カンボジア経済

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2023年交通事故件数は引き続き増加 飲酒運転取り締まり強化へ

2024年02月07日 | 経済
 国家交通安全委員会によりますと、交通事故件数は、2021年2670件、2022年2976件から、2023年3317件(対前年比11%増)へと増加を続けています。死亡者数は、2021年1497人、2022年1709人、2023年1590人(同7%減)となっています。負傷者数は、2021年3615人、2022年4026人、2023年4515人(同12%増)となりました。なお、届出されていない事故や死傷も多数あると見られます。新型コロナの影響で交通量が減ったことと、2020年5月から交通違反罰則金を大幅に引き上げる等の交通法規の厳格化がなされたこと等から、2020年~2021年は交通事故が減少していましたが、2022年~2023年は再び増加に転じました。
 交通事故の主な原因としては、スピード違反、飲酒運転、未熟運転・無謀運転・不注意運転、無理な追越し等が挙げられています。また、オートバイの死亡事故、特にヘルメット不着用の死亡事故が目立つと指摘されています。国家交通安全委員会が国連開発計画(UNDP)と共同で行った調査によりますと、交通事故による損害額の合計は4億6600万ドル(約690億円)に達するとのことです。
 日本国内における2023年中の交通事故による死者数は2668人です。車の台数等を考えると、カンボジアでは日本と比較して約100倍も死亡事故が発生していると言われます。
 交通事故は、カンボジアにとって重大な問題となりつつあります。カンボジア政府も取り組みを進めており、フン・マネット首相は、1月23日にカンボジアの交通事故で大きな原因となっている飲酒運転の取り締まり強化・アルコール飲料の広告規制強化等を表明しています。また、富裕層に有利と言われ、国民の怨嗟を招いている交通事故関連裁判についても迅速化を図る方針です。この他、交通事故を起こした違反者の資産差し押さえ等も強化される見込みです。
 カンボジアでは、交通安全教育や交通インフラにおける安全対策等によって、交通事故を減らしていく努力が引き続き必要とみられます。また、海外からの支援についても、今のところ交通安全対策は重点となっているとは言い難いところがあるため、ドナー各国や国際機関にその重要性を訴えていく努力も必要と見られます。特に、交通事故死亡者数を大幅に減らしてきた日本のノウハウをカンボジアで活かす機会も十分にあるものと見られます。
(写真は、首相の取り締まり強化指示の契機となった飲酒運転事故。プノンペンポスト紙より)



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