カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

十年一昔 カンボジア経済2007~2017

2017年11月03日 | 経済
 ちょうど10年前の2007年11月3日にカンボジアに着任しました。私には、あっという間の10年でしたが、カンボジア経済にとっては大きく飛躍した10年と言えます。カンボジアのマクロ経済は、2008年のリーマンショック時を除けば大変優秀な実績を残していると言えます。数字で振り返ってみたいと思います。

経済成長
 名目GDPは、2007年の86.3億ドルから2017年には222.5億ドルへと2.6倍に拡大しました。実質GDP成長率は、リーマンショックの影響で2009年だけ0.1%と低下しましたが、他の年は概ね順調で2007年から2016年までの平均は、6.6%に達しています。一人当たりGDPは、2007年には628ドルでしたが、2013年に1000ドルを突破し、2017年には1390ドルとなっています。

物価上昇
 消費者物価上昇率は、リーマンショックのあった2008年だけ25.0%と非常に高くなりましたが、他の年は安定的で、2007年から2016年までの平均は、5.5%でした。

国際収支
 貿易収支は一貫して赤字ですが、これを海外からの直接投資、観光収入、政府開発援助(ODA)等で埋め合わせて、総合収支はずっと黒字を続けています。このため、外貨準備は、2007年の16.2億ドル(輸入の2.5か月分)から2017年には81.0憶ドル(輸入の5.5か月分)へと5倍の大幅増加となっています。

産業
 農業国であったカンボジアですが、縫製業を中心とする労働集約型軽工業、更には、日系企業に主導された自動車・電気部品製造業の発展により、第二次産業が大きく伸びています。また、観光、金融、不動産、商業・サービス等の第三次産業の発展も見逃せません。

インフラ
 2007年当時は、まだ一桁国道でも舗装工事が完了していないところがありました。この10年で輸送インフラの発展は目覚ましく、シアヌークビル港の拡充、プノンペン新港の開港、つばさ橋の開通等により、大幅な改善が見られます。2007年当時、頻発していた停電も、電力の整備により著しく改善しましたが、電力料金は引き続き課題となっています。2007年には、インターネットはまだ高価なぜいたく品でしたが、この10年で全土に光ケーブルとワイヤレスネットワークが整備され、今や携帯電話の世帯普及率が99%となっています。

 大きく発展する段階というのは、どんな途上国にもあるものですが、カンボジアの10年を間近で見ることができたのは、本当に幸せでした。
 (写真は、2008年7月のプノンペン。まだ高いビルがありません。初の高層ビルであるカナディアタワーの工事現場が見えます。)

 このブログも10年間続けてこられましたのは、皆様のご愛顧あってのことです。心より感謝申し上げます。

2007年11月のプノンペン経済特区。門の向こうはまだ整備中でした。今や多くの工場がひしめいています。


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