京料理 道楽のブログ

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干物〓

2008-12-27 | Weblog
底冷えの砌(みぎり)となりました。干物を作るには最適の時期と言えましょう。夏場の高い気温、強い日差しの中では、天日干しの干物を作ることは出来ません。やわらかい日差しで寒風の吹く中、というのが干物作りに適した条件です。
本来は、お魚の大きさによって、丸干しにするか開き干しにするかを決め、下拵えしたら、塩水に浸けて天日干しにします。
塩水の濃度はかなり重要なポイントの一つです。市販のもんは10~13%くらいの塩水に20~30分程浸けて、機械で冷風乾燥したものが多いようです。
うちでは、鮮度のええ適度な大きさの魚を用いて、水洗いして三枚におろします。腹骨をすき取り、血合い骨も丁寧に抜いてから、4~6%(水1000㏄に塩40~60g)の塩水に一時間程、身の中まで均等に塩がまわるまで浸けます(塩は藻塩と岩塩を合わせて用います)。これを好みのお酒でサッと洗って、木枠に網を張ったもんに並べ、風通しのええ所でお日さんにあてて干します。天日にあてることでおいしさがギュッと凝縮され旨味が増します。この時、ハエや鳥などにじゅうぶん気ぃつけんとあきません。防虫網をかけたり、干物ネットに入れて吊しておくのもええでしょう。干し時間は風や日差しの強さによって加減します。時折裏表を返しながら、だいたい4~6時間くらいですかね。干し加減の目安は、身の表面に薄皮ができて、腹の一部にうっすらと脂がういた感じです。何回かやってみるとその干し加減が会得できます。魚の種類や大きさによっても塩水濃度や干し時間を加減するのがええでしょう。「あじ」や「かわはぎ」なら5~6%、「ささがれい」や「ぐじ」なら4~5%くらいですかね。とにかく頗る鮮度のええもんを用いること
です。
干す適当なスペースがない場合は、新鮮なお魚をおろして骨を除き塩水に浸けお酒で洗ったら、脱水シート(ピチット)に包んで一晩冷蔵庫に入れておくと、美味しい一夜干しが味わます。
朝ご飯にほんまに美味しい干物を骨を気にせんといただくのは、日本人の幸せやなぁと思います。あとお豆腐とお揚げさんのお味噌汁・おつけもん・菜っ葉のおしたし・野菜の炊いたんなんかがあったらもう最高ですね。