[用例研究 176] 〈關係代名詞+插入節〉
(BLONDIE By Dean Young & Stan Drake)
1 Cora’s mad at me again.
2 She says I don’t ever listen to her anymore.
3 At least, that’s what I think she said.
[解説]
1
・Cora: 奧さんの名前。
・mad: (informal) angry
2
・not+ever: never とほぼ同意ですが、never のはうが一般的です。
・anymore: 「今(から)はもう~ない」
3
・at (the) least:「(文修飾)ともかく/いづれにせよ」「少くとも」
・that’s what I think she said: 關係代名詞の後に節〈主語+think / believe / fancy / fear / find / hear / know / remember などの動詞〉が插入されることがあります。主語や動詞の時制は、意味によつてさまざまに變はります。
3コマめでは、關係代名詞節 what she said (「彼女が言つたこと」)に I think の意味が加はります。斷定ではなく、自分の感想として述べてゐることになります。他の動詞の場合も、それぞれの動詞の意味が反映されることになります。關係代名詞が省略されてゐなければ、 I think などの部分を(カッコ)で圍つてやるとわかりやすいかもしれません。
□參考例文
176.1 The woman who I thought was her sister was actually her mother.
私が彼女の姉だと思つたその女性は、實は彼女の母親でした。
□參考例文: 繼續用法のケースです。
176.2 John, who I remember was good in math in high school, is now specializing in engineering in college.
ジョンは、私の記憶では高校で數學がよくできたが、今大學では工學を專攻してゐます。
また關係代名詞が限定用法であれば、關係代名詞が使はれないことがあります。
□參考例文: 主格の關係代名詞が使はれてゐません。?whoの省略
176.3 The only person I think is stupid is the author of this passage.
私が愚かだと思ふ人はこの一節を書いた人だけです。
□參考例文: 目的格の關係代名詞が使はれてゐません。
176.4 This is a problem I believe I can solve.
これは私が解けると思つてゐる問題です。
[意味把握チェック]
1 「Cora がまたワシに怒つてるんだ」
2 「ワシが彼女の言ふことを(今は)もうちつとも聞かないと言ふんだ」
3 「ともかく(/いづれにせよ)、それが彼女の言つたことだと思ふんだがな(/それが彼女が口にしたことぢやないのかなあ)」
[笑ひのポイント]
・關係代名詞 what の後にI think が插入されたため、「奧さんの言ふことをしつかり聞いてゐない」ことを自ら立證してしまひます。そこにをかしみが生じるのかと思ひます。また、 奧さんの Cora は氣が強い人で、おそらく多くのことを大きな聲で言つたはずですが、それが耳に入つてをらず、2コマめの言しか聞いてゐなかつたのだ、と考へることも可能でせう。