カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、ワクチン接種の進展に伴い市中感染はかなりの減少を見せています。12月19日の保健省の発表によれば、死者は累計3005名(12月12日から20名増)です。累計陽性者数は12万416名(同61名増)となっています。治癒数は11万6792名(同84名増)です。先週の新規陽性者のうち、市中感染は56名、海外帰国・入国者の新規陽性は5名でした。
12月14日、カンボジアで初のオミクロン株の陽性者が確認されました。陽性者は、ガーナからアラブ首長国連邦のドバイとバンコク経由で12月12日に帰国した23歳のカンボジア人女性です。抗体検査とPCR検査で新型コロナの陽性が判明した後、12月14日にオミクロン株への感染が確認されました。続いて、12月16日には、ケニアから入国したアイルランド人がオミクロン株の2例目として確認されました。フン・セン首相は、国民に対しパニックとなる必要はないと述べ、引き続きこれまでと同じ感染対策を徹底することを求めています。
12月17日、シェムリアップ空港に国際線再開第1便となるシンガポール航空便が到着しました。21か月ぶりの国際線再開であり、外国からの観光客が途絶えて、困難な状況にある観光業界等から歓迎の声が上がっています。
12月14日、日本のデジタル庁は、海外からの入国手続きに必要な情報を、スマホを使ってオンラインで事前入力できるようにするサービスを12月20日から始めると発表しました。書類の提出を原則不要にして空港職員や入国者の負担軽減につなげるとしています。他方、オミクロン株対策として導入された世界基準とはかけ離れた厳しい入国規制は、当初12月末までの予定でしたが、期間が延長される見込みです。
12月19日、日本政府がCOVAX経由でカンボジアに提供した日本製アストラゼネカワクチン約30万回分がプノンペン空港に到着しました。到着式典には、マム・ブンヘン保健大臣、三上正裕大使等要人も参加しました。今後、3回目接種等に活用されることが期待されます。
カンボジアでのワクチン接種については、世界的に見ても早いペースで接種が進んでいます。既に、5歳以上~成人についてはほぼ接種を完了しており、未接種は0歳~4歳の幼児のみと言ってもよい状況と見られます。12月18日現在で、1422万4202人(うち12歳~17歳180万8781人、6歳~11歳199万1733人、5歳29万3566人)への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の88.9%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の101.3%に第1回接種を、97.7%に2回目を完了しています。なお、中国製ワクチンの効果が不十分であることから、ブースター接種(3回目)を実施しています。12月18日現在304万1361人が3回目接種を完了しています。これまでは成人のみが対象でしたが、1月以降、12歳~18歳に対しても3回目接種を行う計画です。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために4月にはプノンペン等のロックダウンに踏み切る等、厳しい規制を行ってきましたが、大幅緩和の方向となっています。ただ、オミクロン株の動向次第で規制が変更される可能性もあることから、十分ご留意ください。日本大使館は、「カンボジアへ入国する際や日本へ帰国の際に、入国後又は帰国時の日程に影響が及ぶ措置が導入されることも想定し予定を計画することをおすすめします。」との注意喚起を発出しています。なお、カンボジアは、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクやアルコール消毒といった対策の継続が必要と見られます。
(写真は、プノンペン空港に到着した日本製アストラゼネカワクチン。AKPより)
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