英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・用例研究 176 <關係代名詞+挿入節>

2019-06-24 | 用例研究

[用例研究 176] 〈關係代名詞+插入節〉

    (BLONDIE  By Dean Young & Stan Drake)

1  Cora’s mad at me again.

2  She says I don’t ever listen to her anymore.

3  At least, that’s what I think she said.

 

[解説]

・Cora: 奧さんの名前。

・mad:  (informal) angry

 

・not+ever: never とほぼ同意ですが、never のはうが一般的です。

・anymore: 「今(から)はもう~ない」

 

・at (the) least:「(文修飾)ともかく/いづれにせよ」「少くとも」

・that’s what I think she said: 關係代名詞の後に節〈主語+think / believe / fancy / fear / find / hear / know / remember などの動詞〉が插入されることがあります。主語や動詞の時制は、意味によつてさまざまに變はります。

  3コマめでは、關係代名詞節 what she said (「彼女が言つたこと」)に I think の意味が加はります。斷定ではなく、自分の感想として述べてゐることになります。他の動詞の場合も、それぞれの動詞の意味が反映されることになります。關係代名詞が省略されてゐなければ、 I think などの部分を(カッコ)で圍つてやるとわかりやすいかもしれません。

□參考例文

176.1    The woman who I thought was her sister was actually her mother.

                 私が彼女の姉だと思つたその女性は、實は彼女の母親でした。

□參考例文: 繼續用法のケースです。

176.2     John, who I remember was good in math in high school, is now specializing in engineering in college.

                 ジョンは、私の記憶では高校で數學がよくできたが、今大學では工學を專攻してゐます。

 

  また關係代名詞が限定用法であれば、關係代名詞が使はれないことがあります。

□參考例文: 主格の關係代名詞が使はれてゐません。?whoの省略

176.3     The only person I think is stupid is the author of this passage.

                 私が愚かだと思ふ人はこの一節を書いた人だけです。

□參考例文: 目的格の關係代名詞が使はれてゐません。

176.4     This is a problem I believe I can solve.

                 これは私が解けると思つてゐる問題です。

 

 [意味把握チェック]

1 「Cora がまたワシに怒つてるんだ」

2 「ワシが彼女の言ふことを(今は)もうちつとも聞かないと言ふんだ」

3 「ともかく(/いづれにせよ)、それが彼女の言つたことだと思ふんだがな(/それが彼女が口にしたことぢやないのかなあ)」

 

[笑ひのポイント]

・關係代名詞 what の後にI think が插入されたため、「奧さんの言ふことをしつかり聞いてゐない」ことを自ら立證してしまひます。そこにをかしみが生じるのかと思ひます。また、 奧さんの Cora は氣が強い人で、おそらく多くのことを大きな聲で言つたはずですが、それが耳に入つてをらず、2コマめの言しか聞いてゐなかつたのだ、と考へることも可能でせう。