[用例研究 314] 〈過去分詞 8 there+be動詞+名詞+過去分詞〉
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake © 2000 King Features Syndicate Inc.)
1 It says that crime is down in the city.
1 That’s good to hear!
2 Do they give a reason?
2 Yes...
3 There aren’t that many victims left!
[解説]
1
・It says that SV: 漠然としたitで始めて、何かの内容を相手に傳へようとしてゐます。ここは新聞記事の内容でせう。
・That’s good to hear: That’s good(それは良い)と言つて、to hear(聞いて)と不定詞句で説明を補足してゐます。つまり、何かを耳にして喜ぶ、安堵するなど肯定的な反應を表現してゐます。Dagwoodは新聞を讀んでゐますから、この状況では「良いニュースね」「朗報ね」といつたところでせうか。
3
・There aren’t that many victims left: <there+be動詞+名詞+過去分詞>のかたちで、名詞の「有無」といふよりは、名詞を提示し、過去分詞によりその名詞がどういふ状況にあるのかを説明してゐます。このかたちは用例研究246(2021年3月22日掲載)でも扱つたことがあります。
ここではthat many victimsが過去分詞leftの状態である、つまり「それだけ多くの被害者」が「殘されてゐる」状況にない、といふわけです。
□參考例文: 過去分詞の例です。
There’s only one man qualified for the job.
その仕事に就く資格のある人はひとりしかゐません(/ひとりの男だけがその仕事の有資格者です)。
□參考例文: -ing形が置かれることがあります。
Look out! There’s a car coming.
氣をつけなさい。車が來てますよ。
・that many: thatは副詞で、數量・程度を表はす形容詞や副詞を限定して「それだけ」「それほど」「そんなに」といつた意味を表はします。
□參考例文: 不可算名詞だとmuchとなります。
I’m not paid that much money.
私はそんなにもらつてゐませんよ。
[意味把握チェック]
1 「その市で犯罪が減つてるつてさ」
1 「良いニュースね」
2 「理由が載つてる?」
2 「ああ...」
3 「それだけ多くの被害者が(/被害者がそんなに)殘つてないんだつて」
[笑ひのポイント]
・都市の犯罪の多さを大袈裟に表現して讀者を笑はせます。しかし、よく考へると妙なところもあります(被害は一度にかぎらない?)。