にれっちのつれづれ日記

本州最北端の小児科医にれっちの独り言(^^)

嘔吐のときの水分捕球

2006-12-18 21:15:25 | 病気のはなし
急性胃腸炎(嘔吐下痢症)が大流行ですが、ちょっと気になることがあります。
それは、嘔吐しているときの水分補給の方法です。
書物やパンフレットに「欲しがるだけ与えてよい」と書いてあるのだけを見て後の文章を十分読まずに、『一度にたくさん与えて』嘔吐を繰り返し、「飲ませるたびに吐いてしまうんです」という訴えが目立ちます。
欲しがるだけ与えるというのはトータルの量のことであって、一度に与える量は最初はスプーン1杯程度から、摂取後1-5分程度様子を見ても嘔吐がないのを確認して徐々に増やす、というのが正しい方法になります。
それと与える水分にも注意が必要です。
スポーツドリンクは水分補給に良いと思っている人がたくさんいますが、実は電解質が少なく糖分が多すぎるため、嘔吐下痢による脱水の補給の場合には好ましくありません。(まさしくスポーツなどで健康的に水分が不足した場合なら、問題はあまりないのですが)
かといって昔ながらの湯冷ましやお茶も同じことです。
十分な電解質を含む、いわゆる経口補液剤は、実は自宅で簡単に作ることができます。
用意するものは、
 1.水1リットル
 2.上白糖40グラム
 3.塩3グラム(小さじ1/2杯)
 4.レモン汁少々
たったこれだけ。
軽症の脱水なら、塩の量を2グラム(小さじ1/3杯)に減らせばOKです。
ちなみにスポーツドリンクでは、塩の量が0.5~1グラムです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。