られる事が多いので、強力な駒の飛車や金が使われることは、まずありません。
しかし、本問の場合、△2三合駒の後、▲2二歩と打たれることが目に見えているので、後ろの2二に利く△2三飛(金)も考えられなくはないです。
けれども、▲2二歩に対し△同飛(金)と応じると、▲2二同香成(と)で詰んでしまうので、飛車や金を中合するメリットはなさそうです。
ここはやはり第1容疑者の歩を検証してみましょう。
△2三歩には先日述べましたように、▲同香不成では△1二玉するりとかわされてしまうので、▲2二歩と打つ一手です。それには、2三の地点から遠い1一に玉が逃げるのが最善です。(歩合図1)
なので攻め方は、もう1歩使って▲1二歩と捨て△同玉と1二に引っ張り出します。(歩合図2)
あとは、▲2三香成(▲2三“と”でもよい)△1一玉(歩合図3)と進み、
(「杏」は成香です)
ここで▲1二歩は打ち歩詰めの禁じ手となるので、▲2一歩成△同玉▲2二と(成香)と詰ませます。
というわけで、合駒が歩の場合、2二、1二に打つ歩が2枚必要になります。玉方が2三に合駒した歩が手に入りますが、これは後から手に入るので、合駒X図の時点では歩が2枚必要と言うことになります。
次の容疑者は香ということになりますが、香は歩の性能を強力にしたものなので、中合の駒としては歩と同じか劣ります。
本問の場合、歩と同じように攻め、歩合図3になった時、今度は▲1二香と打てるので、歩合のときより早く詰んでしまいます。
さらに最初の△2三香に▲同香不成(香合図1)としても詰んでしまいます。
以下、△1二玉▲1四香(香合図2)△1三歩▲2二香成(と)で詰みます。
香合図2の▲1四香に対して、2二に利かせて△1三銀と合駒しても、1四の香が間接的に玉をにらんでいるので、同じです。
次に桂合ですが、これは歩合の時とまったく同じです。
以下、次回に続きます。
ああ、終わらんなあ~。
夕焼けさん、ついて来てる?
スンゲエ時間がかかりましたけど・・・
打ち歩詰めなんてモンがあるんですねぇ~知りませんでしたよ。Wikiを読んできたんですが、ただのルールとしてではなく、ちゃんとした意味もあるんですねぇ~歴史を感じるなぁ~
歩の枚数だけ明かしますと、4枚必要です。合駒Xの正体は、ここでは明かさないことにしましょう。
打ち歩詰めについては、ウィキペディアで解説されていますので、そちらを参考にされてください。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%93%E3%81%A1%E6%AD%A9%E8%A9%B0%E3%82%81
私が説明すると、また1週間ほどかかってしまいそうです。
この打ち歩詰めの禁があるので、将棋はさらにきめ細かく奥が深くなっています。
次の一手問題や、詰め将棋では、この打ち歩詰めの金を利用した問題がよくつくられますが、時々実戦でも打ち歩詰めになってしまう局面が現れます。
最近では、昨年の竜王戦の羽生×渡辺戦で現れました。
将棋で普段無意識のうちに理解していることを言葉にすると大変ですね^^;
この辺りのことは習うというより、慣れで学んできたので。
中合は歩だけで詰まされることがない銀が最強でしょうか。
書き込むときに何故か英さんのレスが表示されなかったので、合駒Xの正体書き込んでしまいました。
しかも、間違った解答を・・・^^;
銀の合駒も歩だけで詰みますね。枚数は一番多いようですが。
解けない^^ゞ
「なんとかね」ってのは英殿の書いてる説明が分かったって意味です~
yutanpo23殿が
>しかも、間違った解答を・・・^^;
って書いてあるのを読んで、こりゃまた頭がこんがらがってしまいましたよ・・・
銀が正解かと思ってました^^ゞ
>将棋で普段無意識のうちに理解していることを言葉にすると大変ですね
そうですね。
私のところには、将棋ファン以外の方も、来て下さっているようなので、過去に十数局指したことがある方を想定して、話を進めています。ルールだけご存じの方にも、将棋の面白さの一端がわかっていただけたらいいなあと思って書いています。
でも、難しいですねえ。どうなんでしょう?夕焼けさんは乗って下さっているので、非常に励みになります。
yutanpo23さんも、ねぎらって下さり、ありがとうございます。
合駒Xは銀で正解です。答え明かしの件は、気になさらないでください。まったく、問題ありません。
夕焼けさん、こんばんは。
>「しかも、間違った解答を・・・^^;」
って書いてあるのを読んで、こりゃまた頭がこんがらがってしまいましたよ・・・
あ、これは、「銀合」が間違いという意味ではなく、「中合は歩だけで詰まされることがない銀が最強」の「歩だけで詰まされることがない」という部分が違っていたという意味です。
私の説明、「なんとか」理解いただけているようで、うれしいです。