京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【のどやか】

2015-03-13 | Weblog
【古池や 蛙飛びこむ 水のおと】

〈春ののどかな午後、静寂(しじま)の中、古池に蛙が飛び込んで、突然「ポチャン」と音が聴こえ、また元の静けさに戻った。〉

蛙の鳴く声ではなく、水に飛び込む音に美を見いだし詩情をもたせた、ご存知の芭蕉の画期的な名句です。

【春の海 終日(ひめもす)のたり のたり哉(かな)】

〈うららかな春の日差しを受けて、海がのたりのたりとうねっている。〉

ゆったりとのどやかな春の海を見事に表現した、与謝蕪村の名句です。

昨日、寝台特急トワイライトエクスプレスが札幌駅を発ちラストラン。本日、大阪の河川敷には無数のカメラ、JR大阪駅に集った年齢 性別を問わない、ものすご大勢のファンに見守られ、25年の歴史にピリオドを打ちました。多くの人々が様々な想いを胸に、最後の別れに感慨深く涙したはりました。

これまでの数十年、新幹線・リニアモーターカーなど、速さ、利便性、収益を追及してきた鉄道ですんで、車窓の景色を眺めながらのゆったりとした旅は、忙しい現代人の心にふかぶかと染み入るもんがあったんですね。
今後も九州の‘ななつ星’のような、豪華で優雅な高額観光列車が続々登場するようです。

ただいま、大相撲春場所が大阪で行われてますけど、館内に流れる時の流れは、実に心地のええもんです。

あわただしい日々、時間がゆったりと流れてた清貧な良き時代が、懐かしく味わい深く思われます。