京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

【三月】

2015-03-01 | Weblog
年明けから、ふた月が疾風の如く駆け抜け、はや三月となりました。

三月の異称は、弥生の他にもたんとあって、花月(かげつ) 嘉月(かげつ) 桜月(さくらづき) 蚕月(さんげつ) 桃月(とうげつ) 花見月(はなみづき) 早花月(さはなつき) 夢見月(ゆめみづき) 春惜月(はるおしみづき)なんかは、情緒ある詩的な呼び方です。

二十四節気は、6日の啓蟄と、21日の春分がございます。

【春の夜の夢の浮き橋とだえして峰に別るる横雲の空】
藤原定家の最高傑作といわれてます。

【雁木(がんぎ)】

2015-03-01 | Weblog
雁は日本の代表的な渡り鳥で、北の方から秋に飛来して、春には北へと去っていきます。

雁木とは、群れて飛ぶ雁の列をイメージした、ジグザグの形を言います。

食材の断面をギザギザに切るのも「雁木に切る」ゆうて、高野豆腐や蒟蒻なんかでします。

また、器などの紋様にも、雁木を意匠化した「雁木紋」があります。

春の季語に「雁風呂」とゆうのがあります。
秋に渡ってくる雁は、疲れたら海上で翼を休めるために木片をくわえやってきて、青森の外ヶ浜あたりにくわえてきた木片を落とし、春になったら、またその木片をくわえて北へ向かう という言い伝えがあります。
外ヶ浜の住人は、浜辺の流木をひろて帰って、その流木をくべてお風呂を沸かします。これは雁供養とも言われ、帰ることが叶わへんかった雁たちを供養するとゆう、昔ながらのゆかしい慣わしです。

因みに「かりがね」は、「雁が音」。もともと雁の鳴く声のことですけど、雁そのものを指すようになりました。「雁の使(かりのつかい)」「雁の書(かりのふみ)」ゆうのは、遠く離れた人へ思いを託す手紙のことで、共に秋の季語です。

古くより日本人は、雁の声を聞き、雁が渡来し、また去ってゆく姿に季節を感じ、様々な思いを馳せたんです。