カンボジア経済

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カンボジア政府 2024年の国債発行1億ドルを目指す

2024年04月09日 | 経済
 カンボジア政府は、2024年度中の国債発行計画額を4400億リエル(約1億800万ドル:約163億円)としています。ドナー諸国からの借入を含めて2024年度の新規借入枠は、約20億ドルであり、国内で発行する国債が占めるシェアは5%程度に留まる見込みです。
 カンボジアでは2022年から国債の発行を開始しています。2023年は当初予算では2億ドルを発行する計画でしたが、入札不調が続き、実際の調達額は5826万ドルと計画の29.1%に留まりました。2022年度も、1兆2195億リエル(3億ドル相当)を発行する計画でしたが、実際には2000万ドル程度の調達に留まった模様です。
 国債の発行事務を行うカンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行では、入札不調を受けて、国債の表面利率を引き上げています。3年債で見ると、2022年度の2.0%から順次引き上げて、2023年3月には4.2%としています。しかし、当時の米国の国債(ドル建て)の3年債の金利が4.0%前後、ABA銀行のリエル建て3年物定期預金の金利が8.0%であったことを勘案すると、リエル建て3年債の表面利率を4.2%としたのはまだまだ強気であったものと見られます。その後も米国連邦準備委員会(FRB)が金利を更に引き上げつつある状況にあったこともあり、入札不調が続きました。
 FRBの金利引き上げは最終局面にあり、今年後半以降は、引き下げに転じるものと見られます。そうした状況下で、カンボジアの国債の魅力を高めつつ、国内での資金調達を拡充していくことは、カンボジア政府にとっても将来的に対外債務の伸びを抑えるといった効果もあるものと見られます。今後ともカンボジア国立銀行等の地道な努力が期待されます。
(写真は、国債が上場されているカンボジア証券取引所)


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