英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・英文讀解のヒント (51) 《準否定語》

2016-06-08 | 英文讀解のヒント

1  次の英文を音讀または默讀しながら意味をとらへ、下線部については意味を日本語で言つて、または書いてみませう。(※讀み方がわからない語はあとで辭書で調べておきませう)

     To ensure the continued survival of our species, it makes sense that we should save the resources of the Earth and its surroundings, rather than exploit them.  Technology could make that easier.  Whenever we use stuff, we hardly ever export the constituent atoms and molecules beyond the Earth system; we merely rearrange them chemically, for example converting carbon locked in fossil fuels into carbon dioxide.  At present, we are not particularly good at converting our waste products into something useful.  But given a few more decades, things could look very different thanks to innovations.

(39 中央大學 2013 9パラ; 2014年3月17日掲載)

 

2  下線部の解説

2.1  not / never / no など文や語句を完全に否定する否定語よりも弱い語句があり、準否定語と呼ばれます(※「弱い否定」といふ項目を掲げ「否定」の章で解説する文法書もあります)。

  程度について「ほとんどない」を意味する準否定語に、

・hardly (= almost not or almost none )

・scarcely (= almost not at all or almost none at all )

  頻度について「ほとんどない」を意味する準否定語に、

・seldom (= very rarely )

・rarely (= not often )

・hardly ever (= almost never or very seldom )

  數量について「ほとんどない」を意味する準否定語に(※英文讀解のヒント (50) で解説したものです)、

・little

・few

  などがあります

■諳誦例文

50        I hardly studied at all last term.

              私は先學期はほとんど勉強しなかつた。

51        The game had hardly started when it began to rain.

              試合が始まるとすぐ雨が降り出した。

  51の構文は本ブログではまだ扱つてゐません。hardly は scarcely と置き換へられることがあり、when は before と置き換へられることがあります。文語體としては hardly を先頭に出し Hardly had the game started ...と倒置で表現されることがあります。

 

□參考例文

51.2     The kids hardly ever call me.

              その子どもたちは私にはめつたに電話してこない。

51.3     Their teaching methods have scarcely changed in the last 10 years.

              彼らの指導法はこの10年ほとんど變はつてゐない。

51.4     England has seldom won the World Cup.

              イングランドのワールドカップ優勝はこれまでめつたになかつた。

51.5     I rarely listen to classical music.

              私はクラシック(音樂)はめつたに聽きません。

 

2.2  下線部では、hardly ever が使はれてゐますから、頻度について「ほとんどない」(= almost never or very seldom )といふことになり、「滅多に~ない」「極くまれにしか~ない」などの解釋が考へられます。

 

3  意味把握チェック

  私たち(/人類)の種の存續を確實にするためには、地球とその周邊の資源を(利己的に)食ひ物にするといふよりは(むしろ)保護することが道理にかなつてゐる。科學技術はそれを一層容易にすることができるだらう。いつ私たちが(素材)物質を使つても、それを構成する元素や分子を地球系(/地球圈)の外に(運び)出すことは滅多にない。單にそれらを化學的に配列し直すだけのことである、例へば、化石燃料に固定されてゐる炭素を二酸化炭素に轉化させるやうに。目下のところ、私たちは廢棄物を何か有用なものに轉化するのに特に長けてゐるといふわけでもない(/があまり得意ではない)。しかしもう數十年が與へられたとすると(/經てば)、技術革新のおかげで事態はずつと違つて見える可能性があらう。

 

4  意味把握チェックの下線部を參考にして、元の英文に戻してみませう。

 

※下線部以外の解説については上記日付のブログ記事をご參照ください。畫面右の Back Numbers で該當の月・年をクリックし、Calendar で該當日をクリックしてご利用ください。