にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

PCR検査の結果を絶対だと思わないでください!!

2020-04-28 09:59:41 | 病気のはなし
新型コロナ流行で一躍有名になったPCR検査。
とても大切な検査ではありますが、他の検査同様100%の信頼性があるわけではありません。

診察時にもお話しさせていただいていますが、検査は医者のためにやるものです。
って書くと、「え、何それ??訳わかんない」と思われるかもしれませんね。
もちろん突き詰めれば「患者さんのため」ではありますが、そこに
「何のために検査をし、その結果をどう読み(解釈し)、治療に生かすか」
という目的が無ければ無意味です。

例えば食物アレルギーのRAST検査(血液検査)。
検査が強い陽性を示しているのに平気で食べられている人もいれば、検査値が低くても強い症状が出る人や、症状が出るのに検査値は陰性の人もいます。
食べるのを控えていたら数値が下がって、それを根拠に食べるのを再開したら重い症状がでた、なんてこともあります。
結局検査値は参考にしかならず(と言っても重要な参考事項です)、患者さんの背景(家族歴や生活環境など)、これまでの経過などと共に考え併せて、初めて診断と治療方針が成り立つのです。

話を新型コロナのPCRに戻しましょう。
新型コロナのPCR検査は、現時点では
 ●感度(陽性の人を正しく陽性と判断できる確率): 高くても70%: 感染者の30%は見逃される
 ●特異度(陰性の人を正しく陰性と判断できる): 99%位?: 1%位の人は非感染なのに陽性=感染者とされる
程度の精度と言われています。

つまり、PCR検査では「感染していない」は証明できないということで、

大切なのは、医師が要PCR検査と考えたら、陰性でも潜伏期間は経過観察 することが必要だということです。

自分もいつの間にか感染者になっているかもしれない、と思って自分の行動を見直していきましょう!


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