京料理 道楽のブログ

道楽の新着情報や、日常のちょっとした一言を書き込んでいきます。

《汁と吸物》

2012-09-12 | Weblog
江戸時代には、汁と吸物はキチンと区別されており、汁はご飯と一緒に食し、吸物は酒の肴として食するもんでした。

したがって、白ご飯の副菜として、汁はやや濃いめの味付けに、吸物は酒に合うようあっさりめに調味してます。

汁は、味噌仕立て・すまし仕立てのどちらかにして、具には魚貝類・鳥類・野菜類を用いてます。

魚貝類では、鯨・鯛・鱸・鮭・鱈・河豚・鮟鱇・鯒・鱶・エイ・蛤・蜆・蝦・鯉・鮒…。
鳥類では、鶴・白鳥・青鷺・バン・雉・雁・雲雀・鳩・鶉・鴨・鶏・鶏卵…。
野菜類では、菜っぱ・芋・ずいき・茄子・筍・蕗・葱・韮・大根・人参・萵苣・水雲・若布・納豆…。

鳥類は、現在は鶏と合鴨と鶉が主に用いられてますけど、江戸時代は野鳥を主に用いてたようです。
鶴や白鳥って、いったいどんな味わいやったんでしょうか。

《牛肉》

2012-09-12 | Weblog
近年は、日本料理でも牛肉を用いる機会が増えており、ええ素材が落手できた時には、うちの献立にも登場することがあります。

江戸時代には、彦根藩主から代々将軍家へ牛肉の味噌漬けが献上されてましたし、一般にも牛肉の美味しさは知られていたようです。

うちでは、近江牛のA5を主に用いており、網焼きやたたき、部位によっては煮込みにして供します。

用いる部位は、ほとんどがヒレ(シャトーブリアン)もしくはサーロインですけど、トモサンカクのヒウチや肩のミスジ、あるいは、ランプのランボソなんかを用いる場合もあります。

うちで用いる近江牛は、生産・飼育を一貫して行っている牧場のもんで、その脂の香りは最高級。食感・旨みは申し分なく、実に芳潤で奥深い味わい。

栄養面では、豚肉の二倍ほど仰山の鉄分を含んでます。