英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒season10』 第16話 「宣誓」

2012-02-17 22:47:53 | ドラマ・映画
 冤罪、証拠の捏造・隠滅……相棒ではよく取り上げられるテーマです。長く続いているドラマなので、テーマが被らないのは不可能ですし、それは構わないと思います。
 ただ、今回はデジャブ感が強いのです。……過去の事件が冤罪で、それを右京さん(水谷豊)が気づき追求していく、当時の捜査班はそれを否定したり、介入を拒否する。そして、一見善人そうな刑事が証拠を改ざんしていた……そういう展開があったような気がしますが、思い出せません。気のせいかもしれません。心当たりがある方は、お教えください。

 で、今回ですが、元警察官・国原(石垣佑磨)の行動が、あまりに一貫性がないのと、右京の推理する場面もあまりなく、ただ、真実の追求に終始するだけといういう感が強かった。もっとも、過去のずさんな捜査を洗い直すという展開になるので、仕方がないのかもしれない。
 こういうテーマの場合、つまり、冤罪がテーマとなる場合、ずさんな捜査が冤罪を引き起こすので、逆に言えば、ずさんな捜査が必須の条件となる。…とは分かっていても、「そもそも、ずさんな捜査をするから、悲劇が起るんだ!」という怒りを覚えてしまう。
 当時、捜査一課トリオもこの捜査に絡んでいたらしい。彼らも、いったい何をやっていたんだ!
 今回、当時の捜査を担当していた刑事(加納竜)が、「あの事件のホシは、死んだ野橋で間違いなかった。それを疑うことは、我々刑事課や蓮沼署を侮辱するに等しい」と言い切ったが、証拠品のフリーライターのUSBメモリーのデータを確かめるのを拒否していた。つまり、USBメモリーの内容が、真相究明に繋がる不都合なものだと考えていた。
 だったら、証拠を隠滅しようとは考えないのかな。「バカな、証拠を消すような人間はうちの署には……」と言っていたので、こういうところはバカ正直、あ、単にバカなだけかも
、だから冤罪を起こすのか。

 今回は、尊くんの退場の前振りの意味が強かった。そもそも、今シリーズの初回が、尊君退場の前振りであった。そして、今回、「僕も、やっと、覚悟が出来た気がします」と退場の予告とも取れる言葉を発した。
 これまでの尊の言動から偽証という行為には違和感を感じてしまう。尊君退場ありきで、尊に裁判で偽証したという過去を刻みつけた、そんな気がする。

 ところで、『及川光博、相棒卒業』という記者会見を大々的に行った。番組宣伝的には効果があると思うが、ドラマ的には悪影響がある。
 「及川光博降板か」という不確定な状況なら、不安と希望を抱いてドラマを見ることができるが、「ああ、最終回で彼も退場してしまうのか」と思って観るのは、ドキドキ感が全くない。極端なことを言えば、彼がどんなピンチに陥っても、今シリーズの最終話までは絶対に死なないのである。
 あの記者会見は、ドラマをつまらなくした。

【ストーリー】(番組サイトより)
右京(水谷豊)と尊(及川光博)は大河内監察官(神保悟志)から、所轄の元警察官・国原(石垣佑磨)が起こした傷害致死事件を調べて欲しいと依頼される。立ち飲み屋で相席となったフリーライター・島内(日向丈)と口論になり店を出た後もみ合いの喧嘩に発展。島内は国原に突き飛ばされ階段から転落して死亡したという事件だった。
同じ警察署の警察官だった国原をかつての同僚が取り調べるとなれば、捜査に手心が加えられる可能性がある。大河内は特命係に内々に調査を依頼。

右京たちが調べると島内が、5年前に起きた同じ所轄の女性警察官殺害事件を調べていたことが分かる。国原が後に警察をやめるきっかけになった事件だ。

国原が警察を辞めた原因はなんだったのか?
それが今回の事件とどうかかわりがあるのか?

右京と尊が調べ直していくと、ある疑問が強くなってくる。
ライターの島内は5年前の女性警察官殺人事件について何を掴んでいたのか?
警察官の正義を問われる展開に尊の決意が固まる!

※あの三池崇史監督も特別出演!


ゲスト:石垣佑磨

脚本:戸田山雅司 監督:和泉聖治
コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする