京料理 道楽のブログ

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【桜】

2015-03-29 | Weblog
川端沿いの枝垂桜が満開となりました。鴨川に沿ってズラリと並ぶ枝垂桜は圧巻の眺め。自転車で毎日通る度に、陽当たりのええとこから日毎に蕾が膨らみ、一気に開花し、サッと散って葉桜となる。その時々の姿に大いに感動するんです。

枝垂桜は別称糸桜ともいうて、平安の昔からその優美な姿態は大層好まれ、歌に詠まれ、絵に描かれてきました。
利休が秀吉を招いた際に、釣舟の花入に糸桜の大枝を入れ、一畳半の席いっぱいに垂らしてあったと言われてます。そこには、心震える空間が存在したことでしょう。

茶席には、桜は用いないとされてますが、なんとゆうても昔から国花として日本人に愛されてきた花、わずかの期間のみの美しさゆえ、ぼくは茶席以外では、時折用いるようにしてます。

古事記には、天孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と木花之佐久夜毘売(このはなのさくやひめ)とが結ばれる話があります。

日本人は、心はずむ満開のときから、散りゆく儚さ寂しさまでも心に受けとめます。これは、日本人の心の奥で古くから受け継がれてきた特有の美意識なんですね。