京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

真味倶楽部

2008-09-21 | Weblog
『真味倶楽部』とは、うちで毎月第三土曜日に開催致しております、美食の会です。
先ず、お部屋の準備です。椅子とテーブルでお席をご用意致します。淡々斎のお掛け物に籠に秋草を入れて飾りました。芒(すすき)、藤袴(ふじばかま)、竜胆(りんどう)、秋明菊(しゅうめいぎく)、ほととぎす、葛(くず)、桔梗(ききょう)などを盛り込みました。部屋の雰囲気は、瞬く間に秋らしくなります。そして、お香を薫(た)いておきます。
暫くしてお客様がお揃いになり、汲出しをお持ちした後、お部屋へご挨拶に伺います。お話がすんだら、お料理の始まりです。
◇次回は順次お出しする料理のお話です。

永楽焼で楽しむ懐石料理

2008-09-21 | Weblog
お待たせ致しました。
先ず、ぼくの銀蒔絵の折敷に、お向・汁・飯をお出しします。
お向は十五代正全さんの鶴巣籠に明石鮃の昆布締めで松前酢をちょっと入れて山葵を添えます。汁は袱紗仕立で実は冬瓜です。溶き芥子をチョコンとのせます。飯はいつもとは変えて、上等な羽二重の餅米で銀杏の飯蒸しをつくってフワッと丸く盛りました。
そして、汁替え・飯器は略して燗鍋をお回しいただきました。皆さんお酒もかなり楽しんでおいでの御様子です。お酒は`大吟醸道楽楼'をご用意致しました。
続いての`椀盛り'いわゆる`お煮物'には、ぐじとまったけを合わせました。ぐじは鮮度抜群の若狭ぐじ、まったけは岩手産で、すり柚子をふりかけます。お椀は東海道五十三次の絵替わりの蒔絵椀です。お椀の蓋を開けたときのふくよかな香りとどっさり入ったまったけ、見返し(蓋裏)の豪華な蒔絵に、ご一同様感嘆の唸りです。そして、ぐじとまったけが織り成す奥深いコクに感動していただけたみたいです。
続くお焼物は、初めのお話しの中でご説明して、部屋の端に展示してご観賞いただいておりました鉢のひとつ、和全さんの`龍田川透し鉢'です。いろんな色に染まった紅葉が川面に落ちて流れゆく感じが、和全さん独特の感性で表現されている渋い器です。料理は`かますの幽庵焼'に田中唐辛子をあしらいました。焼きたて熱々のご馳走です。
次に、保全さんの晩年の高槻窯での作品`獅子金赤絵鉢'です。これも展示しておいた鉢で、箱の蓋裏には和全さんの書き付けもあります。料理は`きごしょう'です。献立の流れは、ここまでご馳走が続いたので、素朴な味わいでホッと一息いれていただきます。京都の人は、きごしょうが大好きで、この時期は楽しみにしたはります。`はとうがらし(葉唐辛子)'とか`きのしょう(木の庄)'とか`きょうとうな(京唐菜)'ともいわれてますね。
続く預鉢も展示しておいた鉢で、和全さんの作、銘`西王母'です。料理は柿と葡萄の白和えです。
ここで、飯器をお出ししました。そして箸洗い(小吸物)にはトロっとした湯葉汁です。お椀は時代の朱塗鳳凰椀で、内側と見返し全面に細かい菊模様の沈金が施されてあります。実に軽いお椀で、皆さんご驚嘆です。
次の`八寸'は`口取'として銘々に酒肴を盛り込んでお出ししました。内容は、うち特製の`干笑果'という干したいちぢくに生ハムをまいたん。蒸し鮑は5~6時間蒸し上げたもんです。大粒の栗の渋皮煮。スモークサーモンにべルーガキァビアをたっぷり巻き込んだもん。からすみ。丹波のおくら。小倉蓮根なんかです。器は、和全さんの蜻蛉皿です。
皆さんかなりお楽しみなので暫く間をあけてから香の物と湯斗をお出ししました。鉢はお飾りしていた保全さんの染付鉢です。当時の呉須はなんともいえない深い藍色で、保全さんが中国の磁器を熱心に研究したことがうかがえます。この鉢は善一郎の書付けで、天保の改革による奢侈禁止令で隠居した頃の作品です。山科茄子の浅漬けと沢庵とまったけ昆布を盛りました。
湯漬けと香の物をお召し上がりになって、折敷をひいたら、主菓子です。
この日のお菓子は、`黒水煎'というて吉野葛を練り上げて黒蜜を加え、中に大納言を炊いてブランデーに浸して香りをつけたもんを射込んで茶巾に絞った、うち謹製のお菓子です。これもすこぶるご好評でございました。
一度お席を改めてから、いよいよ濃茶のお点前です。今回はあまりかしこまらずに、続き薄でやらせていただきました。
皆さんに喜んでいただき、時には楽しく和んだ雰囲気の中で、自分なりに考えてちょっとくずした懐石もええもんやなぁと思いました。
また、開催いたしますので、常連様はもとより、うちに来られたことのない初めての方も、お茶のご経験がない方も、大いにお楽しみいただけますので、次回開催のおりには、ぜひともお待ち申し上げております。
◇次は昨夜開催いたしました真味倶楽部のお話です!

