英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・49 同志社大學 2014 (6) 6パラ

2014-12-29 | 出題英文讀解

 

  問題解説途中での中斷 相濟みませんでした。漸うキーボードが使へるまでに恢復しましたのでブログを再開いたします。拙い解説ではありますが、よろしければ御利用ください。

                                                                 でゞむ子拜

 

 

     There are many contexts in which smart technologies are unambiguously useful and even lifesaving.  Smart belts that monitor the balance of the elderly and smart carpets that detect falls seem to fall in this category.  The problem with many smart technologies is that their designers, in the quest to (d)root out the imperfections of the human condition, ( W ) stop to ask how much frustration, failure and regret is required for happiness and achievement to retain any meaning.

 

 

[設問]

Ⅱ-A 空所(U)~(Z)に入るもっとも適切なものを次の1~4の中からそれぞれ一つ選びなさい。

(W)  1  always    2  often    3  seldom    4  sometimes

Ⅱ-B 下線部(a)~(h)の意味・内容にもっとも近いものを次の1~4の中からそれぞれ一つ選びなさい。

 (d)  root out

1  exaggerate    2  increase    3  remove    4  underestimate

 

 

6.1  There are many contexts in which smart technologies are unambiguously useful and even lifesaving.

 

[意味把握チェック]  6.1 スマート・テクノロジーが明らかに役に立ち、生命を救ふことさへある状況が多くある(/は多い)。

 

6.2  Smart belts that monitor the balance of the elderly and smart carpets that detect falls seem to fall in this category.

 

[意味把握チェック]  6.2 老人の平衡を監視するスマート・ベルトや轉倒を感知するスマート・カーペットはこの區分(/部類)に入ると思はれる。

 

6.3  The problem with many smart technologies is that their designers, in the quest to root out the imperfections of the human condition, seldom stop to ask how much frustration, failure and regret is required for happiness and achievement to retain any meaning.

 

[意味把握チェック]  6.3 多くのスマート・テクノロジー(について)の問題は、その考案者たちが、人間の抱へる(制約)事情の不備を探りあて取り除かうとする際に(/との追及において)、幸福と達成が(何であれ)意味あるものとしてあり續ける(/意義を保持する)にはどれほどの落膽と失敗と後悔が必要とされるのかを、立ち止まつて問ふことが滅多にない、といふことである。

 

【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】

・文構造は、第二文型(SVC)で、Cがthat 節です。

・seldom: 「弱い否定/準否定」の意味合ひを持ちます。ここでは「立ち止まつて~を問ふことは滅多にない」と否定的なニュアンスを讀み取ります。

・不定詞の意味上の主語: for happiness and achievement は不定詞 to retain の意味上の主語を示してゐると解しました。

・長い文、插入語句の多い文、構造がつかみにくい文を讀む時には、前から順に意味的かたまり(‘chunk’; 7±2 words)毎に頭に放り込む讀みかたが有效です。この讀み方を繰り返してゐるうちに、切れめが見えてくるやうになります。五文型を學び、説明を後置するなどの英文の構造的特徴(ひいては英語母語話者の精神構造)を知るとますますよく見えてくるでせう。

  ここでは、「スマート・テクノロジーの問題は~」と始め、be動詞のあとに補語として that 節を置いてゐるやうに見えます。問題は何かな?と疑問を抱きつつ讀み進みます。「スマート・テクノロジーのデザイナー」とあつて動詞がなく、插入語句が入ります。「追及に於いて」…その説明が續きます。「人間の條件の不備を root out する追及に於いて」です。その後に動詞部分がきます。「滅多に stop しない」…stop は -ing を目的語にとる動詞でしたが、ここは不定詞が置かれてゐます。「立ち止まつて~する」「~するために立ち止まる」と解せます。何をするのかな?と疑問を抱きつつ讀み進みます。すると「問ふ」のですね。何を問ふのか…「どれほど多くの frustration, failure and regret が必要とされるのか」…「happiness and achievement が to retain any meaning のに」。「問題は、考案者達が~をあまり問はないことだ」と、主旨が見えてきます。

  意味が把握できれば次へと讀み進めばいいわけですが、設問で和譯が要求されてゐる場合もあります。その場合には、ただ英文を日本語に置き換へるといふよりは、自分が理解した意味(筆者の主張)を自分の中でしつかり把握し、それを日本語で表現・説明しようとする姿勢が大切であるやうに思ひます。

 

[語句]

 6.3  root~out/root out~ = to find out where a particular problem exists and get rid of it

 

 

[設問]

Ⅱ-A 空所(U)~(Z)に入るもっとも適切なものを次の1~4の中からそれぞれ一つ選びなさい。

(W)  1  always(常に)    2  often(屡々)    3  seldom(滅多に~しない/まれに)    4  sometimes(時々)

【解答】

3

Ⅱ-B 下線部(a)~(h)の意味・内容にもっとも近いものを次の1~4の中からそれぞれ一つ選びなさい。

 (d)  root out

1  exaggerate(~を過大視する)    2  increase(~を増大させる)    3  remove(~を取り除く)    4  underestimate(~を過小評價する)

【解答】

3