青山学院大学の完勝だった。
復路も6区・村井2位、7区・小椋1位、8区高橋1位、9区藤川1位、10区安藤・2位と他の大学をまったく寄せ付けない走りであった。他の大学もそれなりの走りをした。例年だったら、優勝かトップを激しく競り合うことのできる走りであった。
実は、東洋大学が優勝した昨年の大会も同じような感想を持った。東洋大と青山学院の大学名を取り換えれば記事が成立しそうである。
2位駒澤も5区のアクシデントを除けば、昨年と同じ感想。襷が途切れる危機に陥ったが何とか繋がったのは良かったが、そういう危機を脱出したという安堵感もあったのか、是が非でも優勝という雰囲気が感じられなかった。
もちろん、7分以上の大差だったので、逆転は非常に難しい状況ではあったこと、さらに、前半に主力を置き復路がやや手薄だったこともあったとは思う。その中で、4位から2位に順位を上げたことを讃えるべきかもしれない。
ただ、ここ数年、優勝してもおかしくないメンバーを揃えながら勝てない状況が続いているのはどうしたことか?
思うに、強豪チーム故、出場メンバーに選ばれるためのチーム内での競争が激しすぎるのではないか?もちろん、切磋琢磨の状況はチームの総合力をアップさせる効果があるが、選手の調子のピークが、メンバー選出の直前で、大会時には下り坂になってしまっているのではないだろうか?
各区間の走りも、ベストを想定したペース配分に固守し過ぎで、レース展開や自己の調子を見ての臨機応変さに欠けるような気がする。
あと、選手の配置であるが、第2エースの中村を1区に配置したのはどうなのだろうか?駅伝において、出だしで躓くのは大きな痛手ではあり、それを避けようとした起用である。完調ではないが、中村ならそれなりの走り(トップかトップと10秒差以内)は確保でき、2区で村山が1分以上の差をつけてレースの主導権を握るという読みだったのだろう。
実際、中村は調子は良くなかったものの、トップで襷を渡した。しかし、2区の村山が計算外の区間4位でトップどころか2位(トップと2秒差)で3区に繋ぐことになってしまった。
これでも、駒澤の地力を考えれば、想定内の走りだったはずだが、エース、準エースを1、2区に投入しての結果で、少なからず選手の心理に影響を与えたのではないだろうか?
3位の東洋も良く走ったが、設楽兄弟の抜けた穴を埋めるには至らなかった。
4位の明治は復路は失速。6区7位、7区14位、8区13位、9区2位、10区10位(復路成績は6位)、よく総合4位に踏みとどまったと言うべきか。
5位の早稲田は、6区1位、7区5位、8区7位、9区4位、10区7位で復路成績は3位と健闘した。
今年は、函嶺洞門の老朽化、バイパス道路の開通によりコースが若干変更された。(これに関しては『スポーツ報知』の記事を引用)
【引用開始】
王宮をイメージしたという函嶺洞門は1931年、神奈川・箱根町の塔ノ沢温泉付近の国道1号線に落石防止のため造成された長さ170メートルのシェルター。箱根の名所だが、車道の幅が狭く、観光バスなどはすれ違いが困難だった。交通安全と渋滞緩和のため2月にバイパスが通り、道幅が5・8→7・25メートルに広がった。
函嶺洞門には遊歩道が整備されるため、総会では選手は従来のコースを走り、テレビ中継車など関係車両がバイパスを使う案も検討した。関東学連関係者は「学生の大会でそこまでする必要はないし、選手と車両の分離・合流に危険が伴う。無理に函嶺洞門を走る案は見送られ、コース変更が決まった」と説明した。
記録の取り扱いについても意見が分かれた。距離延長に伴う時間差は3~4秒(20m)と予想され、各大学の監督からは「正式記録として残すべき」という声が多かったが、最終的には「正確な距離と時間」という陸上競技の原則を重視した。【引用終わり】
わずか20mの延長で、5区6区だけでなく、従来の総合記録、往路記録、復路記録も参考記録となる。タイムにして3~4秒など、風や気温の影響に比べると遥かに微小なこと。ナンセンスな判断である。皮肉にも、今大会の神野の走りにより、柏原の記録も本当に参考記録になってしまったが。
往路の記事でも述べたが、そもそも、山登りの上、最長距離というのは過酷過ぎる。アクシデントが多いのもこのせいである。10区間で競う駅伝であるのに、この5区の比重が高すぎるのも問題である。
2006年の距離延長に関して、主催者側は「5区を延長することでマラソン選手の育成や強化を図る」と全く説得力のない理由を上げていたが、テレビ中継の盛り上げの為と推測される。なのに、そんな些細なことだけ厳格に対処するのは、いかがなものか?