御礼申上げます。

2008-09-21 | Weblog
先日、京料理七十二候を連載しておりました`あいあいAI京都'の編集部の方がご来店いただきまして、連載終了後に編集部に届いたお便りを拝見致しました。
実に仰山の方々から、感謝の気持ちや御礼の言葉を賜りまして、大慶至極に存じ上げます。この上なく幸せに思います。
ぼくの方こそ、二年とひと月もの間、毎週お付き合い賜り、心より感謝申上げます。この場をお借り致しまして、厚く厚く御礼申上げます。
◇後程、懐石のお話の続き、そして昨日開催致しました`真味倶楽部'という美食会のお話も…

永楽焼で楽しむ懐石料理

2008-09-20 | Weblog
当日は、一部(お昼)と二部(夕方)にわけて開催しました。
まず、11時前に待合にお集まりいただきます。掛け物は横山清暉の宝船の画賛です。湯をお召し上がりになったら、本席へと入っていただきます。
掛け物は春屋宗園の碧巌録で大籠に秋草を入れて両飾りです。皆さんがお席につかれたら、ぼくが挨拶して本会の趣旨を説明します。今回は、うちで恒例の茶懐石の会とはちがって、和気藹々と和んだ雰囲気の中で、永楽焼に盛られた料理を楽しみましょう。と言うコンセプトなんで、懐石も若干スタイルを変えました。
部屋のはしには、今回用いる保全さんと和全さんの鉢が二つずつ飾ってあります。
まず、ぼくが一時間ほど永楽焼についてレクチャーます。言わずと知れた永楽焼中興の祖で京焼の名工十一代保全さんとその息子で比類稀なる才能の持ち主十二代和全さんについてのテキストをお目通しいただきながら、十代了全さんからの歴代の方についてお話させていただきました。
皆さん器好きなんで、実にたんとのご質問を賜りました。
続いて、料理の説明をしてから懐石の始まりです。
この頃には、常連さんも初めての方も打ち解けて、和やかで楽しい雰囲気で床や並べてある器を拝見いただいたりして、いよいよ懐石です。お渡しした献立を御覧いただきながらの食事です。献立にはそれぞれの料理とその器、そしてその他のお道具が書いてあります。ぼくが書いているので読めない字も仰山あるみたいで、あーでもないこーでもないと推測していただくのも御一興ということにしておいてもらいました。☆次回は懐石料理のお話へ

永楽に盛る茶懐石

2008-09-19 | Weblog
昨日永楽十一代保全さんと十二代和全さんの器を用いた懐石料理の会を開催致しました。皆さん、大変お喜びいただき、僕自身も大変嬉しく存じております。料理内容・器については後程詳しくお知らせいたしますので乞う御期待!