英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

竜王戦第六局 ああぁぁ

2008-12-11 22:57:59 | 将棋
 うむむぅ、惨敗でした。
 △6二角と引かれた封じ手の局面は、既に後手優勢だったようです。
 それにしても、「飛車を切ってきなさい」という封じ手の▲3六歩は堂々としすぎ。飛車切りから△2七銀と打ち込まれて、▲2二歩~▲2五飛までの反撃に懸けましたが、はっきり足りなかったようです。羽生名人も苦しいという認識はあったようです。
 後手陣が低くて強襲をかけやすい時に、4八の銀と3七の歩の形が悪いまま、▲2四歩△同歩▲同角の動いたのが、敗因となりました。直前に▲2五歩と突いたところだったので、歩切りは自然のように思えましたが、不用意でした。
 それにしても、4八の銀は祟りました。△4九飛の飛車打ちの標的にはなるし、角が8四に逃げたときも当たりになってしまいました。

 とは言え、そのままズルズル敗れてしまったのは羽生名人らしくありません。第四局、第五局でも同様なことを感じましたが、その度合いが強くなってきています。
 例えば、第五局渡辺竜王が攻めた押したように見えますが、途中△7七歩を利かせて置けば、相当難解で勝負はどちらに転んだかわからなかったそうです。こういう、ギリギリのところで際どく利かして、局面を複雑にして選択肢を増やすというのが、羽生将棋の真骨頂だったはずです。
 そういった精度の高い終盤や、死角から飛んでくるような勝負手や、粘り方がまったく見られませんでした。まったく羽生名人らしくないです。
 第六局について言えば、飛車頭の叩きに対して、取らずに3筋にかわして屈服してでも長引かすなど、常人が掘り下げない変化でも飛び込むなど妖しさがありません。もちろん、この妖しさは相手を幻惑してミスを誘うといったまやかしではなく、これで難しいという読みの根拠を持って羽生名人の指し手です。

 今回の不用意の飛先切りの遠因は、渡辺竜王の新手△3一玉を容認してしまったところにあるように思います。普段の羽生名人ならば、相手の研究手に対して、それを真っ向から否定し挑むはずです(本局の場合は、△3一玉に▲6五歩と仕掛ける)。これを見送ったのを心に引きずったのかもしれません。

 ただ、見送ったとはいえ、飛先を切らずに▲5七銀や▲3六歩と陣形を整えた場合、飽和状態に思える後手の渡辺竜王がどういう構想を持っていたのかも、見たかったです。そういう意味でも、残念な一局でした。

 3連勝後の3連敗。渡辺竜王の充実振り、羽生名人の不調とマイナス要素が目だち、非常にまずい状況です。最終局の展望は暗いです。
 ただ、呆然とした頭の中で、希望の光を探したところ、2つのプラス要素を見つけました(今のところ)。それについては後日述べたいと思います。
コメント (2)
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