にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

夏がやってくる、と一緒に来るものは?

2015-07-03 15:31:07 | 病気のはなし
夏の到来とともに、全国各地でヘルパンギーナや手足口病などの夏カゼが流行し始めているようです。
いずれもエンテロウイルスによって引き起こされるもので、ウイルスのタイプによって起こりやすい症状(病気)が違います。
ヘルパンギーナの場合は、突然の39度前後の高熱と喉の強い痛みが特徴で、口蓋垂(のどちんこ)周囲に沢山の口内炎ができます。
熱は数日で下がりますが、痛みのために水分も摂りにくくなるため、乳幼児では脱水になりやすいので注意が必要です。
手足口病は、その名の通りに手(主に手のひら)、足(主に足のうら)、口(舌や頬の内側)に口内炎ができますが、時に膝やお尻にも出ます。
発熱は必発ではなく、水痘のように痂疲(かさぶた)になることも原則ありません。
いずれもウイルス性疾患なので、病気を治す(ウイルスを抑える、殺す)薬はありませんから、水分をこまめに摂らせ、ゆっくり休ませて、症状が落ち着くのを待ちましょう。
ただし、ヘルパンギーナでは髄膜炎や心筋炎、手足口病では髄膜炎や脳炎などの重篤な合併症が起きる場合もあるので、症状の推移を見ながら医療機関への受診を考えてくださいね。