それはともかく、函嶺洞門を迂回する今回を機に、5区の距離を短縮すべきだった。(今後改正するとなると、今回の神野の走りは参考記録となってしまう)
ともかく、神野をはじめ、青山学院の走りは見事で、完勝だった。
復路も6区・村井2位、7区・小椋1位、8区高橋1位、9区藤川1位、10区安藤・2位と他の大学をまったく寄せ付けない走りであった。他の大学もそれなりの走りをした。例年だったら、優勝かトップを激しく競り合うことのできる走りであった。
実は、東洋大学が優勝した昨年の大会も同じような感想を持った。東洋大と青山学院の大学名を取り換えれば記事が成立しそうである。
2位駒澤も5区のアクシデントを除けば、昨年と同じ感想。襷が途切れる危機に陥ったが何とか繋がったのは良かったが、そういう危機を脱出したという安堵感もあったのか、是が非でも優勝という雰囲気が感じられなかった。
もちろん、7分以上の大差だったので、逆転は非常に難しい状況ではあったこと、さらに、前半に主力を置き復路がやや手薄だったこともあったとは思う。その中で、4位から2位に順位を上げたことを讃えるべきかもしれない。
ただ、ここ数年、優勝してもおかしくないメンバーを揃えながら勝てない状況が続いているのはどうしたことか?
思うに、強豪チーム故、出場メンバーに選ばれるためのチーム内での競争が激しすぎるのではないか?もちろん、切磋琢磨の状況はチームの総合力をアップさせる効果があるが、選手の調子のピークが、メンバー選出の直前で、大会時には下り坂になってしまっているのではないだろうか?
各区間の走りも、ベストを想定したペース配分に固守し過ぎで、レース展開や自己の調子を見ての臨機応変さに欠けるような気がする。
あと、選手の配置であるが、第2エースの中村を1区に配置したのはどうなのだろうか?駅伝において、出だしで躓くのは大きな痛手ではあり、それを避けようとした起用である。完調ではないが、中村ならそれなりの走り(トップかトップと10秒差以内)は確保でき、2区で村山が1分以上の差をつけてレースの主導権を握るという読みだったのだろう。
実際、中村は調子は良くなかったものの、トップで襷を渡した。しかし、2区の村山が計算外の区間4位でトップどころか2位(トップと2秒差)で3区に繋ぐことになってしまった。
これでも、駒澤の地力を考えれば、想定内の走りだったはずだが、エース、準エースを1、2区に投入しての結果で、少なからず選手の心理に影響を与えたのではないだろうか?
3位の東洋も良く走ったが、設楽兄弟の抜けた穴を埋めるには至らなかった。
4位の明治は復路は失速。6区7位、7区14位、8区13位、9区2位、10区10位(復路成績は6位)、よく総合4位に踏みとどまったと言うべきか。
5位の早稲田は、6区1位、7区5位、8区7位、9区4位、10区7位で復路成績は3位と健闘した。
今年は、函嶺洞門の老朽化、バイパス道路の開通によりコースが若干変更された。(これに関しては『スポーツ報知』の記事を引用)
【引用開始】
王宮をイメージしたという函嶺洞門は1931年、神奈川・箱根町の塔ノ沢温泉付近の国道1号線に落石防止のため造成された長さ170メートルのシェルター。箱根の名所だが、車道の幅が狭く、観光バスなどはすれ違いが困難だった。交通安全と渋滞緩和のため2月にバイパスが通り、道幅が5・8→7・25メートルに広がった。
函嶺洞門には遊歩道が整備されるため、総会では選手は従来のコースを走り、テレビ中継車など関係車両がバイパスを使う案も検討した。関東学連関係者は「学生の大会でそこまでする必要はないし、選手と車両の分離・合流に危険が伴う。無理に函嶺洞門を走る案は見送られ、コース変更が決まった」と説明した。
記録の取り扱いについても意見が分かれた。距離延長に伴う時間差は3~4秒(20m)と予想され、各大学の監督からは「正式記録として残すべき」という声が多かったが、最終的には「正確な距離と時間」という陸上競技の原則を重視した。【引用終わり】
わずか20mの延長で、5区6区だけでなく、従来の総合記録、往路記録、復路記録も参考記録となる。タイムにして3~4秒など、風や気温の影響に比べると遥かに微小なこと。ナンセンスな判断である。皮肉にも、今大会の神野の走りにより、柏原の記録も本当に参考記録になってしまったが。
往路の記事でも述べたが、そもそも、山登りの上、最長距離というのは過酷過ぎる。アクシデントが多いのもこのせいである。10区間で競う駅伝であるのに、この5区の比重が高すぎるのも問題である。
2006年の距離延長に関して、主催者側は「5区を延長することでマラソン選手の育成や強化を図る」と全く説得力のない理由を上げていたが、テレビ中継の盛り上げの為と推測される。なのに、そんな些細なことだけ厳格に対処するのは、いかがなものか?
