【その1】の続きです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/97/a6e8232b7cf912b5445cf288c228adb4.png)
△9七歩(第3図)から15手進み、広瀬八段が▲6三角と打った第4図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/f0/f1c35cf5eb5eb2439dc3a6a9d2c36e61.png)
この▲6三角は、▲5二歩や▲8五歩を含みにした手。歩の温存と相手の手を見て指し方を変えようとした手である。
しかし、本局では緩手となってしまった。
以下、△9四香に▲8五歩と突いたが、△8五同歩とは取ってくれず、△9八歩成が利いてしまうのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/1d/0b0966deffdecd8f8237921d06e77c7a.png)
▲6三角(第4図)のところで▲8五歩と打っておけば△8五同歩の一手だったのだが、▲6三角△9四香の手の交換をしたため、△9八歩成が間に合ってしまったのだ。
▲8六飛と縦にかわしたいが、飛車の圧力を避けつつ角当たりに引く△7二銀が絶好となる。そこで、▲2八飛と逃げたのだが、先手玉の脅威となる「9八のと金」と、後手の玉頭を圧していた飛車の撤退の「▲2八飛」の手の交換の出入りが大き過ぎて、一気に形勢が傾いてしまった。
感想戦の焦点も、当然、第4図(▲6三角)周辺となった。
中継ブログの「本局のハイライト」や中継棋譜の94手目「△8三同銀」の解説に詳細に書かれているが、
▲6三角のところで▲8五歩と打てば△同歩とせざるを得なく、そうしておいて▲6三角と打つべきだったらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/8b/dc0f3d069684d9d984fc9d6b50f5cafe.png)
以下△8四香に▲7五銀打と打つ手が有力で、これに対しては後手も△9四香と斬り合うしかなさそうだ。(△8四香では△9四香も考えられるが、▲8四歩△同銀▲8五銀△9八歩成▲8四銀△8八と▲8三歩△7一玉▲8一角成△6二玉▲6三銀△5四玉▲3四桂で先手の勝ち)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/9d/11f1950f409b0e9be5315c9537b90bc0.png)
以下▲8五銀(変化図5)△9八歩成▲8四銀直△8八と(変化図6)と“我が道を行く”攻め合い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/9b/408bcbf7161d3e3d4636096db46356a1.png)
さらに▲8三銀と突き進むのだが、ここでの「成り」「不成」が大きな分かれ目。
この違いは、▲8三銀成以下△7一玉▲8一角成△6二玉▲6三銀△5三玉▲3四桂△7二桂▲同成銀△8九飛▲6八玉△7九飛成▲5七玉の時、現れる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/94/ec60f0c61d470b85fd703602ec61f1b3.png)
7二の銀が成銀の為、銀を取りながら開き王手になる△6三玉(変化図7)が成立する。
これが、▲8三銀不成だと、以下△7一玉▲8一角成△6二玉▲6三銀△5三玉▲3四桂△7二桂▲同銀不成△8九飛▲6八玉△7九飛成▲5七玉(変化図8)の時、△6三玉とできない。
というわけで、「▲6三角の前に▲8五歩を利かせていれば先手の勝ち」が感想戦の結論だったようだ。
しかし、▲8五歩△同歩▲6三角△8四香▲7五銀打△9四香▲8五銀(変化図5)の時
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/75/5c81d7a613df0a3b3534036d02b68d20.png)
平凡に△8五同香と取る手がありそう。以下▲8五同飛に△7二銀打でどうなのか……難解だと思うが、どうなのだろう?
さらに、変化図5の▲8五銀に代えて▲8四銀も有力そうだ。
おそらく、この辺りの変化も感想戦で調べられたと思うが、未知の局面を水面下を含めて戦い続け、流石の両者の頭脳も疲労していたのかもしれない。
羽生ファンとしては、▲6三角の緩手により、ゆったりとした気分で最終盤を観戦できたのだが、≪先に▲8五歩を利かせれば、手に汗握る終盤戦が観られたのに≫という残念さもある。実戦でこの変化になっていたら、もっと詳細にあれこれ検討され、私の疑問も解明されたのではないだろうか?
