さんぽ道から

散歩中の雑感・モノローグを書いてみました

GE考~

2017-08-17 13:17:23 | ダイアリー


このところ 米国のジェネラル・エレクトリック社(GE)の業績が芳しくない。 2015年と 2016年の当期利益の合計金額は 2014年に上げた利益の 2割にも満たないもので、直近の 2017年4~6月期の純利益は 前年同期比の 6割程という。長期投資で有名な投資界の神様 ウォーレン・バフェット氏も 今年に入って 6月までに 持っていた全ての GE株(345億円)を売却した。

GE はエジソンが作った会社をもとに 1889年に設立され 弱電と重電部門で大きくなった。1981年にウェルチ氏が CEOに就任すると 弱電部門を売却し金融業を大きくし 巨大会社へと発展させた。 2001年にイメルト氏が CEOに就任すると インフラ会社にすると 金融部門を売却し 仏アルストム社から発電部門を買収するなどして 業績を伸ばしたが、 2015年ごろから 石油ガス(採掘から加工・輸送まで)部門が落ち始め 発電部門の伸びも止まります。今年は 収益の柱である発電ガスタービン/電力機器も前年割れで 良いのは航空機エンジン・再生エネルギー・医療部門と事業構成が変わってしまい 8月に CEOが交替した。

GE で思い出すのは 60年以上も前ですが 初めて掃除機と大型冷蔵庫をみて驚いたこと。大きくて頑丈で不思議なものだった。こんなものに乗って大丈夫かと思った飛行機だったが、そのうちエンジンに GEのマークを見つけるようになって スープ缶のキャンベルのようだと 安心するようになりました。日本に帰ってきて 電気製品を見て 自動車を見てもそうでしたが 貧弱に見え 頑丈なものがあふれている GE製品は皆そうでしたね アメリカに戻りたくなった こともありました。

電線がトランジスターになり ICに LSIになり 無線になり AIになり IoTになり、鉄板は 軽合金に プラスチックに 炭素材に変わってきました。 事業も 経営も 変化のスピードに追いつけなくなると 衰退に向くのでしょうね。GE は世界に30万人を抱える企業ですので その重さで 少し動きが 鈍くなってきた きらいはあるでしょう。

この 8月からの CEOは GEに勤めて 30年という GE生え抜きの 55歳のジョン・フラナリー氏。財務部門を皮切りに 金融部門をワールドワイドにまとめ上げ 巨大事業の売却/買収を成功させ 医療/ヘルスケア―部門のデジタル化を成し遂げた男という。 11月には経営方針を明示するという。

GE を手本に 日本で 大きくなったのは 三菱重工と日立製作所。 今の GEも 他山の石とする タイミングでしょう。
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