カンボジア経済

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カンボジア 海上油田でタイとの交渉に前向き

2020年05月27日 | 経済
 カンボジア鉱業エネルギー省によりますと、タイ湾の海上油田について、カンボジアとタイは新型コロナ終息後、速やかに交渉を再開する見込みとのことです。
 カンボジアとタイの間では、タイ湾の海上の国境線が確定しておらず、双方が領有権を主張する2万6400平方キロメートルの重複主張海域(Over-wrapping Claim Area: OCA)が存在しています。この海域では、石油・天然ガスが豊富に埋蔵されていると見られており、領有権問題を棚上げして、両国で共同開発を行う方向で協議が進められてきました。タイ側は、タクシン政権時代にこの考えに合意し、2001年に覚書の調印まで至りましたが、アピシット政権になってからこれを覆し、交渉は暗礁に乗り上げていました。2019年9月のASEANエネルギー大臣会合を契機に交渉再開に向けて動き始め、2019年末には早期の交渉再開で合意しているとのことです。しかし、新型コロナ問題の影響を受けて、交渉は延期されているため、新型コロナ終息後に早急に再開したいとしています。
 重複主張海域からの原油産出量は、5億バレルとも見込まれており、天然ガスも豊富と見られます。タイとしても既存の海上油田・ガス田が早晩枯渇する可能性が高いため、重複主張海域の開発に前向きとなっているものと見られます。新型コロナの影響等で国際石油価格は、4月以降大きく上下動していますが、最近は30ドル台に値を戻しており、新規油田開発への逆風も弱まってきているものと見られます。
 カンボジア領海の海上油田ブロックAではシンガポール系のクリスエナジーが、今年中の商業生産開始を目指しており、重複主張海域でも探査と開発が進められることが期待されます。

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のサイト
タイとカンボジアに跨る未境界画定水域
https://oilgas-info.jogmec.go.jp/info_reports/1007679/1007750.html


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