それはともかく、函嶺洞門を迂回する今回を機に、5区の距離を短縮すべきだった。(今後改正するとなると、今回の神野の走りは参考記録となってしまう)
ともかく、神野をはじめ、青山学院の走りは見事で、完勝だった。
往路は特に、激しい戦いでしたね。
創価大学は、福井県出身の子が一区を走り、なかなかの走りだった気がします。
今年も笑顔で走る子、泣き崩れる子、熱い気持ちをもらいました。息子の友達が長距離をやっているので将来、走ったらなんて夢見たりして・・・
青学の神野大地君、アナウンサーが間違って「魔物の神」と言いそうになっていて大笑いしました。フルネームで昨日を予告するような名前だと思いました。
>今年も笑顔で走る子、泣き崩れる子、熱い気持ちをもらいました。息子の友達が長距離をやっているので将来、走ったらなんて夢見たりして・・・
ブログ記事を書いておきながら言うのも何ですが、選手も報道もファンも過熱し過ぎのような気がします。特に、選手は燃え尽きてしまわないか、心配になります。
それはともかく、神野君の軽い走りは魅力ですね。
沢山練習できる(丈夫な)1万メートル27分代の選手でないと、現在世界(つうかアフリカの2つの国)とは戦えないマラソン。普通に考えれば当たり前のようにまずはスピードランナーを育成する筈で、何故登りをそんなに頑張らねばいけないのか・・・・。
初代山の神の今井は、近年ニューイヤーでは安定した好成績をおさめ、駅伝では流石の走りを見せているが、マラソンでは9分30秒の2位がベストタイム、最高順位で、冴えない。
柏原に於は、大学三年以降故障続きで、今年のニューイヤーで久しぶりにまともな練習ができて臨めたと。実際大学2年時のタイムが殆どの距離でベストタイムなのが現状です。恐らく故障が完治しないまま、だましだまし3,4年と山を登って悪化させたのでしょう。4年時は自己ベストなので或いは怪我自体は完治していたのかもしれませんが、相当疲労していたのだと思います。
日本のマラソン30年前から進歩していないといえば言い過ぎでしょうが、男子の指導法に関しては殆ど進歩していないように感じます。瀬古、中山、高岡と、スピードもあるランナー(特別な才能)は時々現れましたが、その経験(長距離界としての)を活かしてフィードバックできなかった。
まあ、ケニアとエチオピアに比べれば止まっているのは日本に限りませんけども。
長距離ってほんと練習すれば練習しただけ結果に現れるので、どれだこけ故障させずに練習量を増やせるかという面では、「壊れるまで走れ、壊れなければ代表だ」みたいな根性を全面に押し出した指導法に対し、平均点は上がっても最高点を上げるのは難しいのだけど。
スピードランナーに関してはとてもそれができるだけの数いないですしね。宗兄弟くらい距離が走れる瀬古俊彦みたいなのがいれば理想ですが、多分数十年~百年に一人とかの天才だけでしょうし。
>普通に考えれば当たり前のようにまずはスピードランナーを育成する筈で、何故登りをそんなに頑張らねばいけないのか・・・・。
ですよね。
箱根駅伝は、陸連が運営するのではなかったと思いますが、テレビ局や陸連が多いに関与しているはずです。
中継では「伝統」という言葉が何度も発せられますが、5区の距離を伸ばしたことは、伝統を無視したことにほかなりません。
>長距離ってほんと練習すれば練習しただけ結果に現れるので、どれだこけ故障させずに練習量を増やせるかという面では、「壊れるまで走れ、壊れなければ代表だ」みたいな根性を全面に押し出した指導法に対し、平均点は上がっても最高点を上げるのは難しいのだけど。
アフリカ勢とは、肉体的ポテンシャルに差があり過ぎて、伍して戦うには限界まで練習しなければならないのが、悲劇ですね。
今井選手はいい選手ですが、適正距離がマラソンには満たない気がします。30km、頑張って35kmでしょうか。
女子の福士選手、弘山晴美選手もそんな感じがしました。
柏原選手は、ほとんど大会に出てこれなかったので、わかりません。
瀬古、宗兄弟、中山、谷口、森下、高岡、もっと古く、君原、佐々木、宇佐美……懐かしいです。