にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

大人の麻疹流行!ワクチンは済んでいますか?

2016-09-02 12:46:49 | 病気のはなし
子どもたちの麻疹ワクチンが2回接種となり、麻疹を診たことのない小児科医がいる時代となりましたが、それは子どもの世界の話。
ついこの間まで大人の風疹流行から先天性風疹症候群の多発が問題になっていましたが、今度は大人の麻疹が流行し始めました。
既に土着(日本古来)の麻疹ウイルスは排除されていて、今の日本での流行の大部分は東南アジアからの輸入ウイルスが原因です。
今回の麻疹流行も海外に旅行に行っていた人が罹患したのを皮切りに、コンサート・空港などを介して大規模流行の兆しを見せています。
麻疹は空気感染のため同じ部屋(空間)にいるだけ感染する可能性が極めて高く、しかも感染するとほぼ100%発病し、特異的な治療方法もなく、場合によっては命を失う場合もある重篤な疾患ですから、ワクチンで予防を図らねばなりません。
問題になるのは、定期接種対象外の0歳児とワクチン未接種(もしくは1回のみ接種)の大人です。
たとえ0歳児でも麻疹ワクチンは接種可能ですので(自費接種になりますが)、万が一近くで麻疹の発生があった場合や、不特定多数の人と接触する可能性のある場合は、かかりつけ医と相談の上で接種を考えましょう。
この場合は1歳になったら定期接種(法律上の接種)として再度ワクチンを接種することができます。
2歳以上で未接種の人、小学生以上で1回しか接種していない人、接種歴が不明の人は、速やかに医療機関に相談して接種を行ってください。