とは言え、先にも書いたが、比較的安心して最終盤を観戦できたのは、うれしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/97/a6e8232b7cf912b5445cf288c228adb4.png)
△9七歩(第3図)から15手進み、広瀬八段が▲6三角と打った第4図。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/f0/f1c35cf5eb5eb2439dc3a6a9d2c36e61.png)
この▲6三角は、▲5二歩や▲8五歩を含みにした手。歩の温存と相手の手を見て指し方を変えようとした手である。
しかし、本局では緩手となってしまった。
以下、△9四香に▲8五歩と突いたが、△8五同歩とは取ってくれず、△9八歩成が利いてしまうのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/1d/0b0966deffdecd8f8237921d06e77c7a.png)
▲6三角(第4図)のところで▲8五歩と打っておけば△8五同歩の一手だったのだが、▲6三角△9四香の手の交換をしたため、△9八歩成が間に合ってしまったのだ。
▲8六飛と縦にかわしたいが、飛車の圧力を避けつつ角当たりに引く△7二銀が絶好となる。そこで、▲2八飛と逃げたのだが、先手玉の脅威となる「9八のと金」と、後手の玉頭を圧していた飛車の撤退の「▲2八飛」の手の交換の出入りが大き過ぎて、一気に形勢が傾いてしまった。
感想戦の焦点も、当然、第4図(▲6三角)周辺となった。
中継ブログの「本局のハイライト」や中継棋譜の94手目「△8三同銀」の解説に詳細に書かれているが、
▲6三角のところで▲8五歩と打てば△同歩とせざるを得なく、そうしておいて▲6三角と打つべきだったらしい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/8b/dc0f3d069684d9d984fc9d6b50f5cafe.png)
以下△8四香に▲7五銀打と打つ手が有力で、これに対しては後手も△9四香と斬り合うしかなさそうだ。(△8四香では△9四香も考えられるが、▲8四歩△同銀▲8五銀△9八歩成▲8四銀△8八と▲8三歩△7一玉▲8一角成△6二玉▲6三銀△5四玉▲3四桂で先手の勝ち)
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以下▲8五銀(変化図5)△9八歩成▲8四銀直△8八と(変化図6)と“我が道を行く”攻め合い。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/75/5c81d7a613df0a3b3534036d02b68d20.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/9b/408bcbf7161d3e3d4636096db46356a1.png)
さらに▲8三銀と突き進むのだが、ここでの「成り」「不成」が大きな分かれ目。
この違いは、▲8三銀成以下△7一玉▲8一角成△6二玉▲6三銀△5三玉▲3四桂△7二桂▲同成銀△8九飛▲6八玉△7九飛成▲5七玉の時、現れる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/f1/8ad1fc9b5320fad3bb8ee586902c67f5.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/94/ec60f0c61d470b85fd703602ec61f1b3.png)
7二の銀が成銀の為、銀を取りながら開き王手になる△6三玉(変化図7)が成立する。
これが、▲8三銀不成だと、以下△7一玉▲8一角成△6二玉▲6三銀△5三玉▲3四桂△7二桂▲同銀不成△8九飛▲6八玉△7九飛成▲5七玉(変化図8)の時、△6三玉とできない。
というわけで、「▲6三角の前に▲8五歩を利かせていれば先手の勝ち」が感想戦の結論だったようだ。
しかし、▲8五歩△同歩▲6三角△8四香▲7五銀打△9四香▲8五銀(変化図5)の時
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/75/5c81d7a613df0a3b3534036d02b68d20.png)
平凡に△8五同香と取る手がありそう。以下▲8五同飛に△7二銀打でどうなのか……難解だと思うが、どうなのだろう?
さらに、変化図5の▲8五銀に代えて▲8四銀も有力そうだ。
おそらく、この辺りの変化も感想戦で調べられたと思うが、未知の局面を水面下を含めて戦い続け、流石の両者の頭脳も疲労していたのかもしれない。
羽生ファンとしては、▲6三角の緩手により、ゆったりとした気分で最終盤を観戦できたのだが、≪先に▲8五歩を利かせれば、手に汗握る終盤戦が観られたのに≫という残念さもある。実戦でこの変化になっていたら、もっと詳細にあれこれ検討され、私の疑問も解明されたのではないだろうか?
とは言え、先にも書いたが、比較的安心して最終盤を観戦できたのは、うれしい。