京料理 道楽のブログ

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《日本の雨》

2011-08-26 | Weblog
全国で局地的に、記録的な雨量の集中豪雨が続いております。

日本の雨は、季節の流れとともに実に様々な呼び方がございます。

夏の午後、ザァーッとひと雨きた後は、涼しなって爽やかに感じます。「夕立」は万葉集では「暮立」の字を用いており、「白雨(はくう)」「驟雨(しゅうう)」との呼び方もあります。

秋になると、しとしと降る雨となり、同時に肌寒さと侘びしさが訪れます。「秋湿(あきしめ)り」「秋霖(しゅうりん)」「秋雨(あきさめ)」。

秋から冬へと季節の変わり目に降る雨が「山茶花梅雨(さざんかづゆ)」。晴れてる時に、にわかに短く降ったりやんだりする雨を「時雨(しぐれ)」と言いますけど、詩歌では秋から冬に用いられることが多く、俳句では冬に初めて降る時雨のことを「初時雨」と言います。晩秋に山に濃い霧が立ち込め「霧雨(きりさめ)」となって、紅葉した木々に降りそそぐ様子は、いかにも幻想的な光景です。

俳句で冬の通り雨のことを「村雨(むらさめ)」とか「村時雨(むらしぐれ)」と言います。

冬から春へと季節が移る頃の、降ったりやんだりのしとしと雨のことは「菜種梅雨(なたねづゆ)」「催花雨(さいかう)」「春霖(しゅんりん)」などと言うてます。古寺に静かにふるこまやかな「春雨(はるさめ)」は、風情ある趣深いもんです。

春から夏にかけての長雨は「五月雨(さみだれ)」いわゆる「梅雨」ですね。